晴れ、ときどき満月中秋の名月。
秋の夜空に浮かぶ、とても美しい満月を指す。
そもそも月を最後に見たのはいつだったか。
「それでスティンガー、私に見せたいというのはこれかい?」
アクアティックセクターに呼ばれたと思えば、油断したとはいえ間髪入れずに攻撃を食らってしまった。
目が覚めれば言わずもがな、彼の幻想の中。
一面に広がる夜空には綺麗な満月がぽっかりと浮かび、その月の光を反射して浜辺に打ち寄せる波がきらきらと輝いている。
「暦が私の数える通りであれば、今夜は一際綺麗な満月が見れるそうだ」
「長いことこの施設に居て、外にすら出られていないというのに?乙なものだね、クラゲにも四季を愛する心があるとは」
「貴様の減らず口は聞き飽きた、相手をする気にもならん」
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