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    comeco

    @happyota2

    字書き。
    銃三が主。たまにさまさぶ、帝独、D4

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    comeco

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    銃三

    一緒にお勉強「ねえ、これは?この発音」
    「どれですか?」
     ただいま英語のスピーチを特訓中。
     この間課題で作文を提出した。うちでやっててもうるさくて落ち着かないから静かな銃兎の家で書いていた。その日は銃兎はたまたま休みで僕の隣で静かに本を読んでいた。
     ふとラップしててもやたらと発音のいい銃兎に英語が得意なのかと聞いたら「まあ」という返事。こいつの気のない返答はそんなの当たり前だろって事だ。努力して得たモノは得意げに話してくるから。それならと思い英文の間違いがないかを銃兎に確認してもらって言い回しとか少し直されたのを提出したのだがそれが何故かスピーチコンテストに選ばれてしまった。
     僕は英文はまあわかるんだけど発音はどちらかと言えば苦手だ。今日は書いた作文のコピーを銃兎に渡し「ごめん、教えて欲しい」と言ってスピーチコンテストに出る事を伝えた。休みを二回も勉強に費やすのは気が引けたのだけど他に教えてくれそうな人に心当たりもない。銃兎は「へー。すごいな」と言うから「こんなつたない英語でコンテストなんてって思う?」と聞くと「いや文章自体はちゃんとしてる。ただ割と難しい単語もあるから読むのは大変だなと思ってな」
     
     え?難しい単語?
     
     書く事に夢中で読む事は考えていなかった。頭の中では日本語英語の発音でなんとなく読んでいたが本当の発音はわからない。そりゃ発音記号とかはあるけど……辞書片手に読むわけにはいかない。
     
    「ごめん。読んでもらっていい?」
     
     銃兎はスラスラと英文を読んでいく。たしかに聞いたことない言葉がいくつもある。初めて聞く銃兎の英文朗読は心地よくて僕もそんな風に読みたいと思った。
     
    「ま、お前は耳がいいからすぐ読めるようになるだろ。ほら、読んでみろ」
     
     お手本がすごかったのにいきなり読まされるのか。辿々しくザ・日本語英語を披露する。銃兎は苦笑しながら一文ずつ丁寧に読んでくれる。意味が変わらないよう言いやすい言い回しに変えてくれたり、簡単な単語をチョイスしてくれたりして原稿をあとで先生に見せるようにと書き直しもしてくれた。
     それでも直さずに読める方がかっこいいからボソボソと繰り返していた。
     
    「ちゃんと声に出さないとダメだな。気にせずに何度も読めばいい。そのうち慣れる。ラップと一緒だ」
     
     この日はずっと銃兎と英語の勉強で終わってしまった。つまらない休みにしてしまった気がして申し訳なくなってちょっと不安になる。
     
    「久しぶりに俺も学生の気分を味わえた。たまにはいいな、こういうのも。三郎は毎日同じでつまらないのかもしれないけどな。また宿題持ってきていいぞ」
     
     と満足気に伸びをしていた銃兎。
     よかった。
     
    「おっさんくさい」
    「なんだと。せめてお兄さんくらいで止めろ」
    「生憎兄は二人もいるんでね。もうこれ以上いらないよ」
    「はいはい。ほら、送ってくぞ。早くしろ」
    「……ありがと」
     
     ぽんぽんと頭を撫で「頑張れよ」と言うとさっさと玄関の方に行ってしまった。
     持ってきた勉強道具を持って僕も部屋を後にした。
     
     
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    comeco

    DOODLEじゅうさぶ
    鳥が嫌いなじゅーとが可愛いフクロウと出会う話
    ※フクロウはさぶちゃんです。
    ぜんぶ全部妄想です。
    闇夜に出会うは森の賢者「お母さん、この鳥知ってる?」
    「どれ?梟?」
    「魔法使いの男の子と一緒にいるんだ。ペットなんだよ。」
    「へー。梟は幸せを呼ぶのよ。あと賢さの象徴ね。」
    「でも鳥だよね……」
    「そうね。銃兎は鳥嫌いだもんね。」
    「嫌いじゃなくて苦手なの!鳥なんて可愛いのかなあ。」
    「そうね。お母さんも飼ったことないけど愛情があれば苦手でも可愛く見えるかもしれないわね。」
     
     目が覚める。懐かしい夢。母が出てくる夢なんて何年振りだろう。子供の頃読んだ魔法使いの男の子は梟を飼っていた。本で見るイラストの梟は飛ばないし、鳴かないのでこれなら可愛いかもと思っていた。
    「理鶯、交代しますよ。」
     このところ野営地が騒がしく理鶯から睡眠を少し取りたいという申し出がありキャンプに来ている。食事をご馳走すると言われたが左馬刻は今忙しくしていて一緒に来られないと言われ生贄なしで理鶯の食事は摂取出来ないので仕事中に食事を済ませているからすぐに仮眠だけさせて欲しいと食事だけは丁重に断った。仮眠を取った後理鶯を休ませた。
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