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    ぐらみ

    @guramioxo
    ジョーカー(P5主人公)をすけべする

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    ぐらみ

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    練習です。春主えろの導入。まだ全年齢。
    主春っぽいですが残念ながらジョーカーくんの脳内だけです。

    「コスプレした恋人を10回イカせないと出られない部屋……?」 話はほんの数分前に遡る。メメントスでシャドウと交戦中に足元に落とし穴が現れた。相手のシャドウは自分たちよりも随分と格下であったため、油断があったのは確かだ。さっさと終わらせようとダガーで斬撃をお見舞いし、間合いを取ろうと後退した、その時には既に落ちていた。
    「きゃあッ」「ノワール!」
     どうやら落とし穴は一つだけではなかったようだ。斧で華麗にシャドウを薙ぎ払っていたノワールの足元にも出現していたようだ。近くにいたクイーンが咄嗟に手を伸ばしたが、間に合わず、穴に落ちていくノワールを視界の端に捉えていた。

     落下を感じて間もなく、スプリングの衝撃を受けた。着地時の痛みは無い。どうやらひとつ下の階層に繋がっていただけのようだったが、その光景は見慣れた禍々しい地下鉄空間ではなく、西洋風の屋敷の――寝室であるような一室であった。パステルカラーの花柄の壁や、クリーム色の家具が並び、窓にはボリュームのあるレースのカーテン装飾が施されている。ふわり、と、ラベンダーのような香りが鼻をくすぐった。自分が落ちたのはベッドであったようだ。普段寝ている屋根裏の、ビールケースで作られたそれよりもずっとずっと寝心地が良い物だろう。軽く嫉妬を覚えたし、どうにも落ち着かない。メメントスとも、普段の生活とも、今まで生きてきた経験からも、この部屋はかけ離れているのだから。
     ――だって、どう見ても、女子の部屋!
     とにかく、脱出しなければ。変に汗が噴き出してくるが、ともかくサードアイで周囲を探る。窓のカーテンからは柔らかく日差しが入っているが、外に繋がっているわけではないようだ。パレスでも似たようなものだった。では、ドアは。近づいてドアノブを回してみるが、外から施錠されているのか、開くことはなかった。その時、
    「きゃッ……!」
     声とベットへの落下音に振り返ると、ノワールがベッドに尻もちをついていた。どうやら落とし穴は同じ空間に繋がっていたのだ、と、少し安堵する。
    「怪我は無いか」
    「ジョーカー!ありがとう、大丈夫。ここは、メメントス……?」
     辺りを見回すノワールに焦りが見られる。そのはずだ、ドアは開かない、と今の状況を伝えると警戒を高めた。
     それにしても、とノワールと部屋を交互に見て思うのは、やたらとこの部屋の雰囲気とノワールが似合っているということだ。訪れたことはまだ無いが、この部屋が本人の部屋だと言われても何も違和感を感じない。
     ふと、ノワール越しにベッドが視界に入る。一瞬、良からぬ妄想が頭をよぎった。彼女の部屋で二人きり、ふんわりと仕立てられたシーツの海に沈んで、それから――
    「ジョーカー?」
     妄想の当の本人と目が合う。ぎくり、と視線を思わず逸らしてから、再び彼女の淡い紫に戻した。
     ――仕方ないだろう。俺たち、付き合い始めたばかりだぞ。
     そう、ノワール……もとい奥村春と晴れて恋人になったのは木枯らしの吹き始めた日、春の自宅を訪れてのこと。一秒一秒を鮮明に思い出せる程には記憶に新しい。手を繋いだ柔らかい感触を左手に思い出す。鼻をくすぐる甘い香り。その先、彼女の髪に、頬に、唇に、さらにその下に触れることを妄想して身体を熱くさせるのは健全な男子高校生なので当然だろう!と脳内で言い訳をした。
    「……すまない、状況把握に時間がかかった。とにかく、脱出できる手がかりを探そう」
    「うん、そうだね。罠もあるかもしれないし、気を付けて見てみるよ」
     ノワールがクリーム色のチェストの方へ向かったのを見送り、ふと胸を撫でおろす。いけない、集中しなければ――とサードアイで再び部屋を見渡した。すると、先に探索したときには見つけられなかっただろうか、化粧台の前にカードのようなものが青白く光っている。近づいて確認しようとすると、
    「ジョーカー!これっ…!」
     驚いた声に振り返ると、引き出しの中を確認したであろうノワールと目が合う。そこには、女性用の衣類――もっと言えば、メイド服、ナース服、セーラー服――がきっちりと畳まれて納められていた。この部屋の雰囲気とは異なり、あの渋谷のロシナンテの売り場を想起させた。
    「な、何かしら……お洋服のようだけれど……潜入道具とか……?」
    「ノワール、化粧台にも何かある。ヒントかもしれない」
     はがきが一度折られたような、小さいカードを手に取り開き、そして硬直した。
    「何かヒントは見つかった?……ええと、何かしら……」
     ノワールが小さい声で、カードに書かれた文字を読み上げた。
    「コスプレした恋人を10回イカせないと出られない部屋……?」

     己の煩悩を消すかの如くドアを蹴破ろうとしたが、それは開くことが無かった。それどころか、
    「……ッ!」
    「ジョーカー!?大丈夫!?」
     仰け反るほど衝撃が重く跳ね返ってきた。物理反射でも備えられているのか。ならばペルソナで、と仮面に手を添えると背後から「ダメッ!!」とコートを引っ張られた。
    「見て、さっきは確かに10回だったのに、11回に増えてるの!」
     ノワールが差し出したカードには、確かに【コスプレした恋人を11回イカせないと出られない部屋】と書かれていた。
    「ジョーカーがドアを攻撃したら、カードが光ったの。もしかしたら反撃をすると、その、この部屋を出る条件がどんどん厳しくなるんじゃないかな……」
     ――ふざけるな。これではまるで、自分の欲望が具現化してしまったようだ!
     慌てて、顔に手を添える。大丈夫、仮面はある、怪盗服も襟が立ったままだ。叛逆の意思は消えていない。一瞬、自分の心が歪みパレスが建設されてしまったのかと脳裏に浮かんだが、そんなわけあるか。春との初エッチは、自室か、もしくは、春の部屋のベッドで、そう、この部屋のような
     ぶんぶんぶんぶんッッ!!!!!
    「ジョーカー!?大丈夫!?」
     思わず頭が取れるほど首を左右に振った。息も乱れている。身体がカッカッと照っているのは、性的興奮からではなく緊張からだと信じたい。
    「あの……その、引き出しのお洋服を、とりあえず着ればいいのかな……」
     ノワールが、コートの裾を握ったままそう言ったものだから
    「えっ、あっ、うん いや、いい!」
     ――今の自分のカッコ悪さ、叛逆の意思消えそう。
    「でも、お部屋を出れないと困っちゃうし。早く戻らないとみんなも心配していると思うの。待っててね、ジョーカー」
    「ノワール、その、何をさせられようとしているのか、わかっているのか!?」
     お嬢様育ちの彼女のことだ、年頃だとはいえ「イカせる」の意味がわかっていないのかもしれない。息を整えて、他の脱出方法を考えようと提案しなければ。
    「えっちなことでしょう?」
     まるでジオダインを打たれた時のような衝撃が背中に走る。唾液が溢れそうなほど湧いてくる。ノワールを見れば、頬を少しだけ染めて微笑んでいた。
    「私もね、その、ジョーカーと同じ気持ちだと思う。だから、その……でも、着替えを見られるのは少し恥ずかしいかな。ちょっとだけ、向こうを見て待っててくれる?」
    「あ、ああ……」

     しばらく、パステルカラーの花々と向き合うことにした。ジョガーパンツのポケットに手を突っ込み平然を装っても、これ以上鼻の穴が広がらないようにするのが難しい。心臓がうるさい。経験のない自分が、11回も、という自信は正直無い。どうすればいいんだ、助けて惣治郎さん。それにしても、ノワールはどの衣装を選ぶだろうか。ふわりと広がるメイド服、似合うだろう。タイトなナース服は、ボディラインが強調されて良い。秀尽の制服はブレザーだから、セーラー服姿も目に収めたい。頭の中でえっちなファッションショーが開催されている。途中での衣装チェンジはルール違反ではないだろうか……
    「あら?」
     ノワールが普段よりも1トーン高い声をあげる。あら、あら?と呟き続けている。着方がわからないのだろうか、手伝った方がスマートだろうか。花々と目を合わせたまま声をかけようとした。
     次に聞こえたノワールの台詞は、混乱バステを食らうのには十分すぎた。

    「ねぇ、ジョーカー。言いにくいのだけれど……ここの引出しに入ってるお洋服、全てメンズサイズみたいなの」
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    ぐらみ

    DOODLE練習です。春主えろの導入。まだ全年齢。
    主春っぽいですが残念ながらジョーカーくんの脳内だけです。
    「コスプレした恋人を10回イカせないと出られない部屋……?」 話はほんの数分前に遡る。メメントスでシャドウと交戦中に足元に落とし穴が現れた。相手のシャドウは自分たちよりも随分と格下であったため、油断があったのは確かだ。さっさと終わらせようとダガーで斬撃をお見舞いし、間合いを取ろうと後退した、その時には既に落ちていた。
    「きゃあッ」「ノワール!」
     どうやら落とし穴は一つだけではなかったようだ。斧で華麗にシャドウを薙ぎ払っていたノワールの足元にも出現していたようだ。近くにいたクイーンが咄嗟に手を伸ばしたが、間に合わず、穴に落ちていくノワールを視界の端に捉えていた。

     落下を感じて間もなく、スプリングの衝撃を受けた。着地時の痛みは無い。どうやらひとつ下の階層に繋がっていただけのようだったが、その光景は見慣れた禍々しい地下鉄空間ではなく、西洋風の屋敷の――寝室であるような一室であった。パステルカラーの花柄の壁や、クリーム色の家具が並び、窓にはボリュームのあるレースのカーテン装飾が施されている。ふわり、と、ラベンダーのような香りが鼻をくすぐった。自分が落ちたのはベッドであったようだ。普段寝ている屋根裏の、ビールケースで作られたそれよりもずっとずっと寝心地が良い物だろう。軽く嫉妬を覚えたし、どうにも落ち着かない。メメントスとも、普段の生活とも、今まで生きてきた経験からも、この部屋はかけ離れているのだから。
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