アベンチュリン・タクティックス ルート1 第6話:存護の誓い 前編 青空へふわふわと飛んでいく色とりどりの風船。校庭に響く吹奏楽部の音楽と楽しげな声で賑わう学園。
その景色を琥珀の瞳に映す星———彼女の口元は柔らかな孤を描く。
「星、楽しそうだね」
「うん、楽しみだったから」
「ふふっ、それはよかった」
隣を歩くアベンチュリンも笑みを零していて、彼も同じ気持ちだったんだとますます嬉しくなる。
星も今日の文化祭をずっと楽しみにしていた。この日のためにクラスメイト達と準備をしてきた。楽しみで仕方なかった。
一方、同時に感じるのは緊張と不安。
ホストの練習は十分にした。客、特に女子を喜ばせることはできるだろうし、突出したイレギュラー対応がなければ、問題なく対応できる。会場もキッチンももちろん完璧だ。
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