平常運転「美奈子…、今度の日曜日、商店街に俺の買い物付き合ってくれないか」
「うん、いいよ。」なんのためらいもない様子の返答にひとまずホッとする。
何回デートを繰り返しても、声をかける瞬間は少し緊張するな。
断られることはないとは思うけど、この場所はイヤじゃないかとか、他に用事があったりしないかとか、色々考える。
「玲太くんのお買い物に付き合うのって珍しいね。何を買うの?」
「ああ、パソコンがちょっとさ、調子悪くて買い替えようかと思って…る、んだ…」
「えっ? パソコンとかなら、本多くんと一緒の方が良くない? 本多くん多分そっち系も詳しそう、あ、本多くんはホント何でも詳しいけど」
俺の言葉が終わらないうちに、首を振りながら胸の前で小さく手を振る。
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