10.31「……え?」
「なにその反応、不満?」
「い、いやいや!そんなわけないだろう、ただ……なんというか。また意外なふたりだなあと思った、それだけで……」
十月三十一日、一時にも近くなる頃。深夜突然の来訪者からのノックに別段警戒もせず扉へと近付き出迎えるべくドアを開けば、そこにはよくよく見知った男ふたりの姿があった。試合においてもよく共になるナワーブ・サベダーとノートン・キャンベル、彼らが何故こんな夜半も遅く自身の部屋まで訪れたのか理由に心当たりはなかったのだが。
「ええ、と。それで、……二人揃ってどうしたんだい。それもこんな時間に」
「…………」
「ノートン君?」
問いかけに対して押し黙ってしまうノートンの様子に首を傾げる。すると、隣にいたナワーブがおおきく息をついて切り出した。
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