🍃さんが失踪する話「玄弥いるか?」
ぜぃぜぃと仕事場に顔を出した炭治郎に顔を向ければすぐこちらに気付いて走ってきてくれる。
「どうした?何かあったか?」
「玄弥、ちょっと聞きたいんだけど、実弥さんがどっか行くとか言ってたか?」
近くまできてみれば、汗だくの炭治郎に驚いて腰に着けていた手拭いを渡すが、こんなものはどうでも良いとグッと身体をこちらに寄せてくる。
「いや、特になにも聞いてないけど?何かあったのか?」
「居ないんだ!えっと、俺も混乱しているし、最初から話すよ。えっと昨日、家に爽籟が来て、今年の冬から家には炭は要らないから、悲鳴嶼さんの所にだけよろしくって言われたから、悲鳴嶼さんの所を今日訪ねて帰りに実弥さんの所を訪ねたら、実弥さんの屋敷が売りに出されてて、いろんな人に聞いたんだけど誰も知らなくて、御館様には旅に出るから心配しないで欲しいおせわになりましたって手紙はきてたみたいなんだけど」
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