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    yuuki1yuuki

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    yuuki1yuuki

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    前に書いた酒に酔った📿さんを襲った🍃さんの話の続きをずっと放置してたのが出てきた。

    オリキャラも出てくるので注意

    #ひめさね
    #宇髄夫婦
    ujikoAndHisWife

    🍃さんが失踪する話「玄弥いるか?」

    ぜぃぜぃと仕事場に顔を出した炭治郎に顔を向ければすぐこちらに気付いて走ってきてくれる。

    「どうした?何かあったか?」
    「玄弥、ちょっと聞きたいんだけど、実弥さんがどっか行くとか言ってたか?」

    近くまできてみれば、汗だくの炭治郎に驚いて腰に着けていた手拭いを渡すが、こんなものはどうでも良いとグッと身体をこちらに寄せてくる。

    「いや、特になにも聞いてないけど?何かあったのか?」
    「居ないんだ!えっと、俺も混乱しているし、最初から話すよ。えっと昨日、家に爽籟が来て、今年の冬から家には炭は要らないから、悲鳴嶼さんの所にだけよろしくって言われたから、悲鳴嶼さんの所を今日訪ねて帰りに実弥さんの所を訪ねたら、実弥さんの屋敷が売りに出されてて、いろんな人に聞いたんだけど誰も知らなくて、御館様には旅に出るから心配しないで欲しいおせわになりましたって手紙はきてたみたいなんだけど」

    わたわたと話す炭治郎に自分が真っ青になっていくのが分かる。
    姉ちゃんが引っ越し?最後に会ったのはいつだ?文字を書く練習も兼ねてここ半年近くは手紙のやり取りだけだったし、俺が行きたいって伝えても、庭師の方に集中しろと言われ、会いたいって伝えても、いつまでも姉ちゃん姉ちゃん言ってないで休みの日には恋人を優先しろと怒られ、挙げ句の果てには荒療治だが、会いに来るなら手紙もやめると言われたら、手紙の頻度は増やしたが、長いこと顔は見ていない。慌てて親方の所に走って理由を話せば快く休みをもらえたので、その日のうちに姉ちゃんの家に向かったが、炭治郎が言っていたように家は無人になっていて、少し遠い近所の人も誰も何も知らなかった。四ヶ月ほど前に突然里に帰るからと出ていったらしい。

    そんなに前だなんて、どこを探せば良いのか分からない。
    ほとんど毎日姉ちゃんが通っていた師匠の所に行けば、その話を聞いて師匠は本当に驚いていて、通う頻度は減ってはいたが、ほんの一週間ほど前に姉ちゃんが普段通りに手伝いに来てくれて、特に何でもない会話をして、ただ、しばらくは来れないと沢山の荷物をここに運んでくれたらしい。

    「どこ、行ったんだよ姉ちゃん…」

    誰に聞いても、姉ちゃんの足取りは辿れなくて、柱の人達も頑張って探してくれていたが、結局いつまでたっても姉ちゃんは見つからなかった。
    柱の中で、親しいと言えるのは師匠と時透君位だったけど、柱の人皆が定期的に俺のところに顔を出してくれて、それっぽい話を聞いたらこっそり情報を流してくれた。

    だけど、姉ちゃんの隠れる能力が高過ぎて、あの目立つ外見なのに姉ちゃんは全く見つからず、悲しいを上回る程の苛立ちを感じている頃だった

    「不死川弟、居るか?」
    「甘露寺さん!お久し振りです」

    小さな黒い髪の少女を二人抱いた彼は昔と違って顔中の傷を隠すこともなく、娘に頬を引っ張られながらも周りをキョロリと見渡した。

    「差し入れだ。不死川は見付かったか」
    「いえ…」
    「あいつは根なし草のような奴だが、すぐに死ぬような人間ではない。そのうちふらっと帰ってくる。」

    重箱を受けとると目を反らしながらも、本当に普通の声で声をかけてくれる彼が俺は大好きだ。姉ちゃんが親友だって言うのも良く分かる。正直だし、まっすぐに話してくれる。
    ネチネチ言ってるけど、言っていることはもっともだし。もしかしたら、双子ちゃんが、産まれてから柔らかくなったのかもしれないけれど…

    甘露寺さんと蛇柱様の子供は可愛らしい双子で瑠璃ちゃんと珊瑚ちゃんといい元鬼殺隊の皆から本当に愛されている。
    ふにゃふにゃと笑い人見知りせずに皆に愛想を振り撒く二人と宇髄さんの所の三人息子は新しい時代の象徴として大切に大切に育てられている。あと、冨岡さんの所はそろそろじゃないかという噂はあれど、まだだ。


    特に瑠璃ちゃんは人懐っこくてニコッと笑って俺の方に手を伸ばしてくる

    「げや」
    「玄弥だよ~瑠璃ちゃん大きくなったねぇ」
    「うふ~、るぅおっきい~」

    姉ちゃんが居なくなって3年。俺の誕生日には毎年何かしらが届くし、御館様が実弥は元気だよ。気持ちが落ち着いたら帰ってきてくれるよ。勘だけどねっと発言したら皆そこまで本腰入れて探そうとしなくなった。
    今年は綺麗な紫色の石で、音柱様に聞いたら紫水晶という、立派な宝石らしい。
    去年は翡翠でその産地まで音柱様と足を運んで探したが全く痕跡なし。全然見つかんねぇ!
    もし俺のところに運んでるのが爽籟ならすぐ気付けるのに!姉ちゃんは動物に強烈に好かれることを忘れていた!
    今年の運び屋はまさかの近所の猫だった!

    もうそろそろ俺も結婚とか考えてるのに、姉ちゃんに報告も出来ねぇとかぁ

    「甘露寺さんって姉ちゃんと連絡とれそうですか?」
    「なぜ?」
    「あっ!えっと。俺絶対姉ちゃんに情報流してる人居ると思うんです!姉ちゃんなら甘露寺さんの七五三の関係で絶対!内通者と連絡とると思うんです!だから、怪しそうな人が居たら教えてくださいね!」

    ニッと笑って見せると、甘露寺さんは珍しくふっと笑って、お前は本当に不死川の弟だなと俺の頭をぐいぐいと撫でた。





    「天元様~~」

    少し先を歩く嫁が愛らしい笑顔でこちらにブンブン手を振る姿に笑いながら手を振り返すと、須磨がぴょんと跳ねてさらに大きく手を振ってくる。
    家の嫁は世界で一番可愛らしいと思いながら歩を進めれば、我先にと息子二人が飛び付いてくる。
    嫁だけじゃなかったわ。息子も世界一可愛いわ。

    今回の仕入れも駄目だったなぁ、いや、仕入れ自体は大成功だったんだが…
    仕入れに出歩く度に一応不死川を探してはみるがこうも毎回空振りだとそろそろ方法を変えるべきなのかもしれないなんて思いつつ、ぐりぐり腹に頭を擦り付けてくるマキヲにそっくりな天正の頭を撫でてやれば、俺にそっくりな天虎が頭をずいずいと掌に擦り付けてくる。

    「ん?雛鶴と天蘭は?」
    「蘭はお腹痛いって、雛母様は付いててあげてる」
    「それは早く言えよ?マキヲ!須磨!近くで宿とるぞ!」

    家まであと列車に乗って一時間程度ではあるが、体調が悪い人間にはこの一時間は遠すぎる。

    あまり人のいないこの辺りに全員で泊まれる場所なんてあっただろうか?

    「お兄さん、どうしたの?」
    「坊やここら辺の子か?」

    息子と同じくらいの年の子供がにこにこと話しかけてくるので、少年の頭を撫でてやりながら聞くと、うんと力強く頷いてくる。

    パッチリとした大きな瞳にちっと太めな下がり眉。服装的にそこまで裕福ではなさそうだ。

    「困ってるの?」
    「あー、家は7人家族なんだが、泊まれる宿はここいらにあったかなぁと思ってな」
    「あるよ!めいが連れていってあげる!えっとね、あっ!でも、温泉宿だからちょっと高いんだって!」
    「そこは問題ねぇよ。案内して欲しいが母ちゃんは?」

    どう見ても家の子と同じくらいの子供を連れ歩くわけにゃいかねぇよな
    せめて母親にお伺い立てなきゃな

    「あのね、母ちゃんそのお宿で働いてて、めい今から行くとこなの」

    なるほど!客引きか!
    それならば、頼んでも問題ないだろう。
    ちびすけの頭をぐいぐいと撫でると楽しそうにコロコロと笑う

    「んじゃ頼むわ」
    「うん!まかせて!」

    聞けばめいは上の子の2つも下の4つだそうだ。嘘だろ?それにしちゃでかいだろ!!と言ったらえへへーっと照れていて可愛らしい。
    それに足腰も凄くしっかりしている。
    甘露寺のとこの下の子よりも幼いのに客引きまでこなすとは…

    「めいさぁ、大きくなったら家に奉公に来る気ねぇ?結構真面目にさ」
    「うちねぇ、母ちゃんとにぃにとめいしかいないから、母ちゃんが良いなら行きたいなぁ」

    苦労してんだな…子供が出来てからこう言うの駄目なのよ俺。

    「んじゃあ、母さんと兄貴と三人でおいで」
    「ほんと!ありがとう!うれしい」

    笑顔が可愛いじゃないか!きっと兄貴も母親もこんな風に可愛いんだろうな。
    仕入れは大成功だったし、こんな可愛い奉公人も確保した。不死川が見つからなかった事以外は大成功だなぁ
    めいは家の下二人と楽しそうに話をしている。

    「めいはさぁ、何で父ちゃん居ないんだぁ?」

    ズバッと聞いてしまった天正と怒りたくなったが、めいは変わらず楽しそうなまま言葉を続けるので、子供の会話に耳を傾ける

    「母ちゃんおしえてくれないからしらない。母ちゃんもごもごして死んだとかではないって言ってた。あれねー多分母ちゃんが何かやらかしたんだなーってにぃにとはなしてる」
    「何で?」
    「家の母ちゃんうそつくのすっっっごくへただから、ゴニョゴニョするし、かおに出るの!すなおでかーいいっておかみさんたちにも言われてた」

    細目の山道を少し上がるとこんなとこにあるとは思えないくらい立派な旅館があった。
    ポカンと顔を上げていると女将らしき女性とめいと同じくらいの男の子がひょいと顔を出す。

    「めい!おかえり、後ろの人は?」
    「にぃに!ただいま!おきゃくさんだよ!母ちゃんは?」
    「母ちゃんはおいちゃんのとこだから、今日はかえらないよ」
    「あれ?」

    なるほど確かに雰囲気は似てるなぁ、でも、顔とかはあまり似てないな。
    二人の体格はほぼ一緒。だが、どうもめいの方が発育は悪いらしい。

    「めいちゃん、お客さんなら受付が先よ。お客様、此方へどうぞ。」

    二人と別れて、宿の説明を軽く聞くが、想像してたよりもかなり安い。
    まぁ、子供が休める環境だけあればいいかと了承すれば、これまた結構ないい部屋に通されるので、料金を再度確認するが、本当にこの料金で良いらしい。

    眺めも山々が美しく、子供たちや嫁たちがわっと歓声をあげる

    「凄~~い!綺麗ですね!!天元様!」
    「みてみて!父ちゃん!煙が出てる!」
    「あぁ、あちらには露天風呂が有るんですよ。もし、よろしければお声かけください。ご案内致しますよ」

    笑う女将に丁寧に礼を述べ、しばらく家族で部屋で過ごすことにすると伝えると、女将は笑顔で部屋をあとにした。

    「あっ!薪割りしてる方がいる!おーい!!」
    「あっ!手を振り返してくれた!」

    須磨が天蘭以外の子供を集めて出来る限りこちらにちょっかいをかけないように天蘭から引き剥がしてくれるようだ。

    「須磨、露天風呂行かないかい?」
    「えー!行きます!マキヲさんが誘ってくれたし皆も行こうか!」
    「「行く~」」

    二人の嫁がこちらをチラッと見てから子供を一人づつ抱き上げて部屋から出ていく。
    蘭は雛鶴の息子だからか一番大人びてはいるが、やはり他の兄弟が遊んでいると動きたくて仕方がなくなるようで、休んでくれなくなるからなぁ

    「蘭、お腹痛いのか?」

    真っ赤な目がこっちを向いて、小さく首が左右に揺れる

    「痛くはねぇのか?気持ちが悪いのか?」

    こくりと小さく頷く蘭の頭をゆっくりと撫でてやると青い顔だが小さく笑って見せてくれる。

    「もっと早く言えよ?父ちゃんはお前が気持ち悪い思いしてるの嫌だからな?」
    「う、ん」

    俺と雛鶴が腹と頭を撫でてやっていると、しばらくするとすぅすぅ小さな寝息が聞こえてくる。

    「ふぅ、顔色ちょっとは良くなったな」
    「ですねぇ、この子多分食べ過ぎですね」
    「昼かなり食べてたからなぁ」

    小さな腹を軽く撫でてやると体をよじって嫌がってくるので、肩を優しく叩いてやると、またすぅすぅ可愛らしい寝息を聞かせてくれる。

    息子の顔を見ていると、頑なに鬼殺隊から弟を追い出そうとした不死川の気持ちが分かる。
    俺もきっとこの息子があの組織に入ると言い出したら全力で止めただろう。
    この可愛い子に命の取り合いはしてほしくねぇよなぁ。
    そう、思えることが嬉しい。
    俺も親のようになってしまうのか、不安で子作り出来なかった俺を諭してくれたのは不死川と悲鳴嶼さんだった。
    嫁は俺を愛してくれていたから、俺の気持ちをくんでくれて、言わないでくれていたらしい。
    悲鳴嶼さんは良いから吐き出せと、ただただ話を聞いてくれた。
    不死川は俺の言葉に質問をして、俺の気持ちを吐き出せるまで付き合ってくれた。
    俺の気持ちが纏まってきてから、不死川が嫁と話をしてくれて、三人がわんわん子供みたいに泣きながら貴方と一緒に家庭を作りたい、貴方が目を細めて求めていた優しい生活を貴方の子供に与えてあげたいと言われておれも号泣した。

    「はぁ、あいつ見つかんねぇなぁ」
    「幸せに居てくださると良いんですけどね」

    俺たち家族の恩人はあの二人だと全員の認識が一致している。
    不死川の弟のためと言うより、俺達が力になりたくて、心配で探している。

    「今、どこに居んだろうなぁ、アイツ。悲鳴嶼さんばっかりに恩返す訳にもいかねぇしなぁ」
    「悲鳴嶼様にも全然恩が返せませんしねぇ」
    「それなぁ。アイツら本当に恩返させろよ!全く二人揃って面倒臭ぇなぁ!絶対見付けるぞ!雛鶴」
    「勿論、絶対に見付けましょうね」
    「おう」

    嫁も全力で探し回ってはいるが、子育てもあり頻度も少なく、遠くには行けない。
    中々に難しいものだ。

    ふぅと息をつくと外から嫁と息子の笑い声が聞こえて夫婦でふっと笑ってしまった。
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