まちがいこの手で、仲間と決別した。
確実に心臓をつぶして、死んだと確信した。
なんだ、こんなに簡単なことだったんだ。
これで僕の『償い』は、一つ終わった。
その筈、なんだ。
あの後も僕は、指揮者様に従って『償い』を続けた。
刺して切って抉って潰して、ただひたすらに言われたままに殺す。
こうすればいつか僕の罪が消えるはず、なのに
いつまでもいつまでも、罪は軽くなるどころか重くなっているみたいで。
そんなはずない、僕は正しいことをしているはずだ。ちがう、つみはかさなってなんかいない、あのかたはただしいんだ、ぼくはわるくない、これがただしいことなんだ、だから、だから......
いまもきこえるえんさのこえは、まちがっているはずなんだ。
あのかたが、しきしゃさまが、まちがえるはずないんだから。