たそレン小話/ライラの話ライラ「先生、少し質問が。」
ノックス「お?どうしたんだ?ライラ。」
ライラ「この前話していた実家からの『おすそ分け』、配り終えましたか?」
ノックス「いや?でも、そんなことお前には関係ないだろ?」
ライラ「...はぁ......。心配して損しました。くれぐれも妨害には気を付けてくださいね。」
ノックス「はいは~い、分かってますよ~。全てはあの方の為に。」
ライラ「全てはあの方の為に。」
ライラ「......ケホ。...最近、症状が酷くなってる気がする...早く、あの方を復活させないと...僕が、病に倒れる前に。」
僕があの方...白夜様に仕えるきっかけになったのは、自分自身が抱えているこの病気がきっかけだった。
幼い頃から抱えている不治の病。症状が良くなることはあっても、一生治らず僕に一生付きまとう死の気配。
僕は生きたかった、生きていたかった。だから。
『あの方に仕えれば、何でも一つ願いが叶う。その身に適性があればな。で、どうする?契約するなら簡単だ。このリンゴを一口かじればいい。』
ライラ「僕の願いはただ一つ。生きたい。だから...契約する。」
僕は、リンゴをかじったのだった。
その選択が、どんな未来をもたらすかも知らずに。