「いや……それもう、それさぁ……マッチングアプリとか関係なくない? 相性がどうとか全部ねじ伏せてるじゃん? そんなん強制相性100%じゃん?」
「そうとも言うな」
「もはや犯罪じゃん?」
「犯罪ではない。バータースムォッチ星で開発したアプリの精度は間違いない。小細工もしていない。アプリには」
「それ木景は許してんの?」
「…………」
「やっぱり犯罪では?」
許してるか許してないかで言えば、謝罪に対する返事は聞いていないというのが正しいだろう。
ただ木景は初めてのキスもさせてくれたしその後も悪くない雰囲気だったから、外野からとやかく言われる筋合いはない。
バスターは口を閉ざした。
場所は木景が働く喫茶店。
奥まった場所にある半個室の座敷部屋で、バスターは木景の友人である早瀬と対面していた。
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