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    takoyakki1

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    takoyakki1

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    おバグり申すところまで

    俺とちとせとオムライス続きちとせは夜になると、窓を開けて月光浴をする。
    俺はその護衛も兼ねている。
    ちとせは俺を気に入ってくれたらしく、いつも楽しそうにしている。
    ちとせは本当に可愛い女の子だと思う。
    ちとせはお嬢様育ちで世間知らずなので、常識的なことも知らないことが多い。
    俺はそんなちとせをサポートするために色々と勉強をした。
    ちとせは病弱だが、とても前向きな性格をしている。
    ちとせは吸血鬼を自称しているが、血を吸うことは無い。
    ちとせは、自分がいつ死んでもいいように、周りの人間に遺産を残したがっている。
    「えへへっ、今日は何の日でしょう?」
    「クリスマスイブですね」
    「正解! ということでプレゼントをあげるね」
    「ありがとうございます」
    「はい、これ」
    「これは……ネックレスですか」
    「うん。綺麗な石がついているでしょ」
    それは赤い宝石が嵌まったネックレス。
    「ガーネットっていうの。あなたの目と同じ色。気に入ったかしら」
    「……はい」
    俺はその日から吸血鬼になってしまった。
    吸血鬼といっても弱点はあるらしいが。
    とりあえず死なない程度のことは聞いている。ちとせは毎晩、寝るまでの時間に物語を読んで聞かせてくれる。
    俺はベッドの隣に座って、それを聞くのが好きだった。
    俺は吸血鬼だから眠る必要が無いけれど、それでも、好きな子と同じ時間を共有できるのは嬉しいことだった。
    ある日の夜のことだ。
    俺は寝ていたはずなのだが……ふと目が覚めた時だ。
    隣に寝ていたちとせがいないことに気付いたのだ。
    (まさか……っ)
    慌てて起き上がる。
    すると窓が開いていてカーテンが風に揺らめいていて……。
    そして―――そこには月を見上げて笑う黒埼ちとせがいた
    「ち……」
    呼びかけようとしたちゆの口から言葉が消える。
    (なんだ、この光景は。まるで絵画みたいじゃないか。ちとせが今にも月に吸い込まれそうになっている。違う。これは現実逃避した頭の中の映像じゃない。確かにちとせは消えてしまいそうな危
    「はぁ……ちょっと貧血、起こしちゃったかな」
    倒れそうになる身体を壁に手をついて支えた。心臓が激しく動いている音が聞こえる。
    (何を見たんだ。何を)
    あの光景が脳裏からこびり付いて離れない。思い出すたびに吐き気がする。

    「あー、そっか」
    「ん?どうかしましたか?」
    「いいのいいの、独り言」
    「……変なちっちゃ先輩です」
    「ところでさ、なんであなたはいつも敬語なの? 同い年だよ私たち」
    「あー……まぁ癖なんですよね、敬語って。別に気にしないんでいいですよ?」
    「そうじゃなくて……私としてはもう少しフレンドリーな感じで接してほしいんだけどなぁ……だめ?」
    うるっとした瞳がちとせの目を細める。そんな目で見られると言いづらく
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