芽生える嫉妬心桂から頼まれた任務の完了を伝えに長州屋敷に向かう。
門を潜り、桂の元へ向かう途中に高杉の姿を見掛けた。
(桂さんの元へ行く前に少し声を掛けて行くか)
そう思い、声を掛けようとすると
「もぉ、晋作様ったら」
「ははっ」
高杉の部屋から楽しそうな声が聞こえた。
1つは高杉本人の声、姿は見えないがもう1つは女性の声だった。
(客人か…邪魔したら悪いな。今日は桂さんに報告だけして帰るとするか)
踵を返し桂の部屋へ向かおうとしたところに
「よお、来てたのか」
「高杉…」
不意に後ろから声を掛けられた。
振り向くと高杉と客人女性の姿があった。
高杉はいつもの様に腕組みをしている。
客人女性はそんな高杉に垂れかかるように腕を絡めてこちらを見ていた。
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