Inimă de Draxxx. 11/28 ドラルクの誕生日。
この日だけ、さらに言えばジョンとロナルドだけに振る舞われるメニューがある。
「はい、お待たせ」
1人と1匹の前に供された皿の上には拳大の真っ赤なパプリカがトマトスープの中に鎮座していた。本来なら半分に切ったものが出されるのだが、ジョン達たっての希望で切らずにスープに浸っている。
正面に腰を下ろし、笑みを浮かべているドラルクの目の前で手を合わせてから皺の寄ったパプリカへ恭しくナイフを入れ、真っ二つにする。
ドラルクの笑みが深まり、ぞくりと震える身体を自ら抱き締めていた。
「ヌイシー♡」
「うん、今年もすげー美味い」
「ふふ、良かった」
くたくたになるまで煮込まれたパプリカの中にはぎっしりと豚挽肉と米が詰まっており、たっぷりの肉汁がトマトスープに流れ出す。スープも味わいながらゆっくりと、いつも以上に時間を掛けて味わった。
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