嘆きの壁カルデア、シャドウボーダー内にある白壁の一部が整備不良などの理由からシミができ、人の形に見える箇所がある。
そこはいつしか嘆きの壁と呼ばれ、職員やサーヴァント、カルデアに属する全ての存在の心の拠り所になっている。
その名もなきシミに手をかざし、会いたくても会えない思い人を想い、ある者は新たな決意を、ある者は静かな癒しを貰い、皆戦場へ帰る。
この変わったシミは、そもそもオルガマリー局長が「私のカルデアにはシミ一つ許されない!さっさと消しなさい!」と癇癪を出すきっかけになるほど古い付き合いだった。
その後カルデアは多くの事件を経て爆散し、場所を変え、再びの爆散、幾度と無く拠点を変えても何処かにそれとなく現れる。
それが真の神による奇跡か、たまたま隣のウォーターサーバーから出る結露を少しずつ誰かがそれらしい形へ導いているのかはわからない。
シミは今日も涙を流すマリア像のように誰かへ奇跡の影を見せている。