類似1,
「君の目、紫陽花みたいだね」
初めてそう言われたのは、いつの日だったか。覚えていない。異教徒改宗と追いかけ回したあの日だったか、ようやく国になったあれからだったか。
「…は?」
太陽は既に傾き、暖色がそう言ってはにかんだ男を染めていた。何を、こんな状況下に。
2,
プロイセン君の目は綺麗だ。基本的に容姿がいい国という存在の中でも、僕は彼の見目が一等好きだった。その綺麗で日の光を浴びてキラキラと輝く銀髪は勿論、薄い唇も、筋の通った鼻も、ゲルマン人らしい彫りの深い几帳面そうな顔立ちも、全部。最後に関しては…まあ、黙っていればだけれど。ともかく、僕は彼の容姿が好きで、その中でも特に好きだったのが彼の瞳だった。初めて見た時の衝撃は忘れられない。それは真紅、鮮やかな赤色だった。あまりに綺麗で、手元に置きたいとまでは思わなくとも、僕は彼の瞳が大好きだった。
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