マカロン「傑、なんか甘いもの持ってるだろ」
「ふはっ、本当にすごいな悟は」
「五条、まじで犬並みじゃん」
束の間の休み時間、もはや溜まり場になりつつある家入の医務室にどこからともなく甘い香りを嗅ぎつけた五条が勢いよく扉を開けて入ってくる。
「今日はホワイトデーだろ、硝子に渡すついでにお茶でもと思っていたんだよ。悟も少し休んで行くかい?」
「あったりまえでしょ、僕がこんな機会逃すわけないじゃん」
「お茶が欲しけりゃ、自分で入れろよ五条」
「はいはい、それくらいはやりますよっと」
慣れた手つきで戸棚を開け、何故か置いてある五条専用のマグカップを取り出し、ケトルで湯を沸かし始める。
「悟、君も補助やら教員やらからバレンタインにもらったんじゃないのか? ちゃんとお返ししなくては駄目だよ」
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