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    おはぎ

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    おはぎ

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    夏五ワンライのお題に沿って書いたもの
    ぽいぴく試してみたくて供養!

    離反無し/教師if(硝子さん禁煙失敗中) /

    #夏五
    GeGo

    マカロン「傑、なんか甘いもの持ってるだろ」
    「ふはっ、本当にすごいな悟は」
    「五条、まじで犬並みじゃん」

    束の間の休み時間、もはや溜まり場になりつつある家入の医務室にどこからともなく甘い香りを嗅ぎつけた五条が勢いよく扉を開けて入ってくる。

    「今日はホワイトデーだろ、硝子に渡すついでにお茶でもと思っていたんだよ。悟も少し休んで行くかい?」
    「あったりまえでしょ、僕がこんな機会逃すわけないじゃん」
    「お茶が欲しけりゃ、自分で入れろよ五条」
    「はいはい、それくらいはやりますよっと」

    慣れた手つきで戸棚を開け、何故か置いてある五条専用のマグカップを取り出し、ケトルで湯を沸かし始める。

    「悟、君も補助やら教員やらからバレンタインにもらったんじゃないのか? ちゃんとお返ししなくては駄目だよ」
    「僕にくれる人たちはお返しそんな期待してないと思うよ、これまでも返したことないし。野薔薇くらいじゃないかなぁ、3倍返し〜とか思ってんの」
    「可愛い生徒なら尚更期待に沿わなくちゃ。美味しいお菓子の一つでもあげなよ」
    「それじゃあ、優しい夏油センセイは何かお返ししたんですかー?僕よりもいっつも沢山貰ってますよねー?」

    揶揄うように返すが、夏油はさも当然と言った顔で、もちろん皆んなにはもう渡してきたよ、硝子が最後だ、と返す。

    「っんだよ、つまんねーの。つーかさ、僕より傑がモテるの意味わかんなくない?絶対僕の方がカッコいいのに」
    「その顔の良さをもってしても、ひっくり返せない行いの悪さが出てるんじゃないか?」

    興味なさげに家入が言い放つ。

    「硝子は何でそんなに冷たいことが言えるの……僕たち仲良し同期じゃーん!」
    「仲良しだからこそ、耳の痛い事を言ってやっているんだろう。カートンでいいぞ」
    「硝子も、タバコそろそろ本数減らしたほうがいいんじゃないか? 流石に吸い過ぎたと思うよ」
    「馬鹿な同期どもが何度も私にカートンでタバコを貢にくるから、禁煙に失敗してしまうんだ」
    「……それは、面目ない」

    夏油は家入に忠告したつもりが、自分達の(最も五条の方が回数は多いが)悪行を引っ張り出され、口をつぐむしかなかった。いつものようなやりとりの中、ケトルがカチッと音をさせ、お湯の準備万端を告げた。

    「傑、んで今日のおやつは何? それによってお茶にするか、コーヒーにするか変えるから」
    「夏油が持ってきたのはこれだよ」

    家入の手には、綺麗な猫の柄がついた缶に入った小さなクッキーだった。

    「クッキーかぁ、それじゃあ甘ーい紅茶にしようかな」
    「あ、待って。悟には、こっち」

    そう言って夏油は家入の持つパッケージとは異なるボックスを取り出した。

    「みんなは悟ほど甘いものが好きなわけじゃないからクッキーにしたんだけれど、悟は吐くほど甘いのがいいだろうと思って」
    「吐くほど甘いって、一体何持ってきたんだよ……」

    五条は訝しげに飾られたリボンを解き、綺麗な化粧箱をゆっくりと開けた。

    「お、マカロンじゃん」

    そこには綺麗に並んだ色とりどりのマカロンが詰め込まれていた。

    「買いに行った時少し自分でも食べて見たけど、私には甘すぎたよ。でも、悟はこういう高級なお菓子好きだろう?」
    「傑はやっぱわかってるなー、僕みたいなお育ちの良い子はお洒落なお菓子が似合っちゃうよね〜。しかも、これ有名店の並ばないと買えないやつ!紅茶フレーバーのは珍しいし僕の一押しなんだよね!」
    「ふふ、そんなに喜んで貰えるとは思わなかったけど、買ってきた甲斐があったよ」
    「んーそれじゃあ、このマカロンに合うように濃いめにコーヒー入れちゃおっかな〜!」

    五条はいそいそと席を立ちコーヒーの準備を始めると、豆を切らしていることに気づいた。

    「このマカロンにはコーヒーじゃなきゃ絶対嫌だから、ちょっと買ってくる!二人とも、僕が帰るまで食べちゃ駄目だからね!!」

    来た時と同じように嵐の如く五条が去ると、それまで気配を消していた家入がニヤニヤと夏油の顔を覗き込む。じっとりとした視線に堪らなくなった夏油は、視線を逸らしながらゆっくりと家入に問いかけた。

    「……何ですか、硝子さん」
    「いいや別に。夏油は存外乙女だなと思っただけだよ」

    家入は、さっきまで触っていたスマートフォンの画面をちらつかせながら夏油をちらりと見る。その画面には〔マカロン お返し 意味〕の検索結果が表示されていた。

    「……なんのことでショウカ……」
    「まぁ、そういうことにしておこうか。これでまた私の禁煙は遠のいてしまったなぁ〜」
    「っクソ、これだから勘のいい同期は厄介だな」

    ほんのりとうなじを赤く染めた夏油はいつもの癖で眉間に手を当てた。

    「ま、五条のことだからきっと何にも気づいてないだろうけどな」
    「いいんだよ、これは私の自己満足だから」
    「夏油は昔から一人でごちゃごちゃ考える癖があるが、こと恋愛においてはロマンチストと言い換えられそうだ。五条にモテる秘訣として教えてやったらいいんじゃないか?」
    「悟がこれ以上モテたら私が困るんだから、絶対教えてやらないよ」
    「五条が聞いたら喜びそうなセリフなのに」
    「想い人の前でくらい、カッコつけたくもなるさ」

    バタバタと足音が近づき、五条が戻ってくる。まだ手付けてないよね!?、と確認しながら買ってきたばかりのコーヒーを準備し始める。あ、そうだ、と言って五条はおもむろに二人に近づき、再度マカロンの箱を開けた。

    「はい、傑。僕のオススメ一口あげるよ」

    そういうとおもむろに青い綺麗なマカロンを一つ夏油の口に放り込んだ。夏油は軽く咳き込みながら、急になんだよ、と五条に言い返す。

    「その青いのがさっき言ってた紅茶フレーバーなんだよ。美味しいでしょ、それに色も綺麗でさ〜まるで僕の瞳みたいじゃない?」
    「っ、嬉しいけど私には甘すぎるって言っただろう」
    「んーでも、僕からも傑に渡したいんだよねマカロン」

    そういうと、五条はグッと夏油の胸ぐらを掴み自分の口元に夏油を引き寄せ、小さな声で囁いた。

    「俺も、傑と同じこと考えてるから」

    バッっと後ろに身を引き起こした夏油の耳は真っ赤に染まり、驚いた顔で口元を覆った。驚きと恥ずかしさに歪んだ夏油の顔を満足そうに見つめてから、さ、もう一度お湯沸かさなきゃ〜、と五条はケトルに向かった。
    夏油は両手で顔を覆いながら、へなへなと力なく机に突っ伏した。せっかくのタバコがパーになったじゃないか、他所でやれよ、と呆れ顔の家入から向けられる視線が突き刺さる。
    夏油は顔を机につけながら、か細い声で悪態をついた。

    「……人から貰ったもので済ますなよ…」
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    おはぎ

    DONE呪宴2の展示作品です。

    以前ポイしたお宅訪問のお話のワクワク!夏油家お宅訪問~!Verです。
    いつも通り180%捏造ですが、幸せになって欲しい気持ちは本物を詰めてます。
    傑さんや、君にこれだけは言っておきたい!!

    ▼特に以下捏造が含まれます
    ・教師if
    ・夏油、五条家メンバ(両親、兄妹、ばあや、その他)
    ・五条、夏油両実家に関する事柄(所在地から全て)

    上記楽しめる方は宜しくお願いします!
    恋人宣言「ねぇ傑、スーツと袴、どっちがいいかな?」
     コンコン、と開いた扉をノックしながら悟が声をかけて来る。明日の任務に関する資料に目を通していたからか、一瞬反応が遅れる。え、なんて?
    「ごめん、上手く聞き取れなくて。なに?」
    「だから、スーツと袴、どっちがいいかなって。今度実家寄ってくるとき用意お願いしてこようと思ってるから、早めに決めとかないとね」
     今日の昼何食べるかーとか、どっちのケーキにするかーとか、悟は昔から私に小さな判断を任せてくることがよくあった。自分で決めなと何度も言っているのだが悟の変な甘え癖は今も治っていない。だが、服装を聞いてくることは珍しい。(何でも、私のセンスは信用できないらしい。あのカッコよさが分からない方が不思議だ)しかも、選択肢はばっちり正装ときた。何か家の行事に出るのだろうか。それか結婚式とか?
    29607

    おはぎ

    DONEGGD.NYP2の展示作品です。

    以前冒頭を少しポイしていた作品をお正月仕様に少し手を入れて完成させました!
    ドキドキ!五条家お宅訪問~!なお話です。
    180%捏造ですが、幸せになって欲しい気持ちだけは本物を詰め込みました。

    ▼特に以下捏造が含まれます
    ・教師if
    ・五条家メンバ(悟両親、ばあや、その他)
    ・五条、夏油両実家に関する事柄(所在地から全て)

    上記楽しめる方は宜しくお願いします!
    猛獣使いを逃がすな「……本当に大丈夫なのか?」
    「だーいじょうぶだってば! 何緊張してんの」
    「普通緊張するだろう! 恋人の実家にご挨拶に行くんだぞ!」
     強張った身体をほぐそうと悟が私の肩を掴んでふるふると揺すった。普段なら制止するところだが、今はじっと目を閉じて身体をゆだねていた。されるがままの私を悟が大口開けて笑っているが、もはや今の私にとってはどうでもいい。この胃から喉元までせり上がってくるような緊張感を拭ってくれるものならば、藁でも猫でも悟でも、何でも縋って鷲掴みたい。現実逃避をやめて、大きく深呼吸。一気に息を吸い過ぎて咳き込んだが、緊張感が口からこぼれ出てはくれなかった。
    「はぁ……帰りたい……高専の寮で一人スウェットを着て、日がな一日だらだらしたい……」
    27404

    おはぎ

    DONEWebイベ展示作品③
    テーマは「くるみ割り人形」 現パロ?
    彫刻と白鳥――パシンッ
     頬を打つ乾いた音がスタジオに響く。張りつめた空気に触れないよう周囲に控えたダンサーたちは固唾を飲んでその行方を見守った。
     水を打ったように静まり返る中、良く通る深い響きを持った声が鼓膜を震わせる。

    「君、その程度で本当にプリンシパルなの?」

     その台詞に周囲は息をのんだ。かの有名なサトル・ゴジョウにあそこまで言われたら並みのダンサーなら誰もが逃亡しただろう。しかし、彼は静かに立ち上がるとスッと背筋を伸ばしてその視線を受け止めた。

    「はい、私がここのプリンシパルです」

     あの鋭い視線を受け止めてもなお、一歩も引くことなく堂々と返すその背中には、静かな怒りが佇んでいた。
     日本人離れしたすらりと長い手足と儚く煌びやかなその容姿から『踊る彫刻』の異名で知られるトップダンサーがサトル・ゴジョウその人だった。今回の公演では不慮の事故による怪我で主役の座を明け渡すことになり、代役として白羽の矢がたったのが新進気鋭のダンサー、スグル・ゲトーである。黒々とした艶やかな黒髪と大きく身体を使ったダイナミックなパフォーマンスから『アジアのブラックスワン』と呼ばれる彼もまた、近年トップダンサーの仲間入りを果たした若きスターである。
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