まどろみの敷布───とろり、とろり、
やわい快楽に浸け込まれて、体が、頭が、彼に触れられた箇所からじわりじわりと溶かされていく。
そんな感覚に包まれながら、それでも快楽に流されぬよう、縋るように壱櫟は碧村の首に腕を回す。
「…ん、…ぅん…っ…あきら、さん……」
「ん…、なぁに、壱櫟くん」
「っ、ぁ……んん…」
鼓膜を擽る碧村の声が心地良く感じると同時に、そこからじわりと痺れるような快感を拾ってしまえば、ひくりと肌が跳ね、喉が勝手に喜びに震え声を漏らす。
「……ぁきら、さん、…あきらさん…」
「うん、壱櫟くんどうしたの、僕はここにいるよ」
思う様に回らない口で愛しい彼の名を呼べば、すり、すりと額を合わせ、髪を撫でながら頬を擦り寄せてくれる。解かれた彼の髪が頬や首に触れて、少しだけ擽ったかった。
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