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    すなの

    @sunanonano25

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    28.コーヒー
    休憩/よふかし/はんぶんこ でした!
    マギニナ匂わせあります☕️

    #アジクロ
    asbestos

    コーヒー「そろそろ休憩にしろエンジェル」
    声をかけられて顔を上げるとクロウリーがコーヒーショップの紙袋をこちらに掲げてみせる。……悪魔としては正しい行いなのだろうが、毎度ドアを開けてから声をかけるのはやめてほしい。これを言うと「お前もやってるだろ」とふっかけられるので口には出さないが。
    半地下の倉庫は陽の光が入らず、ただでさえ鈍い時間感覚がますます狂う。掃除に取りかかったのは夕方のはずだったが、懐中時計を確認するとすっかり夜も更けていい時間になってしまっている。
    「あれ?コーヒーショップまだ開いてたのか?」
    「ああ。最近は遅くまで開けてる日もある……知らないのか?」
    「知らなかった。ニーナ明日も早いだろうにね」
    馴染みの店のカップがスリーブ越しでもまだ熱いのに驚いて目を丸くすると、クロウリーが愉快そうににやりとした。
    「今日は俺のすぐ後に待ち人が来たみたいで、さっさと閉店になったけどな」
    「ああ、マギーとデートか」
    うまくいってるようでなによりだ。受け取ったラテはほんのり甘くて不思議な香りがした。美味しいけどなんて注文したんだろう? 彼のはいつものエスプレッソだろうか。視線に気づいたらしい悪魔がまた目を細める。
    「ニーナのやつ、最近俺がエスプレッソ頼むと微妙な顔をするんだ。なんでだと思う?」
    「なんでだ? いつもの注文だろう」
    「俺も変だと思ってたんだが、今日俺の後ろでマギーが注文してたんだよ。エスプレッソダブルで」
    へえ、と思う。珍しいオーダーだ。あまりイメージがない。「珍しいと思うだろ?」言い当てられて頷く。
    「俺も驚いて思わず注文台の方を振り返って見たんだ、人違いかと思って。でもやっぱり注文したのはマギーだった。で、俺に言ったんだ。今夜は夜更かしする予定があるから……」
    すぐには意味がわからずカップのラテを啜る。
    「……つまり、秘密の合図だったってこと? 彼女たちの」
    「そういうことなんだろうな。ニーナの方を見たらやっぱり微妙な顔をしてた」
    なるほど。素敵な話だ。
    「それで、書庫の整理とやらは終わったのか?」
    ああもう少し、と頷きかけてこちらを見る彼の目がサングラス越しになにか別のものを投げかけてきているのに気づく。
    「でももうお終いにして、それで……私も夜更かししようかな。君と」
    クロウリーが満足気に笑って、誘惑の声色で「エスプレッソが欲しけりゃ俺のを半分やるよ、天使様」と囁いた。
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