Sugar, Spice and everything nice「君の羽根が一枚欲しいんだけど」
「は?」
「私の羽根もあげるから、お互い交換して持っているのはどうかな」
さも名案だというように微笑む天使をクロウリーは信じられない思いで見た。
「……一応聞くけど、なんのために?」
「お守りにしようと思って」
知ってる。100年くらい前に流行ったやつだ。恋する相手の髪の毛を一筋もらって、戦地に持って行ったり、一方で無事を祈ったり、そんなに深刻なやつでなくても、遠く離れる悲しみを紛らわすために愛しい者の一部をいつでもそばに置いて懐かしんだり思いを馳せたりする、要は恋人同士のする、そういうやつだ。え? そういうやつか? そういう……? え!? どういう!?
「その、だめかな?」
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