年末年始ヒュポ。12月某日
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街はすっかり雪景色だった。温暖な気候のパプニカでこんな光景を見るのはとても珍しい。大人たちはめったにない出来事に困惑し、慣れない雪かきに疲れた表情を見せていたが、子供たちは、そんな大人たちを尻目に滅多にできない雪遊びに夢中になっている。
ヒュンケルとポップそんな子供の様子を微笑ましく見ながら大通りを歩いていた。
「もう少しで新年だなぁ」
ポップは白い息を吐きながら言った。
「ああ……そうだな」
そう言うとヒュンケルは足を止めた。
もうすぐ12月が終わる。今年もあとわずか。
「どうしたんだよ?」
ヒュンケルの顔を見上げてポップが尋ねた。
「いや……何でもない。ただ、時の流れというものに改めて驚いているだけだ」
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