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    グ飴ミ

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    グ飴ミ

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    #小説
    novel
    #幽霊
    ghosts
    #呪い
    curse

    呪いいつも彼女が用意してくれていた毎朝のコーヒーは今日も用意されていない。
    僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
    「ごめんね」
    たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
    だが、それももうできない雰囲気で、
    別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
    コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
    僕は彼女を眺める。
    次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
    「いいよ。僕もごめん。」
    そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
    彼女に手を伸ばす。
    優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。


    喧嘩したあの日。
    イラついて飛び出していった僕は、居眠り運転のトラックに
    轢かれて死んでしまった。
    本当は僕が悪いのはわかっていた。なのに誤りもせず、僕は……
    「もう…いいんだよ」
    僕が死んで丁度一年。
    僕は彼女に一生モノの消えない呪いをかけてしまった。
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    🕔
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    zeppei27

    DONEなんとなく続いている主福のお話で、単品でも読めます。七夕を楽しむ二人と、夏の風物詩たちを詰め込んだお話です。神頼みができない人にも人事を超えた願いがあるのは良いですね。
    >前作:昔の話
    https://poipiku.com/271957/11735878.html
    まとめ
    https://formicam.ciao.jp/novel/ror.html
    星渡 折からの長雨は梅雨を経て、尚も止まぬようであった。蒸し暑さが冷えて一安心、と思ったが、いよいよ寒いと慌てて質屋に冬布団を取り戻そうと人が押しかけたほどである。さては今年は凶作になりはすまいか、と一部が心配したのも無理からぬことだろう。てるてる坊主をいくつも吊るして、さながら大獄後のようだと背筋が凍るような狂歌が高札に掲げられたのは人心の荒廃を憂えずにはいられない。
     しかし夏至を越え、流石に日が伸びた後はいくらか空も笑顔を見せるようになった。夜が必ず明けるように、悩み苦しみというのはいつしか晴れるものだ。人の心はうつろいやすく、お役御免となったてるてる坊主を片付け、軒先に笹飾りを並べるなどする。揺らめく色とりどりの短冊に目を引かれ、福沢諭吉はついこの前までは同じ場所に菖蒲を飾っていたことを思い出した。つくづく時間が経つ早さは増水時の川の流れとは比べるまでもなく早い。寧ろ、歳を重ねるごとに勢いを増しているかのように感じられる。
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