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    グ飴ミ

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    グ飴ミ

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    #小説
    novel
    #幽霊
    ghosts
    #呪い
    curse

    呪いいつも彼女が用意してくれていた毎朝のコーヒーは今日も用意されていない。
    僕はあの日彼女と喧嘩して以来、口を聞けていない。
    「ごめんね」
    たった一言。この言葉を言えていれば彼女を苦しませなかったのかも知れない。
    だが、それももうできない雰囲気で、
    別れることもできず、ただただこの二人の家で時を過ごしている。
    コーヒーの飲めない彼女は僕の目の前で紅茶を一口。
    僕は彼女を眺める。
    次第に涙目になれば「ごめん。ごめんなさい。」と掠れた声で泣き出してしまう。
    「いいよ。僕もごめん。」
    そう言って彼女に微笑みかけてもその謝罪が消えることはなかった。
    彼女に手を伸ばす。
    優しく撫でようとしたその頭を、僕の手はすり抜けてしまう。


    喧嘩したあの日。
    イラついて飛び出していった僕は、居眠り運転のトラックに
    轢かれて死んでしまった。
    本当は僕が悪いのはわかっていた。なのに誤りもせず、僕は……
    「もう…いいんだよ」
    僕が死んで丁度一年。
    僕は彼女に一生モノの消えない呪いをかけてしまった。
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    dc_hatobannu

    DONE深夜の割増(赤安)その日もまた、降谷は疲れていた。
    黒尽くめの組織のバーボンとしての任務、喫茶ポアロの店員としての勤務、そして警察庁警備局警備企画課としての業務が重なりまさに分刻みの一日を過ごした降谷は、帰る力も無く深夜の霞ヶ関の路肩に車を駐め仮眠を取る他なかったのだ。
    ここから自宅まで大して遠い訳でも無いが、毎日一人では抱えきれない程の仕事をこなし、帰宅して明日を迎えればまた同じような違う日々が続いていく。彼に取ってこのひとときの仮眠は、仕事を終えたというスイッチを真っ先に切る役割を果たしていた。
    そんな彼に、今日は普段と異なる出来事が。
    こんこん、と助手席側の窓を叩く音。人の指だ。浅く眠っていた降谷はその音でぱちりと目を覚まし、音を鳴らした主を見やる。深夜見回っていた警察官か、はたまた仕事場の人間か。しかしその予想は大きく外れ、降谷を驚かせた。
    深夜の冷たい風にふわりと揺れる黒い癖毛。暗闇でも光を集めて見せた新緑のグリーンアイズ。身をかがめて覗き込んだようで、普段と異なる黒いキャップのつばがコンと音を鳴らして窓にぶつかった。
    「やあ」
    「赤井…」
     何故お前がここにいる、何故碌な変装もせずにいる。何 2554