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    su_o5i

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    su_o5i

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    💜が💛に書いた手紙を、違う人宛てだと勘違いし、嫉妬で破った所から始まる話。

    誤字があったら、すみません。
    (全部妄想)

    #lucashu
    #mafiyami

    差出人は、好きな人。💛はいつも、💜の欲しい言葉を真っ直ぐに伝えてくれる人だった。

    それが嬉しくて、自分も返したいが いざとなると💛みたいに上手い言葉が思い付かなくて

    「うん、ありがとう」しか言えなかった。
    ちゃんと言葉を返したい、いつしか💛に

    「僕はその、💛は分かると思うけど
    凄く言葉にするのが下手くそなんだ………ごめんね」


    と伝えたが、💛は

    「そんな💜を、俺は好きになったんだから!」
    焦らなくていいよ!

    そう言ってくれたことに、💜の心は凄く軽くなったし


    なによりも、嬉しかった。




    これまでお付き合いの経験が一切無かった💜は

    (僕が💛に、してあげられる事ってなんだろう)


    何かをして、💛を喜ばせたいと考えるがその度に段々

    どうして自分なんかと色んな人からモテる💛が付き合ってくれてるのか分からなくなってしまい、グルグルと思考は負の方向へ流れる。


    (このままだと、💛に捨てられてしまう…僕も何かしなきゃ)




    早速💜は、友達の💙に相談する為に電話を掛ける事にした。







    だけどそんな💜を、さらにどん底に突き落とす事がこの後起こる。







    ***



    💙に相談したところ

    「言葉で伝えれないなら手紙はどう?文字は言葉としても勿論だけど、その人の想いが手紙として形に残るからね」

    的確なアドバイスを貰った💜は
    「手紙か、凄くいいね。早速渡してみるよ!ありがとう💙」

    お礼を言って通話を切り、急いで部屋から便箋を取り出し


    いざ取り掛かったものの、

    やはり上手く言葉を書き出せなかった。


    そもそも、読書感想文すらまともに書けない自分が文を書けるのか?
    下書きを書き続けるも思ったものは出来上がらない。

    でも大好きな💛に伝えたい、大丈夫やれば出来る。と言い聞かせ続け、なんとか💛が帰ってくる前に仕上げることが出来た。
    後は封筒に入れるだけだったのだが、ちょうど切らしてしまってた事に気付いて慌てて近くのお店に買いに行く

    無事封筒を購入し、帰ってきて鍵を開けようとしたら既に解錠されており

    「あれ?」と、玄関を開けたら

    さっきまで無かった💛の靴がそこにはあり
    どうやら💜が出かけてる間に先に帰ってきたらしい


    「💛〜?帰ったの?おかえり〜」

    声を掛けながら家の中を探すが見付からない、おかしいなと自分の部屋に戻れば、扉が開いおり

    (もしかして、)

    部屋の中を覗けば、そこには

    自分が書いた手紙を読んでいる💛の後ろ姿があった。


    (まだ封筒に入れてないのにな…でもいっか)
    💜は💛の背中に声を掛けた

    「💛、おかえり。ごめんねちょっと出掛けてて…あ、その手紙の事なんだけど「ねえ、この手紙何?」

    「……え?」


    返ってきたのは、いつもの様に明るく元気な💛の声ではなく


    冷たく言い捨てる様な、これまで聞いたことのない声だった。


    そんな💛に、少し怯えてしまう💜
    だが、もちろん背中を向けている💛に分かるはずもなく

    「これ誰宛?俺以外に好きな子でもできたの?その子には言えるのに、俺には一回も愛してるとか言ってくれたことないよね。あぁ、それとも俺の事はただの遊びだった?都合よく💜が好きな言葉言ってくれて、愛してくれるだけの人間でしかなかったの?俺って」

    そう言って振り返った💛の顔は、普段の彼からは想像もつかない程表情から感情が消えてて、今自分に話しかけてる彼が本当に💛なのか疑ってしまうほど怖くなり、ついに何も言えなくなる💜。

    向き合っているのに、怯えてる💜が目に入っていないのか

    💛は嘲笑うかのように

    「こんなの貰っても相手は喜ばないよ。だって、💜普段から言い慣れてないじゃん。しかもこんな紙に書いただけの文字、誰が信じるの?


    俺なら絶対信じない」

    淡々と冷たく言い放つ。そして渡そうと思っていた手紙を💛は

    ---ビリッ、ビリビリッ

    💜の目の前で、見せ付けるかのように手紙を破り、グシャグシャに丸め床に捨てる。ヒラヒラと、纏まらなかった紙の破片がゆっくりと目の前で落ちていくのを見て

    💜は、💛への想いと言葉を本人に否定されたのだと、やっと理解する。

    ずっと何も言わない💜に、💛は苛立ったのか

    「もういい、俺今日は帰らないから。これ片付けといて」
    💛は💜の泣きそうな顔に気付くことなく、横を通り過ぎてさっさと部屋を出ていった。

    凍り付いたような空気から解放されてやっと

    「····うっ、ぅ、····」
    💜は涙と共に、声を押し出した。

    たくさん考えて、頑張って書いた手紙。やっと大好きな💛に伝えられると思って取った行動すら、本人に否定されてしまったらもう

    💛の傍に居る意味が無い。

    きっとこれからも、自分の言葉は彼に信じて貰えないだろう。

    それならもう喋りたくない、満足に伝えられない声なんか要らない。強く強く💜は自分の事否定しながら床に捨てられた紙を集め、💛の事が好きな気持ちと一緒にゴミ箱へ捨て、部屋を出た。


    ***


    完全に、嫉妬だった。
    自分でさえ未だに💜から「好き」の言葉すらも聞いた事がない。なのにあの手紙にはそれ以外にも、相手の事を褒めてる内容がたくさん書いてあった。


    それに


    💜自身に、他に好きな相手がいたなんて全く予想していなかった。基本外出はしないし、💛がOFFの時はほぼ一緒に居る。出会いなんてどこで…

    (ネット?)

    💜はネットが大好きで、日がな一日部屋で仕事をしながら眠るギリギリまでいじってる。もしネットで他の男に告白でもされてたら

    (相手の事殺しそうだ)


    別れるつもりは毛頭なかった。何度も告白して、そのたび振られてきた。

    恋愛が分からない、好きの気持ちも抱いた事がないのに💛と誠実に付き合える自信が無い。

    だけど、必死に「それでもいい、💜が良い」と猛アタックした結果、ようやく付き合えたのだ。OKが貰えたあの時の気持ちは今でも忘れていない。


    (やっぱり好きなのは、俺だけだったのかな)

    今家に戻っても、きっと💜を責める言葉しか出てこないくらいには頭に血が上っているのが分かった💛は、どこかで適当に食事でもして帰ろうかと考え、携帯を取り出せば

    「💙?」

    珍しく、着信が入っていた。
    すぐに掛け直し、出るのを待てば

    『ハーイ、💛』
    『💙!どうしたの?俺になにか用があった?』
    『この前君が借りたいって言った本、読み終えたから渡そうと思ってね。取りに来れる?』

    以前💙の所に💜と遊びに行った時、恋愛物の本を本棚から見付けた。それが何故かその時は気になって

    「これ、貸して!」
    と言ったのを思い出した。

    『OK!今から行くよ』

    通話を切り、頭を冷やすのに誰かと話すのもちょうどいい、ついでに相談に乗ってもらおうと早足で向かった。







    「いらっしゃい、早かったね」
    「ちょうど近くにいたからね、お邪魔します!」

    💙の家は、中へ入った瞬間もはや壁紙のようになっているくらい、本棚にズラリとたくさんの本が並んである。毎回遊びに来る度、増えてるのか減ってるのかも分からないほど。

    ぼけーっと突っ立ってれば

    「なにしてるの?💛」
    「あぁ、ごめん!」

    お茶入ったよ、と温かいのを出してくれてた。冷めないうちに頂こうと急いで椅子に座る。

    💙は相変わらず炭酸をぐびぐびと飲み、嬉しそうにしている。
    入れてもらったお茶を一口、身体の内から温まると同時に先程の怒りと嫉妬は少し落ち着いたような気がする。

    「はい、💛が借りたいって言ってたやつね」
    スっ、と目の前に出された一冊の本

    ありがとう!と手を出し受け取ろうとするが、寸前で手が止まる。

    「?どうしたの」
    不思議そうに首を傾げる💙

    前の自分なら、受け取る気になっただろう。
    でも今の💛は、どうしてもそれを読む気になれず

    「…ごめん、💙。その、やっぱり本はいいかな」

    「興味なくなっちゃった?」
    「そうじゃないんだ、そうかもしれないけど…」

    上手く言葉が見付からず、話せないでいると💙の方から明るい声で

    「そうだ💛!手紙はどうだった?」
    「え?手紙?」

    「あれ、💜から貰ってない?今日渡すって言ってたけど、もしかしてまだだった!?」

    僕先にバラしちゃったかな、💜ごめん〜!

    慌て始める💙に、心臓が--ドッドッ、と嫌な音をし始める

    手紙…?今日渡す…?
    💙の言ってる言葉を必死に噛み砕いて考えていると

    「それにしても、💛は本当に💜に愛されてるね」

    「…………は?俺が、💜に?」

    「だって、💜はあまり自分から行動を起こそうとはしない子でしょ?その💜が『💛になにか返したいんだけど、どうしたらいい?』って僕に珍しく相談してきたんだもん。愛は人を変えるって本当だね。」



    僕も君達みたいに、誰かを愛して愛されてみたいよ


    そう言って、💙がまた炭酸を一口飲み💛を見て微笑む

    💛はその言葉で、💙の話をやっと理解した後

    ずっと殴られてる気分だった。

    あの手紙は、💙からアドバイスを受けて💜が自分宛に書いたものだったのだ。

    💛の見ていない所で、一生懸命変わろうとしてくれたのを気付くどころか否定して、 挙げ句の果てに💜の気持ちを手紙ごと破り捨てては

    『誰も信じない』と最悪の言葉を吐き捨てた。

    先程のやり取りを思い出した瞬間、一気に冷や汗がでてくる。

    人として、本当に愚かな行動をした事
    大好きな💜のことを何一つ、見れていなかった事

    (謝らなきゃ)

    💛は急いで椅子から立ち上がり、玄関へ向かう
    急な💛の行動に💙が驚くが、今はそれどころじゃない。


    でも、家を出る際に


    「💙、ありがとう」
    「え?」
    「俺、もう行かなきゃ!」

    💜の所に行かないと

    家を出た瞬間、💛は自慢の足で全速力で自分達の家へと走った。


    ***


    「💜っ、!」

    家へ着くなり、ドタバタと家中を駆け回って💜を探すがどこにも見当たらない。

    (おかしい、あの後どこに…)

    💛が家を出て数時間は経っていたが、外出嫌いの💜が向かう場所はあの三人の所、それかコンビニ…

    家の中を歩き回りながら考えてれば、気付けば💜の部屋に入ってた。そしていつもなら右側に置いてあるはずのゴミ箱が部屋の真ん中に移動してあり、

    中を除けば

    (…手紙)

    💛は自分が破り捨ててしまった💜からの手紙をゴミ箱から取りだし、パズルのように当て嵌めていけば

    「…俺、ほんと最低だよ」

    手紙を読めば、そこには💜から💛への愛がたくさん綴られてあった。何度も消しては書いてくれたのだろう、所々ボコボコになってる箇所もあり、散らばった机の上にも下書きが何枚かあった。


    それと、薄いクリーム色の封筒も。

    💛が見た時に、宛名が書いてなかったのはきっと💜が切らしていた封筒を買いに行っていたからだろう。だけど先に帰ってきた💛がその前に勝手に読んでは勘違いし、嫉妬に狂って感情のまま破ってしまった。

    (早く、早く💜に謝らなきゃ)

    💜に通話を掛け、耳元でコール音が鳴る。

    すると

    ―――ブーッ、ブーッ、

    後ろから、バイブ音が聞こえた

    「え?」

    💛が音のする方を振り向けば

    「…💜、?」

    部屋の中に、💜が俯いたまま立っていた。
    💛が入った時はまだ僅かに夕焼けで明るかった部屋は、いつの間にか既に真っ暗になっており、帰ってから時間が割と経っていた事に気付く。


    「💜、ごめん…」
    声を掛けて、💛が立ち上がろうとしたその時

    💜が急に💛の方へと歩きだし、ドンッ、と力強く押し倒した

    いつもは耐えられるはずなのに、急な行動に対処出来ず

    そのまま💛は、床に倒れた。

    「ちょっ、💜どうしたの?

    …はっ!?ちょ、まって、ストップストップ!!!」

    倒れた💛に跨り、💜が何やらカチャカチャし始めたと思えば

    💛のベルトを外そうとしていたのだ。

    訳が分からない💜の行動に戸惑いながらも、未だにベルトを外そうとする手を

    「やめろ、!!」

    大声で制止して、💜の肩を強く ガシッ、と掴んで顔を見ると

    「っ、!」

    そこには、目に溢れんばかりの涙を浮かべて💛を見つめる💜の顔

    最初は暗くてよく見えなかったが、口元を震わせてるのに声を意地でも出そうとせず

    唇を強く噛み、漏れる声すらも許さないと言ったように耐えていた。



    あまりの悲痛な姿に、💛まで泣きそうになった。

    こんな💜の姿を見たのは、付き合って初めてだったから。


    今すぐ謝りたいが、まずは💜を泣き止ませる事が先なのは分かり

    「💜…噛むのやめな、」

    痛いでしょ、💛は口元に指を持っていき噛み続ける💜の唇を優しく撫でれば

    「·····っ、ひ、ぅ····ぐっ、!」

    やっと声を出し、泣きだした💜

    抱き締めてあげればいいはずなのに、今の自分がそれをする事を許されない気がして、💜の涙が落ち着くまでは結局何もすることが出来ないまま黙って



    見つめることしか出来なかった。








    暫くして、やっと💜の涙が落ち着き嗚咽も止まる。

    そろそろ、話し掛けても大丈夫かなと言う所で

    「…なんで、こんな事したの?」

    第一声が、謝るよりも先に情けない言葉を掛けた。

    (そんな事、俺が分かってるはずだろ。)
    握った拳で自分の足を叩き、己への苛立ちをぶつける


    だが、それよりも今は💜の気持ちを先に聞きたかった


    今何を考えて、何を思っているのか


    全部じゃなくてもいい、言える範囲で良いから俺に教えてほしい

    繰り返し繰り返し、ゆっくり伝える💛



    すると、黙っていた💜がやっと口を開く

    「………ねぇ、」
    「うん?」

    怖がらせないように、優しく聞き返せば



    「……どうすれば、信じてくれるの」

    「え…?」


    全く、予想していなかった言葉を呟いたのだ。


    「僕は、女の子みたいに💛の事気持ちよくさせてあげれない…今だって、フェラでもしたらって思ったけど…んははっ、男にされたって嬉しくないよね、



    なら、僕は💛になにをしたらいい?言葉でも伝えれない、身体すら使えない、満足させられない。


    …………僕が、💛にしてあげられることって、一体なに?」



    もう、全部分かんないよ…



    今度は静かに泣きながら、笑って訴えてくる💜に

    💛は今にも、胸が張り裂けそうな気持ちだった。
    大切な恋人に、好きな人に

    こんなにも酷い事を言わせてしまった自分を、どうしようもなく殺したくなった。

    声を掛けようにも、いざとなれば何も言えずに言葉に詰まってれば

    続けて💜がまた口を開いた。


    「…ずっと、💛みたいになりたかった」

    「俺、に?」


    「💛みたいに、何でも真っ直ぐ伝えられる素直な人間が羨ましかった、口説き文句もたくさん知ってて、相手が欲しい言葉をすぐに伝えてあげれる。



    なのに僕は、それすらも出来ない。」


    だからって、手紙にした所で💛に信じて貰える訳なかったのにね



    全てを諦めたような表情と声で、💛に淡々と伝える💜



    「それにもう……僕達




    別れた方が「頼む、💜…それだけはやめて」


    なんで……?」


    別れる、と言うワードに咄嗟に反応した💛
    喉奥にまだ張り付く言葉を、剥がすように口から出すが

    「俺は……💜が、好きだから、ごめん…こんな事しておいて、でもっ!」

    いつもうるさいくらい💜に伝えれるそれは、何の役にも立たないほど肝心な事が言えなかった。



    そんな💛に、トドメを刺すように💜は


    「💛はさ、僕以外の人がいいよ。」


    「は、?」



    「要らないでしょ、僕なんて。キミに何も与えられない、欲しい言葉も何一つ渡せない。






    そんな僕の、どこがまだ好きって言えるの?」




    伝えようと、変わろうと努力してくれた💜の行動と想いを否定した
    💛の声は、当たり前💜の心に何一つ響くはずが無かったのだ。










    もちろんそうさせたのは、他の誰でもない






    💛自身だった。




    自分の勝手な憶測と、欲望と嫉妬で取った行動は
    取り返しがつかないものだと


    💛の目の前に居る💜の表情が



    全てを物語っていた。





    __________________________________________


    それからは、一度落ち着いて何度も話をし
    どうにか"仲直り"はしたものの
    以前の様に完全には戻ることが出来ず、どこか気まずいままお互い家で過ごす日々だった。

    💜とは会話はするが、本当に基本的な挨拶だけだった。
    部屋は完全に別室になり、今はもうキスどころかハグさえも出来ていない。

    いや、"出来ない"と言う表現の方が正しいのだろう

    💜が一度だけ、離れた所から💛を見てきた時に
    抱きしめて欲しそうな目を一瞬だけしたのが分かったが

    そんな勇気は無く、結局傍に行くことすら出来なかった。


    あれだけ行動や言葉にしていた「好き」さえも、今の💛は出来なくなっていたのだ。



    だからと言って、このままにしても状況が良くなる訳ではない。もしかしたら、💜の方からまた別れを告げられる可能性だってある。
    それだけは、何がなんでも避けたい。

    本当に変わらなければいけないのは、💛自身だったのだ。
    💜にあれだけ酷いことを言って、いざとなれば自分の方がなにも行動にすら出来ない、とても弱い男だと痛感する。


    何かいい方法は無いかと、数日必死に考えた結果

    💛はある事を思い付き



    早速行動に移した。







    ---コンコン、

    「……💜、もう寝たかな?」

    夜中、💜の部屋に行き声を掛けるが返事は返ってこない。

    寝付きが悪い💜が珍しいなと思い、引き返そうとすると

    中から寝返りを打ったのか、シーツが擦れる音が微かに聞こえた為、それを返事と勝手に受け取って💛は話を続けた。


    「……💜。俺、手紙書いたんだ。
    もちろん、読んで貰えなくてもいい、捨てたっていい。


    けど、俺は毎日💜に手紙を届けるよ。

    今日と同じ時間に、これから部屋の前に置いておくからさ…」

    直接渡せばいいのに、それをしないのは💜が自分の手紙を目の前で破るかもしれないと、怖かったから。


    我ながら本当に最低だと自覚している。
    実際💜にした事を、いざ自分がされたらと考えれば



    耐えられる自信がなかったから。



    💜みたいに完全な手紙は持っていなかった為、ノートを破いて書いたそれを部屋の前に置き


    「おやすみ、💜」


    もう中からは、音は聞こえなかった。



    ***




    💛は宣言通り、あれから毎日💜の部屋の前に手紙を置いた。


    手紙の内容は

    『💜、眠れてる?寒くない?大丈夫?』
    『今日も💜が好きだよ。
    全部、良い所も悪い所も俺は💜だから好き。』
    『明日、晴れたらドライブでも行かない?💜が行きたい所、全部行こう』
    『俺は、💜が本当に好きです

    これからも、ずっと好きです。』



    書き上げる度に見返せば、出来たのは拙い文ばかりで
    ちゃんとした事を何度も書こうと思ったが、今はこれが💛が💜に伝えられる、精一杯の言葉だった。



    そして手紙は、朝💜の部屋の前を通ると消えており
    読んだかどうかは最初分からなかったが

    「💛、僕ここに行きたい」

    ドライブの事を書いた日は、久々にちゃんとした会話を💜からしてくれて、自ら行きたい場所を伝えてくれた事に

    手紙を読んでくれたんだ……と嬉しくなり

    「っ、もちろんだよ、すぐ準備して行こう!」


    少しずつ、本当に少しずつだけ





    💜と前の様に戻りつつあった。






    そしてあの日から、ちょうど二ヶ月。

    明日は💜と付き合って一年目の記念日だった。

    💛は今日も変わらず、💜に手紙を書いて部屋の前に置き

    自室に戻って、明日をどうしようかと考える。

    今のまま、祝ったとしてもお互いにまだ
    ぎこちなく終わる。けど、何もしないのも気が引ける

    (はぁ、俺どうしたらいいんだ本当に…)


    自分の取る行動が💜に取ってどれが正解で、なにが不正解なのか

    見つける事が出来ないまま、結局一睡も出来ずに💛は朝を迎えた。



    未だに悩む頭を抱えたまま、スッキリしない気持ちでリビングに降りると

    (…あれ?)

    💜がまだ降りて来ていなかった。
    部屋の前を通った時は昨日の手紙は無かった為、起きていると思ったのだが


    「まだ寝てるのかな」
    起こしに行こうとしたが、もしかしたら今日が記念日と気付いて
    自分と顔を合わせたくないからと、篭っているのかもしれない。



    本当にそうなら、かなり寂しいし悲しい、とは正直に思う。
    でもこんな事になったのは、全てあの日の自分のせいだから。



    例え💜から今日何も言われなくても、せめて自分はやらなければならないと決めた💛は




    身支度を済ませ、車のキーを持って外へと出掛けた。




    ***

    「ただいま」
    💛が家に帰ったのは、夕方だった。

    色々とお店を駆け回って、あれこれと見ていたが💜に渡そうと思い付くのは大きな花束だけだった。


    一応サプライズとして渡すために、別の部屋に移動させて準備を進めた。




    夜、💜がやっと二階から降りてきた事にホッとした💛は

    「💜、!おはよう、今起きたの?よく眠れた?何か食べる?なんでも作るよ」

    食事は一緒に出来ないと予想していた為、先に済ませていた💛はソファから立ち上がって、キッチンに向かう。


    すると

    「……あの、」

    「ん?」

    「💛に、その、


    ポスト……」

    「ポスト?」

    振り向くと、💜が俯いてなにやらモゴモゴと伝えてくる


    ちょうどその姿が、あの日と重なって見えて思わず目を逸らしたくなったが、
    「……大丈夫だよ、💜。ゆっくりでいい。

    うん、ポストがどうかしたの?」

    しっかり💜を見て伝えると

    ふーーっ、と深く息を吐いた💜は


    「ポスト、💛宛に何か入ってたよ
    でも僕は、取ってもいないし、中身も見てない。



    …それだけ」



    そして💜は、まるで言い逃げする様に💛の返事を聞く事無く
    またすぐ二階に駆け上がっていった

    「💜!?え、?ご飯は!?」

    💛が問い掛けるも、二階からは--バタンっ、と勢い良くドアが閉じた音だけが聞こえた。


    (なに?ポスト?俺宛て?)



    何か頼んでたっけ。


    外に行き、小さいポストの取り出し口をパカッ、と開くと



    中には、薄いクリーム色をした一枚の綺麗な封筒が入っており
    💛はそれを手に取ってよく見れば

    「は?何も書いてないじゃん、なんだこれ」


    どこにも、自分宛と書いておらず裏もよく見たが

    一切、💛の名前は記載されていなかった。


    そして何か不自然だと思ってたら、この封筒には切手も消印もされていなかったのだ。


    「なんでこんな、怪しいもの…」


    『💛宛に何か入ってたよ』

    💜の先程の言葉を思い出す。


    なぜ💜は、これを俺宛だと分かったんだ?
    封筒を開けた形跡は無いし、特に何か危なさそうな物が入ってる訳でも無さそう。



    一度家に入り、手に持った封筒をよく見ると


    「…あれ、これどこかで見た事、






    っ、まさか、!」



    💛は、やっと気付いたのだ
    自分が手にしていた封筒は、あの日💜の部屋にあった封筒だった。

    そして、💜が自分宛と言ったのは
    💜自信が、💛宛に書いた手紙だったから。

    だから、消印も切手もされていなかったのだ。

    不器用すぎる、💜の伝え方に何とも言えない気持ちになった💛は
    急いで封筒を開き、中を見ると


    綺麗に折りたたまれた手紙が入っており、大切に開いて

    💜が再び、書いてくれた文字(ことば)をじっくりと読んだ。







    そして💛が、最後の方を読んだ瞬間


    「〜〜っ、💜!!!!!」

    我慢出来なくなって手紙をソファに置き、急いで二階へ駆け上がっては

    --バンッ、

    💜の部屋を勢い良く開けた

    中に入れば、ベッドの中がこんもりと丸くなっており

    「💜、」

    ゆっくりと近付いて、シーツに丸まってる💜ごと



    💛は、二ヶ月越しにやっと


    優しく抱き締めれたのだ


    「…💜、手紙ありがとう。読んだよ、全部


    ごめんね……俺の事、許してくれて





    ありがとう」


    ねぇ、顔見せてくれる?


    シーツを軽く引っ張れば、そのままスルスルと落ちていき
    中から💜が出てくる。

    顔を見ると

    「泣いてたの…?」

    目と鼻を真っ赤にし、鼻をズビッ、と啜っては
    「……ゔん、」

    だって、信じて貰えないと思ったから。


    💛が貰った、💜からの手紙には



    『💛へ


    あれから、ずっとどうしようかと考えてた。
    別れると言う選択肢も、何度も頭を過ぎったけど

    💛がくれた、あの手紙に書いてた言葉達は
    本当に、信じてもいいの?


    僕は、確かにあの日キミに傷付けられたけど

    それでも、嫌いにはなれなかったんだ。
    ずっとずっと、💛が好きだった。

    僕の言葉は、きっとまだ信じて貰えないと思う
    正直今も、書いてるこれがメチャクチャなのは分かってるよ。
    僕、読書感想文って苦手だし。


    でも、💛が好きな気持ちだけは本当なんだ。
    僕のただの感情でしかなかったこれに、"伝えたい"と思わせてくれた💛には凄く感謝してる、ありがとう。


    こんな僕の事、まだ少しでもキミは好きでいてくれるのかな
    それとも、もう新しい人が出来てたりするのかな



    今日、付き合って一年目の記念日だよね。ちゃんと覚えてるよ。

    もし💛が僕の事を、まだ恋人として選んでくれると言うのなら









    これを読んだ後、僕の事を抱き締めに来て欲しい。』




    「…………信じるよ、手紙を読んで、信じたから💜の所に来たんだ。
    ごめん、俺は、💜の事を何も見ていなかった、見ようとしていなかった。本当に、最低な事をしたと反省してる。謝って、済むことじゃないのも…


    だけど、こんな俺をまだ捨てないでくれて、ありがとう。
    💜の恋人として、選んでくれて



    俺は本当に、幸せだよ」


    💛は泣いてる💜の顔中に、キスの雨をたくさん落としては
    強く強く、💜の身体を抱き締めて


    「💜が好きです。

    俺の事、もう一度好きになってくれますか」


    💜の返事を、じっと待ってれば
    💛の背中に💜の手が回っては抱き返し

    「……💛が好きだよ、信じてくれる?」

    くっついてないと、聞こえない程の声で💜が囁けば


    「うん、もちろんだよ!伝えてくれてありがとう、💜」



    💛は変わりに、元気に大きな声で想いを返した。





    この後記念日に、サプライズとして渡そうとしていた花束は
    なぜか💜に気付かれており、サプライズが成功したのは💜だけとなった。



    上手く言葉に出来なくても、伝える好きの回数や重さが違くても
    お互いを想いあっている気持ちだけは同じだから。





    きっとこれからの二人は、もうすれ違う事は無いだろう。
















































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