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    書きたいところだけ書いたFGOのエグゼコラボイベスト(存在しない記憶)

    FGO×エグゼ「ここが…秋原町ですか」

    人の笑い声で溢れているありふれた町の姿が目の前に広がっていた。様々な色の屋根が並び、ピンク色のリスの銅像が飾られている公園の近くには謎の店がたっている。
    公園に集まっている子供たちの笑い声は平和そのものを表しているような気がして、少し拍子抜けしてしまう。
    本当にここは危険な場所なのだろうか、と考えて思考を消し去るように首を横に振る。
    いつ如何なるところでも油断なんてしてはならない。

    「とりあえず情報を集めようかマシュ」
    「はい!」

    マシュと一緒に公園へと足を踏み入れると、こちらの存在に気がついたのか子供たちが振り返る。こんにちは、とかけようとした言葉が喉元で止まる。
    マシュも同じだったようで、言葉を失い目の前の子供たちを凝視していた。

    「先輩……この子たち、」
    「…………人じゃ、無いみたいだね」

    映画に出てくるロボットのような顔立ちにはおおよそ表情と呼べるものは存在せず、子供たちが人間では無いことを示していた。

    (中略)

    「さっきは助太刀ありがとな!」
    「いえ……貴方は、」
    「ん?オレか?オレは光熱斗。この地に呼ばれたはぐれサーヴァントってやつだな!」

    (中略)

    「藤丸は怖くないのか?人類最後のマスターなんて任されて」
    「……怖い、と言えば怖いですけど人類史を取り戻すためなので」

    そっか、と光熱斗が笑う。
    レイシフトする前に読んだ資料では、彼は何度も世界の危機を救いインターネットを進歩させるのに一役も二役もかっていたすごい人間だ。だから私の気持ちも理解してくれたのだろう。それ以上は何も言わず、森の中を進んでいく。
    きっとここにマシュがいたら、なんて考えて心細くなってくる。

    「マシュがいなくて寂しいのか?」

    ドキン、と心臓が跳ねた。
    まるでこちらを見透かしたような発言に、顔を上げて光熱斗を見上げる。
    どうして、と困惑しているのさえ見透かされたのか、光熱斗がケラケラと楽しそうに笑った。

    「どうして分かったんだ、って顔してるな」
    「………」
    「同じような経験をしたことがあるんだ」
    「え……?」
    「だから藤丸の気持ちが分かるよ」

    一瞬、光熱斗の笑顔が曇ったように見えた。
    悔しさを滲ませたその表情は、まるで別人のように眉を寄せていた気がする。
    しかし、気がついた時にはいつもの笑顔に戻っていて、先程の表情の意味を聞くことは出来なかった。

    (中略)

    「契約しちゃダメ……あの人は光くんじゃない……」
    「え、……!?」

    背筋に悪寒が走る。
    何か嫌な予感がして後ろを振り返ると、どこか気まずそうな表情を浮かべた光熱斗が立っていた。

    「あれ、話の邪魔しちゃった?」

    悪い悪い、と謝る姿に体から緊張が抜けていく。全く、近付いてくるにしても気配を消さないで欲しい。
    文句のひとつでも言ってやろうと口を開こうとした瞬間、まるで私を庇うかのようにアイリスが目の前にいた。

    「アイリス……?」
    「あなた、光くんの真似なんかしてどういうつもり?」

    そう問う声は氷のように冷たく鋭い。

    「は?何言ってんだよアイリス」
    「誤魔化さないで……あなたは光くんじゃない」

    アイリスがそう言った瞬間、辺りの木が大きく揺れ始める。
    段々と薄暗くなっていく景色に顔を上げると、雲が太陽を覆い隠していく。

    「は、はは……」

    笑い声の方へ顔を向けると、顔を抑えた光熱斗が笑っていた。
    この人、光熱斗じゃない。本能で確信する。
    笑い声は段々と大きくなっていき、それに答えるように木のざわめきも大きくなっていく。

    「アイリスはおかしなことを言うね。なぁ、藤丸お前は信じてくれるよな?」
    「……あなたは、光熱斗じゃない」

    指の隙間から覗く緑色の瞳を真っ直ぐと見つめながら返せば、目の前の人物はそっか、と呟きながら腕をだらんと下ろした。

    「あーあ、なんでバレちゃったんだろ」
    「あなたは……誰?」
    「ボク……?ボクは光だよ」

    光彩斗だ。と目の前の人物が笑った。
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