弱さではなく、強くなった。と 「姫、手を」
「ありがとう」
シャロンの手に自身の手を乗せるとゆっくりシャロンにエスコートされるがままアスパシアは階段を下りていく。
今日は舞踏会。
キングダムの王、即位の記念であり王直々の提案のものだった。
「姫!…すごい、美しいぞ…!流石私の姫だ」
「誰があなたの姫ですか、誰が」
「あだっ」
そう言ってシャロンは容赦無く王ーー、オルタナの頭を叩いた。
「何するんだよ!王だぞ!?キングダムの国王の頭を叩いていいと思ってるのか!?」
「失礼、手が滑りました」
「お、お前な……」
相変わらずそうやって小競り合いを続けるシャロンとオルタナの舞踏会であれど変わらない様子に思わずアスパシアは笑った。
「あー、おっかし!…アンタたち本当いつもと変わんないんだから緊張してるアタシがバカみたいじゃないの」
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