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    u_tm_275

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    【眠り姫とヘタレな王子様】
    過去作サルベージ。
    月。/陽祭

    #二次創作
    secondaryCreation
    #陽祭

    眠り姫とヘタレな王子様「ただいま~……って、あれっ?」
     葉月陽が仕事から帰ると、プロセラルムの共有ルームに他のメンバーの姿はなく、代わりに珍しい人物がいた。
    「祭莉……?」
     陽が呼びかけても、相手――元宮祭莉はソファに座ったまま微動だにせず、彼のほうに振り向きもしない。
     もしやと思い、正面にまわり込んでみれば、案の定、祭莉は目を閉じてすやすやと寝息をたてながら眠っていた。
    「ったく……こんな所で寝てたら風邪ひくっつーの」
     そうなる前に起こしてやろうと、祭莉の肩に手を伸ばした陽だったが、普段は拝めない恋人のかわいい寝顔に思わず見入ってしまい、その手を止めた。

     伏せられた、意外と長い睫毛。
     うっすらと紅のさす頬。
     そして、わずかに開いて寝息をこぼす小さな唇。

     そこから目が離せなくなり、陽は吸いよせられるように彼女の唇に自身のそれを――

    「……っ!」

     ――重ねる直前で我に返り、思いきり飛びすさった。

    (な、な、な、なにやってるんだ、俺!? 自分の彼女とはいえ、寝てる奴に手出すとかありえねえだろ!?)
     慌てて祭莉の顔を見遣るが、どうやら目を覚ました様子はなく、そっと胸を撫で下ろす。
    「……やっぱり、ブランケットでも持ってきてやるか」
     羞恥で熱くなった顔を扇ぎながら、言い訳をするようにそうつぶやくと、陽はひとまず自分の上着を祭莉の膝にかけてやり、そそくさと共有ルームをあとにした。



     ――だから、彼は知らない。
     自分が出ていったその後ろで、目を覚ました恋人が、陽のヘタレ、とつぶやいたことを……。
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