潮満ちぬ「平古場クン、あなた相当性癖拗らせてますね」
部室内に漂う気まずい沈黙を破ったのは、読んでいたテニス雑誌から視線を上げた部長だった。
「拗らせてないさぁ。純粋な気持ちで思ってるわけよ」
平古場が食い気味に返すが、レギュラーの面々は口々に「いや、拗らせてる」と野次る。
「[[rb:ちけえねぇに > 大丈夫か]]?!正気に戻れ!」
「お?失礼な奴だなぁ不知火っ」
ロッカー前で並んでユニフォームに着替えながら、中学生男子らしく賑やかに小突き合う二人。
既に着替え終わっている甲斐と田仁志は、長机で新垣手製のクッキーを摘まんでいる。
「あー、だから凛、しょっちゅう付き合うの断ってるわけかぁ」
「しょっちゅう?そんなに告白されてるんどー?!」
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