愛情表現~ちょーじの場合~
「亀ちゃーん!」
ちょーじが真っ正面から飛び付いてきた。軽いし、慣れているから受け止めれはしたものの、こら危ないでしょぉ、と注意をするとごめんごめん! と全然反省の色がない。ちょーじ、と声のトーンを下げて言ってみるが、ちょーじは楽しそうに笑うだけでこちらも力が抜けた。
「亀ちゃーん」
それを見計らったのかちょーじが首もとに顔を埋めてぐりぐりと頭を動かす。首筋に当たる髪の毛がくすぐったい。
「ちょーじ、くすぐったいよぉ」
「亀ちゃんは首弱いねー」
首もとから離れたと思ったら今度はちゅーと言いながら、首筋に吸い付かれた。
「んっ、ちょ、ちょーじ?」
「へへっ、キスマークつけちゃったー! これで亀ちゃんはオレのものねー!」
そんなものつけなくたってオレはずっとちょーじのことが好きなんだけどなぁ、と口に出す前に今度はコツンと額同士がくっつけられる。
「亀ちゃんだーい好き!」
太陽のような笑顔を真ん前で浴びて、そのまま口付けられて、敵わないなぁと心の中で白旗をあげた。
*
~十亀の場合~
「ちょーじぃ」
低くて心地よい声がいつもよりも甘ったるく名前を呼ぶ。どうしたの? と首を傾げると亀ちゃんは首を振って用は特にないと言う。大きな手が頭に伸びてきて、髪の毛を撫でる。付き合いはじめてから亀ちゃんにこうされるのはもう数えきれないくらいあった。別に嫌でもないし、むしろ気持ちいいからされるがままにされている。それにこの時の亀ちゃんの表情は、なんだか楽しそうで幸せそうで大好きだ。
「亀ちゃん、楽しい?」
「うん。ちょーじは嫌じゃないぃ?」
「オレはこうされるの好き!」
「そっかぁ。それなら良かった」
ふわふわと笑った亀ちゃんに我慢できなくなって、この後すぐにキスを仕掛けたのは別の話。