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    nachi_osora

    @nachi_osora

    GW:T、K暁にゴロゴロしてる。書くのはほぼ固定、読むのは雑食。だいたいけけ受肉してるしアジトメンバー全員わちゃわちゃしています。

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    nachi_osora

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    素敵企画『K暁小説プロット交換企画』に参加させていただきました。企画してくださったサブ様(@subaccount3210)には大感謝です!
    いただきましたプロットはサブさんのものでした!
    素敵プロットはこちら
    https://x.com/subaccount3210/status/189562569526

    とんでもない夢を見てしまって頭を抱えるあきとくんお話。
    R15程度ではあるかもしれない。

    #K暁
    #K暁小説プロット交換企画

    夢に堕ちて、夜の淵 ――とんでもない夢を見てしまった。

     目が覚めた瞬間がばりと跳ね上がるように起き上がると、暁人は勢いよく布団をはねのけ己の下半身を確認してしまう。――異常なし、だ。思わず顔を覆って地の底よりも深いため息をつく。それは安堵のものであり、当惑のものでもあり、自己嫌悪からのものでもある。
    「なんで、あんな夢……」
     夢に出てきたのは年の離れた相棒――KKと呼ばれる男だ。あの夏の夜に(強制的ではあったが)体を共有し、共に戦い、事件を無事に解決へと導いたのはまだ記憶に新しい。そのまま別れることを覚悟していたのに、どういうわけか彼を含め事件の関係者(般若除く)は無事に己の体を取り戻して甦った。
     あれから凛子とエドの熱心な勧誘により暁人もアジトのメンバーとして過ごしている。だが当たり前にKKと別々の体になった現状では、相棒とは言いつつも師と弟子のような関係になっていた。KKというバフがなくなった暁人は筋が良いと褒められはするもののあの夜に比べれば弱体化は否めないし、そして年上との経験値の差というものは一朝一夕で埋まるものでもない。KKという男は一人でそれだけの場数を踏んできたのだ。
     斜に構えた態度を取りつつも、なんだかんだで面倒見が良いし暁人をむげに扱ったりしない。本人に言えば嫌そうにするだろうが消せない正義感を持った不器用で優しい人だ。そんなKKを尊敬しているし、追いつきたいと思っている。どうしょうもないおじさんめと思うことも、それこそ欠点だってないわけではないが、あの日のように胸を張って相棒だと言えるように、隣に立てるようになるのが暁人の目下の目標なのだ。
     そうだ。性別も、年齢も、立場も。何をどう考えたって、を見る素養なんてあり得ないはずなのに。

     ――暁人。

     聞こえるはずのない低い声が耳をうつ。熱に浮かされたように繰り返された己が名と耳元にかかった熱い吐息を思い出し、ぞくりと背中に何かが走った。名などあの雨の中でたくさん呼ばれたというのに、今胸にともる熱はあのときとは違っていて。それらがけして嫌悪ではないことを理解してしまっているから、どうしていいかわからない。
     KKに、女のように抱かれる夢――暁人が今日見たのは、そんな夢だった。
     荒唐無稽な夢だと鼻で笑い飛ばせばいいのか、とんでもない悪夢だと口汚く罵って忘れればいいのか。
     どちらでもいい、そうするべきだとでも言う自分がいる。でも今、それがどちらも出来なくて心底戸惑う自分もいる。
    「僕は、そういう意味でKKのことを好きだった……?」
     誰よりも近くて、そして誰よりも遠いと感じてしまう人なのは確かだ。二人は良くも悪くもあの夜に近づきすぎた。なので別の人間として別の体で存在している現在、KKが遠くなったような錯覚をおこす事がある。これが普通だというのに物足りなく感じてしまう度、ちょっとまずいかなとは思っていたのは事実だ。
     ……ずいぶんと、リアルな夢だった。気がついたら大きなベッドの上に裸でいて、頭を疑問符でいっぱいにした暁人の顎を後ろから伸びた少しかさついた手が優しく撫で上げた。びっくりして振り向けばこれまた裸のKKがいて。「どうした?」と楽しそうに目尻にしわを寄せたKKの声はいつもよりも甘くも柔らかく、視線は欲という熱を持っているのが丸わかりだった。
     夢なのに、夢だから? これからナニをするのか、されてしまうのか理解してしまって。ようやく出せた「KKぇ……?」と彼を呼ぶ声はいつもの自分とは思えない微かで頼りないもので「なんだ、初めてか暁人」というどこか意地悪げな含みのある声に「……悪いかよ」と返すことしかできず。思ったよりもすねたような響きを持たせてしまったことに恥じらっていれば、くっと喉で笑いをためた男のいつもは美しい印を結ぶ指が暁人の顎をつかんだ。そのまま顔を数センチ残らないほどまで近づけると「いーや? ……最高だな」とささやきそのまま噛みつくように唇を重ねてきて――そこから先は、思い出すだけで恥ずかしさで憤死しそうになる。
     けれど困ったことに、夢だというのにされたことを一から十まで覚えているのだ。キスだけで思考をどろどろに溶かされたことも、初めてだからと丁寧に丁寧に扱われたことも、後ろと前をこれでもかと弄くられて気持ちよすぎてむせび泣いたことも、「好きだ」「可愛いな」「愛してる」など、現実だと聞いたこともないような、KKが言うはずのない愛の言葉を降り注がれたことも。
     あまりにもはっきりとしている記憶にこれが自分の望みだというなら穴を掘って今すぐ埋まりたい。いっそ色情霊にでも取り憑かれているとなった方が救いがある。
    「KKに、会わせる顔がない」
     うう……と悶え頭を抱えたものの、充電中のスマホには今日の予定の連絡が来ている。間の悪いことに今日の仕事はKKと二人でこなすものだ。
    「どんな顔して会えばいいんだよ……!」


     ――とんでもない夢を見た。年下の相棒を、言い方は悪いが手込めにする夢だ。

     とはいっても。実のところそんな夢は初めてではない。すでに何度も夢の中であの若い体をいいように弄び穢してしまっている。自分を真っ直ぐに慕ってくれるあの年若い青年に劣情を抱いているのはもう認めざるを得ない。
     初めて見たときは動揺して自分の正気を疑った。だが何度も見ているうちに仕方がないと思うようになった。そう、救われたあの日から、KKはずっとあの青年が欲しかった。それでもまだ残った良識と理性が、『良い大人』で『頼れる相棒』であろうとするKKを支えてくれた。
     二十も年下で未来のあるしかも同性の若者をどうこうするなど許されないことだとわかっている。KKは腹の中で育つ醜い感情を、全部抑えて暁人に背中を見せることに終始した。日々成長する暁人は魅力的であるし、いつか恋を知り、愛を育み、伴侶を得て子供が出来たりもするだろう。それを邪魔しようとは考えていない。胸が痛んだとしても、暁人が幸せになるならそれでいい。だからせめて都合のいい、ゲスな夢をたまに見てしまうことだけは許して欲しい。
    「それにしても……」
     今日の夢は少し毛色が違っていたなと思い出す。いつものはThe男の夢というかなんというか、夢に出てくる暁人は本来の彼ならしないだろうと思うような事をすることが多い。性に奔放であったり、KKに愛の言葉をささやいたり、例の女狐だったりと当人が見たらショックで卒倒しそうなものばかりである。
     まぁそうじゃないとこんなオッサンとアレコレしたりしないだろうし、AVもそうだがエロい夢なんてそんなもんだろうとKKは思っている。ある意味現実の暁人と区別をつけるためのセーフティかと疑ってしまう程度に別人だ。夢を見た後湧き上がるのはエロかったなという満足感と、絶対暁人はそんなことしないだろうという賢者タイムもかくやの空しさだ。
     それが今日のはどうだ。有り体に言えばのだ。欲をぶつけるための都合のいい暁人の顔をしたナニカではなく、いつも横にいて生意気な口をききながらも自分を支えてくれている『伊月暁人』に限りなく近かった。こなれた様子はまるでなく、ベッドの上で虚勢を張りながら『初めて』を自供する様だけで腰から下が重くなるようだった。――まぁ、夢なので遠慮なく抱いたわけだが。
     それでもあまりにも『暁人らしく』て、普段の夢よりも手をかけた気がする。抱いたのはこちらだし、快楽に落とし込んだのもこちらだが、素直で可愛い覚えの良い体にどんどん溺れていくような感覚を覚えた。本物には言えない隠した気持ちも、ずいぶんこぼしてしまったはずだ。
    「……言えるはずがねえんだよ」
     自嘲めいたつぶやきは、狭い部屋にすぐに消えた。そろそろ起きるかと首をならしながらスマホを手に取ると凛子から今日の依頼の連絡が来ている。
    「今日は二人だもんな……」
     あんな『らしい』相棒の夢を見てしまったせいで、少しだけいつもよりも気まずいかもしれない。
    「どんな顔したもんだかな」
     いつも通り『師』の顔を出来ればいいのだが。


     その夜、冷静を装うものの挙動不審かつ普段らしからぬミスを連発する暁人をKKが問い詰め、同じ夢を交わしたことを――否、KKが判明し一悶着が起きるのだが……二人にはまだ預かり知らないことである。


    ********************

    【補足(という名の蛇足)】
    元々は暁人くん視点の夢の話あとは、KK視点での「一悶着」を書く予定でした。けどそれを書くと三千字でおさまらなさそうだったのと、KK視点で夢について書きたくなったので予定変更に。

    ●KKの夢に迷い込んだ、について
    一悶着の方ではっきり書く予定だったのですが、二人の間にある繋がりを通して、KKの執着に引っ張られて暁人くんの魂だけがKKの夢に引きずり込まれた形です。
    冒頭で思わず下半身を確かめても変化がなかったことは一応その伏線だったんですよね。魂がまるっとKKの元に行ってたので、体はベッドでお留守番でした。

    ●暁人くんは気づいてない
    混乱しすぎて暁人くんは気づいてないんですが、あれだけ明確にされたことを覚えてる、ってのも実はおかしい点の一つです。男同士のアレソレ、暁人くんはこの時点でそこまで詳しくないんです。なのに細かい手順まで覚えてる、夢に見る=知ってる、っていうのがまず変。

    ●KK→→→←暁人、ぐらい
    夢が混じる前の本人達が自覚してる矢印はこの程度。ただ、夢で引っ張られたとは言え暁人くんが素直に状況にのまれてしまったのは、KK対する無条件の信頼と好意、執着があるから。なので無自覚両片思いっぽい状態ではあったのです。まぁ、そうじゃなきゃ魂だけで会いに行ったり出来ない。


    こんなもんですかね。出来たら『一悶着』も形に出来たらなぁとは思っています。
    とてもおいしいネタをありがとうございました!
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    nachi_osora

    DONE素敵企画『K暁小説プロット交換企画』に参加させていただきました。企画してくださったサブ様(@subaccount3210)には大感謝です!
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    とんでもない夢を見てしまって頭を抱えるあきとくんお話。
    R15程度ではあるかもしれない。
    夢に堕ちて、夜の淵 ――とんでもない夢を見てしまった。

     目が覚めた瞬間がばりと跳ね上がるように起き上がると、暁人は勢いよく布団をはねのけ己の下半身を確認してしまう。――異常なし、だ。思わず顔を覆って地の底よりも深いため息をつく。それは安堵のものであり、当惑のものでもあり、自己嫌悪からのものでもある。
    「なんで、あんな夢……」
     夢に出てきたのは年の離れた相棒――KKと呼ばれる男だ。あの夏の夜に(強制的ではあったが)体を共有し、共に戦い、事件を無事に解決へと導いたのはまだ記憶に新しい。そのまま別れることを覚悟していたのに、どういうわけか彼を含め事件の関係者(般若除く)は無事に己の体を取り戻して甦った。
     あれから凛子とエドの熱心な勧誘により暁人もアジトのメンバーとして過ごしている。だが当たり前にKKと別々の体になった現状では、相棒とは言いつつも師と弟子のような関係になっていた。KKというバフがなくなった暁人は筋が良いと褒められはするもののあの夜に比べれば弱体化は否めないし、そして年上との経験値の差というものは一朝一夕で埋まるものでもない。KKという男は一人でそれだけの場数を踏んできたのだ。
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    nachi_osora

    DONE猫の日のけあき。
    いつもよりはラブコメちっくです。
    猫又ちゃんのとこでバイトするあきとくん。
    けけがいつもより正直かも。
    店番猫ちゃん「明日出かけてくるね」
     そう暁人にさらりと告げられ、オレは眉を跳ね上げた。特に問題のないセリフのはずが、何かがオレの感覚に引っかかったのだ。読んでいた文庫本から顔を上げ暁人を見ればいつも通りのおっとりとした表情。だが「そうか」とだけ返せばどこかほっとしたように見えた気がして、やはり何かを隠しているなと思う。
     元刑事の勘としか言えないそれがまぁまぁの的中率なことをオレは実地で知っている。煙草をふかしながらさてなにが引っかかったのかとのんびり考える。さほど嫌な予感はしないので、放っておいても良いのだが……もうこの思考は職業病のようなものだ。
     ちらりと暁人をうかがえば、こちらを見ずにスマホをいじっている。それで違和感の一つに気がついた、報告が少ないんだ。暁人は身内にはわりとおしゃべりな質で、どこかに出かけるとなると行き先や相手などを世間話ついでによく話してくる。「友達と飲み会に行ってくるから帰りに焼き鳥お土産に買ってくるよ」だの「スーパーに買い物行くけど食べたいものある?」だの。
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    DOODLE #毎月25日はK暁デー
    参加させていただきました。お題は『匂い』
    厭世的で嫌煙家の暁人くんのお話。
    sensory adaptation 雨の夜が明け家族とも一夜の相棒とも別れて、僕は日常に戻ってきた。妹を取り戻すことは出来なかったから、今までと全く同じという訳にはいかないだろうけれど、とにかく僕は一人生き残ったわけだ。それに意味があるかはまだ分からない。それでも、とりあえず僕がやらなければいけない事がまだ残っている。向こうで両親と共に旅立つのを見送った妹の現世での抜け殻に病院で対面し、身体も両親の元へと送り出した。その日は青空にふわりと薄い雲が浮かぶ、良く晴れた日だった。この世のしがらみを全て捨てて軽くなった妹は、きっと両親と共に穏やかに笑っているだろう。そうであって欲しい。

     追われるように過ごした日々が終わってふと気が付くと、これからどう生きていけばいいのかすら何も考えつかなくて、自分が空っぽになったように感じた。ほとんど物の無い空虚な部屋を見回して、置きっぱなしになっていたパスケースに目が止まる。すっかり忘れていた。あの夜の相棒の形見、最期に託された家族への伝言。これを片付けなくては。彼とは出会いから最悪で途中も色々あったが、最終的にはその関係は悪くなかったと思う。結局のところ、僕にとっても彼にとっても失うものばかりで、得るものの少ない結果だったとしても。
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