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    ゆり秋

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    ゆり秋

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    再投稿。前回の斎以。

    「いぞーくん。」

    斎藤は「いぞう」と呼んだ人物を後ろから抱きつく。ビクリと自分の後ろで大きなムカデの身体が震えるのを感じた。半月前に気に入って巣に連れ帰った「以蔵」という名のムカデ族の男だ。以蔵はギロリと後ろにいる齋藤を睨み付けた。

    「おまん...しゃんしゃんどきや。」

    ガチガチと牙を鳴らしコチラに威嚇してくる以蔵。そんなに睨まないでよ傷つくなぁっとヘラヘラ笑いながら斎藤は以蔵の項を軽く吸った。じわりと以蔵の耳が赤くなるの見て、今度は赤くなった耳に舌を這わた。唇だけで軽く食んだり吸ったりと、その度に身体を震わせる以蔵の反応を楽しんだ。暫く耳を堪能したあと、名残惜しそうに少し強めに耳朶を吸ってから頭部の方へ首を伸ばす。
    にょっきりと生えた2本の触角が小刻みに震えるのが見える。斎藤はそのうちの1本の触角の付け根から先端までをべろりと舐め上げ、それからその先端をパクリと口に含み、もう片方の触角の付け根をくにくにと優しく指の腹で扱いた。

    「ひっ、おまん、なにしゆう......ッ!」

    いきなり自分の弱い所を責められ驚き、逃げようと藻掻く以蔵の腰を片腕で抑え込むよう抱きしめる。自分の後ろでビタンビタンとムカデの身体のたうち回るのを感じるがそれを無視し、斎藤はわざとじゅぷじゅぷと音を立てながら以蔵の触角をしゃぶった。
    斎藤の口と手によって与えられる触角への感覚が段々と快楽となり、以蔵の身体が熱く震え、甘やかな悲鳴に変わっていった。

    「あ、あ、やめ...やめぇやッ、ひぁぁッ!」

    ゾクゾク身体中を走る快楽でまともに動くことも出来ない以蔵は、何とか身を捩り、力の入らない腕で斎藤を押しのけようとした。
    まだまだ抵抗する気はあるのねっと、斎藤はムスッと顔を顰め、今の以蔵の体勢は身体を痛めるなと思い、正面を向くように以蔵の向きを変えた。触角を愛撫する手だけは止めず、今の以蔵の姿をじっと見つめる。テラテラと己の唾液で濡れ、ぴるぴると震える触角、もがき暴れてはだけた衣服から覗く、白い肌に散らばる吸い跡や牙の刺傷が斎藤の劣情を駆り立てる。ボロボロと大粒に流れる涙は、どの花の蜜よりも甘そうで。溢れ落ちる涙に勿体ないなと思いつつ、もう一度以蔵の触角に口を近づける。

    「あ、もう、堪忍しとぉせ.....!」
    「何でよ、気持ちいいくせに。」

    斎藤は宥めるように以蔵の頭を触角ごと撫でる。それだけでも以蔵はびくりと肩を震わせる。


    「こうやって、指と指の間に挟んでスルスル〜っと撫でるとか。」
    「ンん......」
    「あとは先っぽの方をチュッと吸ったり。」
    「ふぅッッ!」
    「付け根の方も食べられちゃうの堪んないでしょ?」
    「ひあぁぁァァァっ!!?」

    じゅぶりと触角の付け根をしゃぶってやると以蔵は悲鳴に近い嬌声を上げた。先程とは比べものにならないくらいの快楽に以蔵は斎藤の服を握りしめ、縋ることしか出来なかった。
    ふと自分の腰周りが苦しくなっていることに斎藤は気付き、再び触角から口を離し、自分の腰を見ると、以蔵の身体の下....ムカデの身体が自分の腰に巻き付いていた。

    「あららぁ...」

    快楽から逃れようと目を固く閉じている以蔵は気付かない。これは以蔵が無意識に行っているもので、気持ち良くて堪らないという時に見れる行動だ。斎藤はニンマリと笑い、以蔵に問いかけた。

    「気持ちいいねぇ、いぞーちゃん?」
    「ひぁ、や!気持ちよくなんぞ....ああんッ!!」

    嫌じゃ嫌じゃと否定し、やめてくれと懇願してくる以蔵に反して、ムカデの身体はぎゅうぎゅうと斎藤の腰を締め付ける。こりゃぁ、後で痣になるなぁと斎藤は思い、仕返しとばかりに触角の付け根を強めに吸いあげだ。

    「〜〜〜〜〜〜〜ッッッッ!!」

    斎藤の下から声にならない叫びのような声が聞こえ、以蔵の身体が大きく撥ね、ムカデの身体がより一層の強く巻きついた。どうやら絶頂したようだったビクビクと絶頂の余韻で震える以蔵にあちこちにキスを落とす。未だに斎藤の腰に巻き付いているムカデはまるで、甘えるかのようにキュッキュッと巻き付く。


    「どう?いぞーちゃん。気持ちよかったで...しょ....」
    斎藤は少し息が整い、落ち着ちつき始めた以蔵の顔を覗き込み、息を呑んだ。
    半開きの口からちろりと真っ赤な舌が見え、上気した頬、ゆるゆると開けられた目は、涙で濡れ、蕩けているように見えた。しかしその目は情欲に溺れた目にも見えた。舌っ足らずで斎藤の名を呼ぶ以蔵が腕を伸ばす。先程まで斎藤の腰に巻き付いたムカデの身体が今度は斎藤自身に巻き付こうと蠢いていた。それはまるで捕食しようとしてるようだった。
    斎藤は以蔵の腹を撫ぜる。ピクッと腹震わせた以蔵は切なそうにまた斎藤の名を呼び、彼を見つめる。はぁっと、自分の口から熱い息が吐き出されるのを感じ、斎藤は以蔵に覆いかぶさった。
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