シンゾウ観覧車に乗ってから、ヒナタの声が聴こえなくなった。
ずっと僕の味方で、そばにいてくれた大切な存在。
ヒナタがいなくなってから僕は、上手な話し方も笑い方も忘れちゃった。ヒナタがいなきゃ、僕はなにも分からない。
それに……ヒナタがいなくなった代わりに、悪意のある目が僕を見ているような気がする。
じっと、いつまでも、どこまでも。
背中から感じる視線に耐えきれなくて、僕は後ろを見た。
そこには……ダイヤがいた。
「な、なんだよ……」
「……!!」
ダイヤは、笑顔で僕を見てる。
元気ないね、どうしたの?
……そう伝えてきたダイヤに、構う余裕なんて僕にはなかった。
「……今、君と話す時間なんてない」
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