「お前たち以上にお似合いの2人はいないんだから」「ね、天馬くん。これ、受け取ってくれるよね??」
にっこりと、有無を言わせないといった笑顔で、きっぱりという女性。
その傍で、手に手紙を持ったまま、オロオロとオレと女性を交互に見る、大人しめの女性。
そして、そんな2人に逃げ道を塞がれ、2人の圧を一心に受けている、オレ。
本当に、どうしてこうなってしまったのかと、内心溜息をついてしまった。
-----------------------------
「なあ天馬、どう思うー?」
そのきっかけは、あまりにも単純だった。
クラスメイトの話題。自然な形で振られたそれに、ただ回答しただけだった。
「何がだ?」
「あ、聞いてなかったか。わりいわりい。
よく告白の手段としてラブレターって使われるけど、天馬はそれどう思うのかなって思ってさ」
1962