ワンライ執務机には今日も今日とて書類の山が出来上がっていた。出勤早々私は溜息をつく。年明け早々から残業もやむなしというレベルの山。やるしかないかとひとつ伸びをして椅子に掛けた……のはもう5、6時間前のことだ。書類に目を通しながら携帯食で空腹を満たしたのがおやつ時だったことは覚えているがその後の記憶が少し曖昧だ。どうやら情けなくもうたたねしていたらしい。寝ぼけまなこをこすり時計を確認すると記憶の中のそれより20分ほど進んでいた。さすがに1時間と寝ていたわけではないとわかって安堵する。
「よォ、起きたか」
声の方向に顔を向けるとそこには彼がいた。
「王子、いつからいた?起こしてよかったのに」
「いいやそう待っちゃいねェよ。急ぎの用でもなかったしな。それにアンタは働きすぎだぜ、先週から大捕り物に連続で駆り出されてたよな?」
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