双子だけでお祝い双子だけでお祝い
オーブで正大にカガリとキラの誕生日パーティが開催され、沢山の人に次々お祝いをさてされて、嬉しさ半分戸惑い半分と言った所で、キラは少し疲れてしまっていた。
こんなに盛大にお祝いされたのは初めてだった。誕生日パーティを開いてくれた事は何度もあるが、小規模で今まではのんびりとした雰囲気でのお祝いだった為、嬉しさのほうが強かったが、今回は色々なお偉い方達からも次々に祝われて、緊張感の方が強かったのだ。
「⋯⋯そういえば、カガリにプレゼント、いつ渡そう⋯⋯」
キラと同じく誕生日おめでとうのカガリにプレゼントを用意していた。けど、カガリはキラ以上に忙しそうであっちこっちに引っ張りだこだった。
けど、キラとは違いカガリは慣れた様子でお礼の言葉を伝えて笑っていた。
「カガリはすごいよね⋯⋯」
ぽつりと呟いた声はだれにも聞かれてないと思っていた。
「何が凄いんだ?」
黄色いドレスを身に纏ったカガリが腰に手を当ててキラを覗き込んだ。
「うわ! カガリ!?」
まさかのカガリに聞かれているとは思わなくて驚く。
「⋯⋯お前も主役なのに、こんな壁際に来て。疲れたか?」
「う、ん。こんなに沢山の人にお祝いされたの初めてだし。なんか圧倒されちゃって⋯⋯」
「ふーん⋯⋯なぁ、キラ。少し付き合え」
グイッとカガリに手を引かれる。
「え? ちょ、カガリ!?」
パーティ会場から連れ出され、大丈夫なのかと不安になる。
「心配しなくていいぞ。少し席を外すとアスランに伝えたからな。それに、少しでいいからキラと2人きりになりたいんだ」
カガリの満面の笑みにきょとんとしてしまう。
太陽のように明るいカガリに、キラは何度も救われた。カガリが困っていたら助けてあげたい。僕に出来ることならなんでもやってあげたくなる。
会場近くの一室に入ると既に準備されていたのか机の上に、小ぶりのケーキが用意されていた。
「⋯⋯これ⋯⋯」
「私からキラへの誕生日プレゼントだ! 誕生日おめでとう! キラ!」
「⋯⋯僕から言おうと思ってたのにな⋯⋯カガリ、お誕生日おめでとう。これは僕からのプレゼントだよ」
着ていたスーツの胸ポケットから包みを取り出す。
「なんだ。キラも用意してくれていたんだな。じゃあ私からももうひとつプレゼントだ」
カガリが同じように包みを渡してくれた。
「開けてもいい?」
「いいぞ。私も開けていいか?」
「もちろん」
2人同時に包みを開けると、お揃いのピアスで思わず2人で顔を見合わせる。
「あはは! まさかプレゼント被るなんて思わなかったな!」
「うん。びっくりした」
デザインは一緒だが、付いている石が違った。
キラからカガリへ渡した石はシトリンと呼ばれるカガリの瞳の色のものだ。
カガリからキラへ渡した石はアメジストて、同じくキラの瞳と同じ色だ。
「なぁ、キラ。これ片方交換しないか?」
「え?」
「ほら、お互いに色違いで片耳付けるんだよ。私達が双子だって言う証にさ。まぁまだピアス開けてないんだけどな」
「⋯⋯いいね。そうしようか。僕もピアス開けてないから、開けたら付けるね」
「あ、いや待て、今から開けるか? 私は構わんぞ?」
「え?」
カガリがテキパキと準備をし始め、2人揃ってピアスをお互いの耳に開けた。
開けた際に痛みがあったが、今はじんとした痛みが耳に広がる。
お互いの両耳に色違いのピアスが付き、2人ともそれを見て笑った。
「「誕生日おめでとう」」
その後用意されたらケーキを2人で食べてから会場に戻ると、すぐにアスラン、ラクス、シンにピアスの事がバレて、ラクスは微笑み、シンはなんとも言えない表情を浮かべ、アスランは消毒をしろ! と慌てられた。