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    結月(ゆづき)

    @22Yuzuki22

    主に小説しか書きません。(絵は見せられるものは書けません)のんびりまったり上げたりしてます。

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    結月(ゆづき)

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    徹夜続きのキラが突然プチッとキレちゃって、あ、この世界滅ぼそうてなって、みんなが慌てて止める話

    世界はそう簡単には変わらない。それはもう痛いほどに理解している。だからこそ、プラウドディフェンダーの製作を急いだのだ。けど、
    過ぎた力はまた新たな戦争を生む。それは昔カガリが言った言葉だ。もちろんその意味も理解しているつもりだ。

    けど、この世界は誰か1人だけで頑張っても変わらない。
    みんなで一丸となって変わろうとしない限り、変わらないのだ。


    カタカタカタともう無意識にキーボードを打っている。
    今日でもう何日になる? えーと、多分三徹は超えた筈だ。
    僕だって休まないと行けないのは分かってる。分かってるけど、今この時も世界は小競り合いやら紛争で休む間もなく動いている。
    いつまでも変わらない人々。いくらデスティニープランを否定した身とはいえ、ここまで酷いとは思いもよらなかった。

    一体どれだけの兵器を開発したらいい?
    一体どれだけ紛争を止めればいい?

    終わりの見えないそれに、限界が近かった。

    プチッ

    どこかで何か緊張の糸が切れた音が聞こえた。

    「⋯⋯そうだ。世界を滅ぼしちゃえばいいんだ」
    名案だとキラはふらつく体で格納庫へ向かった。


    その頃格納庫では。
    「全く! 開発部の奴らは無能がすぎる! 一体何をどうたらこんな事になるんだ!」
    ブツブツと早口で文句を言うハインラインが、イライラしたように画面端末を眺めていた。
    「こんなバグ通常なら有り得ない! 全く何処の無能がっ! ⋯⋯ん? 准将?」
    ふらーと格納庫にやってきたキラに不思議そうに声を掛ける。
    「准将。今日はもう流石に休まれる筈では?」
    「あぁ、はい、休む前にやる事があったのを思い出して」
    「はぁ⋯⋯? それは一体⋯⋯?」
    「世界を滅ぼして来ようかなーて」
    にっこりと笑ったキラに、ハインラインの思考が一時停止した。だが直ぐに今のキラがまともな思考を持っていないと理解し、直ぐにキラを拘束し持っていた端末でコノエに連絡を取った。


    『緊急警報発令! 緊急警報! ヤマト隊は至急格納庫へ集まって下さい! 繰り返します! ヤマト隊は至急何を置いても格納庫へ!』

    いきなりの艦内に響き渡る警報に、半分寝ていたシンはガバリと起き上がる。
    急いで制服を羽織って部屋の外へ出ると、丁度ルナマリアも出てきた。
    「シン!」
    「ルナ! この警報、まさか!」
    「分からないけど、隊長大分やばかったから」
    「あーもう、だからちゃんと休んで下さいってあれだけ言ったのに」
    「まぁキラさんの性格もそう簡単には変わらないわよ。それよりも急ぎましょう!」

    2人揃って格納庫へ行くと、既に着ていたアグネスがハインラインと共にキラを止めていた。
    「キラさん!」
    「何事なの!?」
    「あ! ルナマリア! 早く隊長止めて!」
    「あ、シン。ちょうど良かった。今から世界滅ぼしに行こうと思うんだけど、シンも来ない?」
    「何言ってるんですか!? キラさん!」
    にこやかに笑っているのに、発言が物騒極まりない。
    とにかく止めなければ色々危ない。

    「キラさん、寝ましょう!? 俺一緒に寝ますから!」
    明らかにオーバーワークが祟って睡眠不足によよる暴走状態だとすぐ理解した。
    こうなる前にシンは何度もキラに寝て下さいと繰り返したが、大丈夫大丈夫と無理をした結果がこれだ。強制的に休ませるべきだったと反省する。

    この事がもしアスランに知られたら確実に説教が待っている。そんなのは面倒臭い!
    それに、キラと一緒に寝られるチャンスだ。この機会を逃す手は無い。

    「はぁ!? なんであんたが隊長と寝るのよ!」
    「そうよ! シン! 私も隊長と寝たいのに!」
    まさかのライバルが2人もいた。
    「俺が先に言ったんだから、俺と寝るんだよ! それにキラさんと一緒に寝かせられるわけ無いだろ! 特にアグネス!」
    「なんでよ!?」
    「お前絶対後で色々言いふらすだろ!」
    「当たり前じゃない! 私、隊長の事本気なんだから!」
    「アグネス! あんたもいい加減にしなさい!」

    ギャイギャイとキラそっちのけで喧嘩を始めたヤマト隊メンバーに、ハインラインは頭を抱えた。
    が、ふと彼らに任せずとも自分が一緒に寝たら一石二鳥ではと考え出した。
    「准将。では私と一緒に寝ましょう。私ももう寝ようとしていたので、ちょうど良い」
    「んー? ハインライン大尉と⋯⋯ですか? ⋯⋯良いですね。じゃあ一緒に寝ましょうか」
    普段こんな会話をしないハインラインに、キラの意識が世界を滅ぼす事から興味が移ったらしい。
    「では准将。失礼致します」
    そのままキラを抱き上げ、ハインラインは自室へ向かう。

    「はぁ!? ちょっ! ふざけんな!」
    「ちょっと! 抜け駆けは許さないわよ!」
    「あ、私達も一緒に寝ます!」

    ハインラインを追い掛けて行ったヤマト隊。
    賑やかだった格納庫が一気に静かになった。

    あの後ハインラインの自室では狭すぎるという事で、キラの為に用意された自室でキラ、ヤマト隊メンバー、ハインラインの5人で寝たのだった。


    「昨日はごめんなさい」
    しっかり睡眠が取れたキラは、昨夜の発言を覚えていた様で皆に謝った。
    もうあんな事をキラが言い出さないように、しっかり睡眠と食事を取ってもらう様に徹底しようとミレニアムのメンバー全員が固く誓った。

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