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    ブルベリー(エッビの姿)

    @JY_FY_LY115
    ジェ監♂投稿するアカウントです。供養だったり短いエロを投稿していくと思います

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    POIPOI 7

    ジェイ監♂/ジェ監♂
    元の世界に戻った🦐に会いに行く🐬の話
    ※付き合っている🐬🦐♂
    ※何でも許せる方向け
    ついったアカ作る前に書いたやつを今更供養です。多少の修正はしましたが、文章はその時のままですので、今と書き方とか全然違うし見づらいかもしれません。

    #男監督生
    maleStudent
    #ジェイ監♂
    #ジェ監♂
    #twstプラスB
    twstPlusB

    貴方の元へ 惹かれてはいけないと分かっていたのに、触れてはいけないと気づいていたはずなのに、一度言ってしまえば、触れてしまえば、体温を知ってしまえば、止まることなんて出来るはずが無かった。互いに何度も求め合いその恋に溺れていった。

     先輩、ごめんなさい

     覚悟していたつもりだった。いつ居なくなるか分からないから、いつ居なくなってもいいようにと心の準備をしていたつもりだった。でもいざその場面に直面すると。

     行かないでください

     そんな小さな声が出た。置いて行かないで。ずっと一緒に居て、僕の隣で笑っていて。必ず貴方を守るから。次々と出てくる言葉。どうにかして彼を引き止めたかった。でも彼は首を横に振った。

     さようなら

     最後に口付けをして彼は行ってしまった。帰ってしまった。元の世界に、本来自分が居るべき場所に。涙が止まらなかった。胸が張り裂けそうで、いっそ死んでしまった方が楽なのではないかと思うくらいだった。片割れと幼なじみは黙って僕のそばに居てくれた。何も言わずただ寄り添ってくれた。

     目が覚めたら、彼が何食わぬ顔でそばにいるのではと淡い期待をしていたが、現実は残酷だった。ストレスで発熱してしまい片割れに寝ていた方がいいと言われたが、何もしていないと彼のことを思い出して辛いので、と言い無理矢理登校した。いつも彼のそばに居た友人二人と相棒を見かけてしまい、また胸が苦しくなった。いつも元気だった彼らもお互い何も言わずに俯いていたから。

     彼が居なくなってから数週間経ったが、まだ立ち直れてない。胸に穴が空いたように感じる。何に対しても興味を惹かれない。やるべきことを淡々とこなすロボットのようになっていた。やるべきことを終えれば部屋に戻りベッドの上で何もせずにぼーっとしていた。そんな時、幼なじみが部屋に訪れた。

    「ジェイド」
    「……」
    「はぁ……いつまでそうしているつもりです?」
    「……」
    「フロイドは立ち直ったようですよ」
    「――アズールには僕の気持ちなんて分かりませんよ」
    「えぇ、分かりません。日々を無駄に過ごしているお前の気持ちなんて分かりたくもない」

     鼻で笑いながら言う。いつもの僕ならその言葉を何倍にもして返していたかもしれない。でも今はそんな気力すらない。黙っていると幼なじみの方がイライラしはじめた。

    「はぁ……見ているこっちがイライラするんですよ」
    「……」
    「貴方、僕達に言いませんでしたか?」
    「……」
    「彼を必ず追いかけると」
    「……」
    「なのにこれはなんですか?何もせずダラダラ過ごしてどんどん日々を無駄にしていく」
    「……」
    「こんな男に全てを捧げた監督生さんも愚かですね」

     言葉を聞いた瞬間掴みかかっていた。自分はどれだけ言われてもいい。でも彼が蔑まれるのは許せなかった。

    「ぐっ……」
    「――彼を侮辱しないでください」
    「だってそうでしょう?とんだ腑抜けと付き合っていたのですから」
    「アズール」
    「僕に怒りをぶつけている場合ですか?その気力を他のことに使えばいいでしょう?」
    「何を……」
    「時間は有限です、このままでは貴方が行く前に彼が死んでしまうかもしれませんよ」
    「っ……」

     アズールは盛大なため息をしながら僕の手を払い除ける。眼鏡の位置を直しながらさらに続ける。

    「僕もフロイドも協力します」
    「ですが」
    「見ていてイライラするだけです。もちろん対価もきっちり頂きますから」
    「――ふふ」
    「やっと戻りましたか」
    「すみません、時間が掛かってしまいました」
    「本当ですよ」
    「アズール」
    「なんです?」
    「――ありがとうございます」

     フンと鼻を鳴らし元気が出たなら迷惑をかけた分きっちり働いてください、と容赦のない言葉をかけてくる。でもおかげで目が覚めました。フロイドにも謝っておかなければ。減らされていた僕の分のシフトはフロイドが出ていてくれたでしょうから。もう迷うことはありません。必ず方法を見つけます。

    ---

     目が覚めると真っ白な天井が見えた。自分の部屋じゃない、オンボロ寮でもない、どこか分からない場所。もしかして元の世界に帰ったんじゃなくてまた別の世界に飛ばされたのかと思ったけれど、それは杞憂だった。横から久々に聞く声がして、そちらに顔を向けると母が泣きながら俺の事を呼んでいた。
     自分は事故にあったらしい。車に轢かれて二週間ほど眠っていたそうだ。大きな事故だったらしく、担当医には後遺症がないのは奇跡だと言われた。
     自力で起き上がれるようになってからは色んな人が会いに来てくれた。目が覚めて良かった、リハビリ大変かもしれないけど頑張って、早く学校来いよ、様々な言葉をかけられた。みんなに会えて嬉しい。嬉しいはずなのに苦しい。一番会いたい人にはもう二度と会えないから。

     体が回復していけばいくほど、彼のことを考える時間が増えていった。元気にしてるかな、モストロ・ラウンジは相変わらず賑わっているのかな、箒で高く飛べるようになったかな。

     新しい恋人は出来たかな。

     先輩カッコイイからすぐに出来るよね、すごく綺麗な人と付き合ってるかも、簡単に想像できるな。周りからお似合いカップルなんて言われてるかも。

     涙が止まらなかった。勝手に想像して辛くなって泣くなんて情緒不安定にも程がある。病室に入ってきた母が驚いてどうしたか聞いてきたけれど怖い夢を見たと嘘をついた。でも母は納得して大丈夫と背中をさすってくれた。事故の夢を見たと思っているのかもしれない。
     退院してからも先輩のことを考えて勝手に暗くなったり、熱を出したりと心も体も不安定だった。自分で選択したことなのに、こんなことになっているって先輩が知ったら失望するだろうな。そう考えてまた暗くなる。しばらくそんなことを繰り返していた。

    ---

     あれから五年。高校生だった俺は社会人になっていた。両親に進学しないのか聞かれたけれどこれ以上迷惑をかける訳にはいかないと言って卒業と共に実家を出た。心身共にだいぶ安定したし――といっても偶に先輩が夢に出てきて泣いたりしたけど――迷惑をかけた分少しでも恩返しがしたくて頑張ってそれなりにいい会社に就職した。

     仕事に慣れてくると考える余裕が出てきてしまう。何年経っても先輩のことは忘れられないんだと思う。また不安定になりはじめる。寝る前に突然涙が止まらなくなったり、食事の量が減ったりする。仕事に支障をきたす前に対処しないと。

     冬にさしかかろうとしているこの時期に海を見に来る人はなかなか居ないし天気も曇っているからか俺以外誰も居なかった。好都合だ。
     砂浜に体育座りをしながらぼーっと海を見る。そして思い出していく。先輩と俺の大切な記憶を。

     付き合ってる間、本当に幸せだったな。お互い駄目だって分かっていた筈なのに俺が勢い余って気持ちを伝えちゃったんだよね。凄い焦って罰ゲームなんですとか訳が分からないこと言って、でも先輩には全部バレバレで、自分も同じ気持ちですって言われて、でも辛い思いをさせてしまうから気持ちを知っていてくれるだけでいいって言ったのにそれでは満足出来ないなんて言われて、結局付き合うことになっちゃったんだよね。
     付き合い始めてからは先輩がよくオンボロ寮に来ていたっけ。なんで来るのか聞いたら自分の部屋だと片割れに邪魔されてしまうのでって言ってたな。実際モストロ・ラウンジでアルバイトさせてもらった時はフロイド先輩によく絡まれてた。そういえば先輩よく手料理を作ってくれた。だいたいキノコを使う料理だったけれど、どれも美味しかったな。別に料理は自分でも出来るけれどやっぱり先輩の料理は格別だった。ラウンジでキッチンも担当していたから当たり前といえばそうなんだけども。

    「手料理、食べたいな」

     思わず声に出してしまった。先輩の手料理が食べたい。最近は作るのが面倒くさくてコンビニで済ませてしまっている。偏った食生活をしている自覚はある。晩御飯はカップ麺かコンビニ弁当のどっちかだもんね。朝は時々抜いちゃうし昼も急いで食べたりするから先輩が知ったら怒るだろうな。

    「ジェイド先輩」

     会いたいな。そう思った瞬間、ボロボロと涙が出てきた。これが五年の月日で見つけた一番の対処法だった。海に来て、幸せだった日々を思い出してひたすら泣く。心に仕舞っていた気持ちを声にして吐き出す。会いたい、好きです、忘れられないです、抱きしめて、名前を呼んで欲しい、わんわんと泣きながら全部声に出す。今日は特に酷いかもしれない。いくら泣いても、声に出しても楽になれない。苦しい。

     いつもの倍以上の時間をかけてようやく落ち着いてきた。明日も休日で誰とも会う予定がないから家に引きこもっていよう。なんだかイデア先輩みたいだな。浮かんだ言葉に思わず笑ってしまった。大丈夫、また仕事を頑張ろう。ゆっくり立ち上がりいつの間にか晴れて出てきていた夕焼けを眺めていると、後ろから音がして思わずビクッと肩が跳ねる。さっきの見られたかもしれない。どうしよう、恥ずかしくて振り返ることが出来ない。固まっていると後ろの人はどんどんこちらに近づいて来る。顔を見られないように走って逃げよう、そう考えていると後ろから自分の名前を呼ばれた。

    「ユウさん」

     耳を疑った。懐かしい、でも聞こえるのはおかしい声だった。ついに幻聴まで聞こえ始めたのか。それとも似た声を持つ人?泣きすぎて頭が痛いからあまり考えさせないで欲しい。驚いて固まっているともう一度呼ばれる。

    「ユウさん」

     ドクドクと心臓が煩い。体も熱くなってきた。さっき散々泣いたのにまた視界がぼやけ始める。ゆっくりと振り返ると、ここ五年間ずっと想っていた人が目の前に居た。

    「――ジェイド、先輩?」
    「はい」
    「……ほんとに?」
    「お待たせしてしまい申し訳ありません、やっとこちらに来られました」

     ふわりと微笑まれた瞬間、勢いよく彼に抱きついた。ほとんど体当たりだったけどジェイド先輩は難なく俺を受け止めた。そして力強く抱きしめられる。

    「……ずっと貴方に会いたかった」
    「俺も、俺もずっと会いたかったです」

     お互いぎゅうぎゅうと抱きしめ合う。しばらくそうしているとジェイド先輩の抱きしめる力が弱まった。俺もそれに倣って力を緩める。顔を上げると想像よりも近くに顔があった。

    (ち、近い)

     じわじわと顔に熱が集まる。今の俺の顔、絶対に酷いことになってるからあんまり見ないでほしい。それに久々に見たジェイド先輩は大人っぽくなっていて、カッコよくて、正直言うと心臓がヤバい。喉もカラカラに乾いているし、手汗も凄い。どうしようか考えているとジェイド先輩が切なげに呼んできた。

    「ユウさん」
    「は、はい」
    「キス、してもいいですか?」
    「えっ……ん」

     俺の了承を聞く前に唇を重ねられた。最初はくっつけるだけだったキスも徐々に深くなっていく。会えなかった時間を埋めるように何度もキスをした。

    「はぁ」
    「んっ、じぇいど、せんぱい」
    「すみません、少しがっつき過ぎました」
    「いえ、その、気持ち良かった、です」

     事実を述べるとあんまり煽らないでくださいって言われた。実際何もかもが五年ぶりなのだからしょうがない。かなり刺激的で正直言うとちょっと反応してしまった。

    「ユウさん、ここは外ですから」
    「分かってますよ!うぅ、恥ずかしい」
    「ユウさんが落ち着くまでお話しましょうか」

     そう言って砂浜に腰を下ろすジェイド先輩。自分も再び砂浜に体育座りをする。

    「そういえば先輩どうやってこっちに来たんですか?」
    「アズールやフロイドにも協力してもらって異世界へ飛ぶ魔法を見つけたんです」
    「そうだったんですね……」

     二人が協力するなんてどんな対価を支払ったんだろう。そんな考えが顔に出ていたのか先輩はふふっと笑った。

    「対価は支払えてないですね」
    「えぇ!?」
    「払う前にこちらに来てしまったので」
    「な、なるほど」

     それアズール先輩凄く怒っているんじゃ……大丈夫なんだろうか、それに気になったことが一つ。

    「ジェイド先輩」
    「どうしました?」
    「二人に何も言わずに来ちゃったんですか……?」
    「突然魔法が発動してしまって、気がついたらこちらに来ていました」
    「それは」
    「大丈夫ですよ、一応書き置きをしておいたので」
    「良かった……」

     ほっと胸を撫で下ろす。突然居なくなるのは、分かっている状態よりも辛いだろうから。俺が言えた立場ではないけれど。何となく触れ合いたくなってそっと手を握ると優しく握り返してくれた。ふと違和感を感じる。

    「先輩、ひんやりしてないですね」
    「あぁ、もう人魚じゃないので」
    「え?」
    「ついでに言うと魔法も使えないです」
    「えぇ!?」
    「こちらの世界に来る代償みたいなものですよ」

     なんてことないように言う先輩。ジェイド先輩は全てを捨ててまで自分のところに来てくれたということだ。というよりも。

    「先輩、もしかして帰んないんですか?」
    「帰りたくても一方通行なので無理ですね」

     まぁ、仮に帰れたとしてもそんなことするつもりはないですけれど。微笑みながらサラッと言う。

    「それとも、僕に帰ってほしいんですか?」
    「そんな訳ないです!」
    「それは良かった、ユウさんに振られたら路頭に迷うところだったので」

     笑いながら言う先輩。本当に賭けでこっちに来たのだろう。それでも俺に会いたいという気持ちだけでここまで来てくれた。そんなジェイド先輩に愛しさが募る。思わず抱きつくとおやおやと言いながら頭を撫でてくれる。

    「先輩、大好きです」
    「僕も大好きですよ」

     ギューッと抱きついていると先輩がそういえば、と妙に芝居がかった感じで言った。何となく顔を見た方がいい気がする。直感でそう思いぱっと体を離して先輩の顔を見ると凄くニヤニヤしていた。あ、これは悪いこと考えてる時の先輩だ。俺の表情を見て目がすぅっと細められた。そして。

    「対価を頂いてもよろしいですか?」

     それはそれは楽しそうに告げてきた。要求された俺はポカンと口を開けて固まる。

    「おやおや、熱烈ですね」
    「求愛しているんじゃなくてビックリしてるんです!」
    「でも要求されると何となく気づいていたのでは?」
    「それは、まぁ、何となく」
    「話が早くて助かります」
    「うぅ、何がいいんですか?」

     ビクビクしながら聞くと先輩は深呼吸をする。今の自分が渡せるものでありますようにと願いながら待っていると、名前を呼ばれる。声が震えている気がする。それに顔がほんのりと赤い。緊張している?なんでと思った瞬間、両手を握られる。

     ──貴方の全てが欲しいです。

     先輩に要求された対価は俺の人生だった。不安げに揺れている瞳。手も少し震えている。そんな先輩が愛しくて、でもただ分かりましたって言うのはつまらないなと思ってしまって。黙っていると先輩の方から話しかけてきた。

    「ユウさん」
    「……」
    「せめて何か言って欲しいのですが」
    「――ふふっ」

     俺が笑うと先輩は目を見開いて口をポカンと開けていた。そんな顔が珍しくてまた笑ってしまう。ずっと笑っていると先輩は本当に困ったという顔をした。一世一代の告白にこんな反応はどうかと自分でも思うけれど、俺も一泡吹かせたい欲求が出てしまったから許して欲しい。流石にこれ以上心配させたくないからコホンと咳払いをする。先輩も真剣な表情に戻る。

    「ジェイド先輩」
    「はい」
    「先輩に会えると思ってなかったんですけど、会えたからには対価を要求したいです」
    「え?」
    「先輩のこと考えて沢山悩んだので……いいですか?」
    「……はい」

     ジェイド先輩は何となく俺が要求するものが分かっているのか微笑みながら答えを待っている。深呼吸をして自分を落ち着かせる。いや、かなり緊張するな。俺の反応が無かった時凄い不安だっただろうな。ごめんなさい。心の中で謝って、握られている手に力を入れる。そして。

     ──ジェイド先輩の全部を俺にください。

     言った瞬間ぶわっと顔が熱くなる。心臓もジェイド先輩に音が聞こてえいるんじゃないかと思うほど忙しなかった。ジェイド先輩も言われた瞬間口元に手を置いて顔を逸らしてしまった。耳まで赤くなってる。

    「先輩、耳まで赤いですね」
    「ユウさんも真っ赤ですよ」
    「分かってます、その、さっきはごめんなさい」
    「急にどうしました?」
    「いや、緊張してるって分かってたのに急に笑ったりしたので」
    「いえ、僕に似てきたなと思いましたよ」
    「……そうですか?」
    「そうですよ――ふふっ、嬉しいです」

     先輩は本当に嬉しそうに言った。なんだか恥ずかしい。先輩の顔を見ていられなくて、うぅと小さく唸りながら目を閉じて俯く。すると手が離され、優しく抱きしめられる。自分も先輩の背中に腕を回す。先輩の心臓の音が聞こえてくる。先輩の心臓も早く動いている。

    「そういえば、僕もユウさんもお互いを要求してしまいましたね」
    「そうですね」
    「ではもう離れられないですね」
    「お互いに渡しましたから離れられませんね」
    「ふふっ意図せずプロポーズをしてしまいました」
    「意図せず?」
    「おや、疑っているんですか?」
    「絶対言うつもりだったんじゃないですか?」
    「バレていましたか」

     そんな会話をしていると先輩が腕の力をを強めた。俺も負けじと力を入れる。気が済むまで抱きしめ合う。しばらくしてゆっくりと体を離した。

    「家に帰りましょうか」
    「名残惜しいですがそうしましょう」
    「あ、帰る前にスーパー寄っていいですか?」
    「もちろん。因みに僕は本当に何も持っていないので」
    「何となくそうだろうなと思っていたので大丈夫です」

     会話をしながらゆっくりと立ち上がり歩き出す。これからどうなるか分からないけれど、先輩と一緒なら何でも乗り越えられる気がする。先輩の手を自分の想いと同じくらい強く握ったのだった。
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