紫色の孤独な君へこれは『向日葵の似合う君に』の司目線のお話。
プロローグ
俺、天馬司は死んだ。
ショーをしていたときに演出の道具が落ちてきて、それが俺の頭に当たった。即死だ。
俺の目の前には血を流して倒れている俺と、泣き崩れるえむ。
救急車を呼ぶ寧々。そんなステージを見て悲鳴を上げる客。
「僕のせいだ………」
そう言って立ち尽くす類。
「類お前のせいじゃない」
そう言ったが俺の声はもう、誰にも届かない。
あの日から数日が経った。
俺の葬式が行われた。
「自分の葬式を見るってなんか変な感じだな……」
そう思いながら俺は棺桶を見ていた。
葬式にはえむも寧々も来ていた。
他にも一歌たちや冬弥たちも来ていた。
ただ、類だけがいなかった。
「類……どうしたんだろううか………」
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