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    牡丹(@___pigan)

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    牡丹(@___pigan)

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    某ジャンルのパロディです

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    #やまはる

    双子の弟のせいで婚約破棄をされた悪役令息(仮)が、白米王子にプロポーズされた件について卒業パーティーを行うために普段より派手な内装と、眩しいシャンデリアが吊るされた無駄に広い講堂。至る所に豪華な食事が置かれたテーブル。だが、食事はおまけだと言わんばかりに華やかなドレスを纏った女子生徒とシンプルかつ品があるスーツを着た男子生徒は、とある人物に視線を向けていた。

    「遥!君は多少口は悪いが、あの二条家の息子で顔も悪くないから、と目を瞑っていたが…これはやりすぎだ」
    「はぁ?」
    「卒業パーティーに参加している諸君!俺はこんな悪徳な男との婚約は破棄をすることを、ここに誓うッ!」


    ──
    たった今、襟や裾に大きなフリルをつけた派手なシャツ、なんか派手なギラギラしたジャケットを羽織ったオールバックにした金髪男は、最近よく見かけるがよく知らない何故か涙目になっている男の肩を抱きながら金春色の髪の人物に指をさす。指をさされた本人─世界中の化粧品業界のトップに君臨する、二条家の長男である二条遥は、眉を顰める。趣味の悪い格好した男は婚約者なのは間違いない。だが、それは両親が勝手に決めたことだった。しかも遥があっちの家に嫁ぐ側になっている。男が嫁ぐだなんて可笑しい話だが、遥は本来二条家の跡継ぎだった。それが急に高等部に上がってから、親が勝手に遥の跡継ぎの未来をなくしその代わりと言わんばかりにこの男と婚約するように、と半ば無理矢理な形で婚約を契ることとなった。何故遥がそんなことになったかというと、

    「兄貴、大丈夫…じゃないよね?」
    いつの間にか隣に並んでいた、心配そうに自分の顔を覗き見る血の繋がった双子の弟が全て原因だった。双子の弟─二条奏が遥の肩に触れた瞬間、悪寒と嫌悪が混ざり勢いよく手を振り払った。

    パシッ
    「いっ、…」
    「ふざ、けんな……また、お前だろッ!」

    振り払った音は婚約者の言葉のせいで静まった空間によく響いた。奏の「いたた…兄貴ってば、乱暴だなぁ…」という言葉で嫌な言葉が色んな声と共に広がる。

    「弟君は優秀で明るくて、全校生徒から慕われていると言うのに兄君は……」
    「やはり新しい跡継ぎに妬いているからか…だが弟君にまで手を加えるだなんて恐ろしい人間だ」

    耳を塞ぎたくなるような会話に遥は痛そうにして手を摩る素振りをした奏を睨みつけた。するとそんな遥の行動に怪訝した婚約者(仮)が声を荒らげる。

    「遥っ、君は俺の恋人を陰湿に虐めていた上に血の繋がった弟君にまで手を出していたなんて…信じたくはなかったが、本当のことだったんだな」
    「んだよ、それ…」

    婚約者(仮)の発言に遥は目を丸くした。恋人、と呼ばれていた男は3年に進学した際に遥のクラスに転入してきた。ある日急に話し掛けてきてマウントらしき言葉を投げ掛けられたことが多々あったが、面倒に巻き込まれたくなくていつも無視をしていた。だから話したことも、ましてや虐めていた事実は全くなかった。困惑している遥は婚約者(仮)の腕の中にいる男を見ると、ビクッと肩を揺らし更に目を潤ませた。

    「ぼ、僕、遥くんに教科書を隠されたり、この前もすれ違いざまに階段から突き落とされそうになったこともあってぇ…っ、」
    「はぁっ!?俺がそんなことするわけねぇだろ!?」
    「ヒッ、!」

    恋人の言葉に声を荒らげて睨みつけるが、更に怯えたように婚約者(仮)に擦り寄る。あざとい仕草にも関わらず気づいてないのか口元を緩めたと思えば、すぐに遥を睨みつける。更に震えが増した肩を優しく撫でながら、遥へと言葉を投げ掛けた。

    「大丈夫だよ。…君はいつも相手に圧をかけるね。俺はそんな君が嫌だった。それにこの件には証拠がある。」
    「証拠、って…」
    「俺の恋人を突き落とした階段から、君の髪の毛が落ちていた。」
    「髪…?」

    婚約者(仮)の恋人曰く、遥が恋人を突き落とした階段には金春色の1本の髪の毛らしき物体が落ちていたとのこと。確かに階段を下りていた時に、上がってきた人が転げ落ちた場面に出くわした。その時は大丈夫かと、声を掛け近づいたが転んだ張本人とその連れが「わざとだろ!」「君の婚約者のお気に入りだからと言ってこんな事するなんて…」睨んできて、そんな行動に不快に思いその場から去ったが……。

    「確かにこいつ階段ですれ違ったが、勝手に落ちただけだろ。」
    「おいッ!被害者に向かってなんてことを、!」
    「それに俺はこいつと一切話したことねぇ。俺の顔を見た時に一方的にあっちが話しかけてくるだけだ。俺は何もしてねぇよ。」

    婚約者(仮)と恋人の言っていることは全て事実無根だった。ありもしない事実を大勢の前に暴露され不愉快きまわりない。けれど、遥を信じようとしなかった。それどころか憐れむように遥にある言葉を投げた。

    「君はここでも言い訳をするんだね…君が不祥事を起こす度に弟君がフォローを入れてくれたのを分からないのか!!」
    「は?」
    「弟君である奏くんは俺の恋人にいつも気を使って、相談にまで乗ってくれていたんだ。しかも君の不祥事をハッキリさせるために彼自身が自ら調査の協力をしてくれたんだ。実の兄でもやってしまったなら罪を認めて欲しいから、と」

    婚約者(仮)の言葉に身体が固まった。恐る恐る隣にいる奏に目を向けたら、心配そうに向けていた顔は遥にしか分からない角度で歪に口角を上げていた。その瞬間、遥は分かった。─全て奏によって仕向けられたことだと。
    薄々は気づいていた。問い詰めることだって出来た筈だが、これ以上関わってしまえば奏の演技で周りが自分を悪者として見るのだろう。だから見て見ぬふりをしていた。それなのに─

    「このことは君のご両親にも報告済みだ。ご両親はこの卒業パーティーが終わり、絶縁すると言っていた。」
    「何、言って」

    既に根回し済みだったのか遥の知らないところで、不利になる立場に追い込まれていた。気づいた時には時既に遅しとはこの事を言うのだと、場違いにも遥は考えていた。突然の婚約破棄に事実無根な濡れ衣を着せられ、それが弟が原因で、しかも両親は俺を絶縁するとか、
    何故そうなったのか。理解が追いつかない。「君は国外追放だ、」とかなんか言っている婚約者(仮)の言葉を耳に流していたら、隣から身体を引っ張られる。

    「兄貴っ…!大丈夫だから、俺がずっと一緒にいるからっ…!」
    「て、めぇっ…!」

    奏は慰めるように遥を抱きしめていた。優しく言葉を投げかける姿は周りが見たら「健気な弟」だろう。だけど、遥だけはそうは思えなかった。奏から離れようと腕で押し退けるがびくりともしなかった。そして遥の耳元に近づき、彼にしか聞こえない声量で話し出す。

    「あーあ。可哀想な兄貴。これで独りになっちゃった、ね?」
    「ッ!!」

    奏のその言葉に目の前が真っ赤になった。
    ずっと嫌いだった弟。けれど幼少期は仲がよかった。病弱な奏を看病をして勉強やピアノも教えた。大きくなるにつれ健康的になった奏は遥が教えたことも教えていないことも、遥をいつの間にか追い越していた。悔しかった、ずっと頑張っていたのに。けれど自分ももっと努力すれば大丈夫だって、思っていた。それまではプライドの高さ故に奏にライバル意識を持っていたし、気まずさはあったが今みたいな嫌悪全くなかった。けれど全て変わったのは、遥の人間関係を壊してからだった。
    奏は両親や親戚は愚か、学園の友人の人間関係まで壊したのだ。壊した、というより遥のプライドの高さを利用した行動故の結果だ。こいつとならって思っても皆、奏を選んだ。その状況に疲れ果てた遥は諦めたのだ。
    ─跡継ぎの勉強から嫁入りの勉強をするのは苦痛だった。相談もなしに勝手に進められて、反抗しても何も変わらなかった。だから今回も諦めて婚約破棄を受け入れようと思った。国外追放もある意味好都合だ。だけど、その先も弟が付き纏ってくることだけは耐えられない。

    ドンッ
    「うわっ、」
    「ふざけんな!!お前のせいで、俺はっ…!」

    耳元で囁かれた瞬間、走馬灯のように過去を思い出し気づけば奏の身体を振り払っていた。そのまま床に尻もちをつき「いたた…」と嘆く奏を見て言葉を発したが、自分を見る周りの目が冷ややかなことに気づき思わず止めてしまった。

    「ほら、また暴力を奮ってる…」
    「あんな優しくしてくれたのに恩を仇で返すだなんて…」

    ヒソヒソと、けれど誰でも聞こえるような声量で紡がれる遥の悪い話は本人にも届き、聞いていたくなくて顔を俯かせる。そのせいで弟の某アニメのキャラクターの「計画〇り」のような顔になっているのを、知る筈もなかった。
    遥の行動を見ていた婚約者(仮)は耐えきれんと言わんばかりに、更に大声を上げた。

    「やはり君は、噂で聞いていた通りの悪役令息だな!そんな人間が僕の婚約者だったとは…っ」
    「もう婚約破棄が成立されたんですから、これからは大丈夫ですよ…!」

    婚約者(仮)と恋人のやり取りに気分が悪くなり、とっととこの場からいなくなりたい。そう思った遥は出口へ向かおうと後ろへ振り返ろうとした。けれど、振り返った先に人がいたのか身体がぶつかり、後ろへ倒れそうになる。目を瞑るも、床に身体を打つ感覚が未だに現れない。恐る恐る目を開けたら自分の右腕を掴んで、「大丈夫か?」と告げてくるとてつもなく美丈夫がいた。

    「大丈夫か?…ん?お前は二条か?」
    「つば、き?」

    難なく遥の右腕を引っ張り、立ち上がられた男は普段の制服や他の男子生徒が着ているようなスーツではなく、騎士団の制服だった。黒橡色のサラサラな髪と切れ長な瞳、小ぶりな唇は周りにいた女性達の目線を独り占めしていた。……右手にあるおにぎりが4つ並んだ銀の皿が無ければ童話に出てくる王子であっただろう。
    王子様のような美丈夫の騎士と婚約破棄されたばかりの悪役令息。不思議な組み合わせにクエスチョンマークを浮かべた周りを余所に奏は美丈夫の騎士に話し掛ける。

    「えっと…2人は知り合い?」
    「知り合い…そうだな。二条は俺のおにぎりを救ってくれた恩人だ」
    「は?おにぎり?」
    「…お前は誰だ」
    「あ?んんッ俺はそこにいる人の双子の弟!二条奏だよ~君は…椿大和だよね?じゃあ、ばっきーで!」
    「俺はばっきーではない。椿大和だ。」
    「やだな~あだ名だよ、あだ名!」

    奏と大和の会話に心臓がバクバクと動く。天然でアホで、頑固な大和でさえも奏の言葉を信じてしまうのではないかと思ったからだ。家でも学校でも居場所がない自分が安らぐ日々をくれた大和に幻滅されたくなかった。けれどそんな遥に気づかず2人は話を進めていた。
    これで大和との関係が終わる。諦めと言わんばかりのため息を吐き、意を決心して2人の会話を聞くことにした。そんな遥を見て奏は、どう壊そうかと考えながら大和へ話し掛ける。
    けれどこの椿大和という男は遥と奏の予想より斜め上の回答をしてくる男だった。それが分かるまで後、


    ─この話は、双子の弟のせいで陥れられた悪役令息(仮)が理不尽に婚約破棄をされ全て失うも、白米王子と幸せになる話。



    ✧設定

    二条遥
    めちゃくちゃ金持ちな二条家の長男。跡継ぎだったが、奏の方が優秀でコミュニケーション能力があるとのことで、立場が逆になった。
    婚約者(仮)は好きではないけど諦めがあったので渋々…な感じ。この後白米王子にプロポーズされて幸せになる。

    椿大和
    農作物が栄えてる国の王子の騎士団の息子。遥達より年上だがら頭が悪くてなかなか試験に合格が出来ず入学できた頃には遥と同じ学年になった。
    白米と音楽が大好き。この後遥にプロポーズする

    二条奏
    遥の双子の弟。遥が色んな意味で大好きで、遥を自分しかいない状況に追い込んだ張本人。恋人が婚約者(仮)を好きなのを利用して半分嘘半分事実な情報を流した。国外追放までは奏のシナリオ通りだった。この後自身も家を出るが、とある国の護衛である自称宇宙人と出会う。

    婚約者(仮)
    遥の元婚約者。

    恋人
    遥の婚約者(仮)の恋人

    世界設定とすれば、よくあるような悪役令嬢の世界線です。制服は少しオシャレな制服で、私服はよくあるゴージャスな感じです。
    ちなみに同性婚もokだったりするなんでもありな世界線です。
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    牡丹(@___pigan)

    DONE某ジャンルのパロディです

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    双子の弟のせいで婚約破棄をされた悪役令息(仮)が、白米王子にプロポーズされた件について卒業パーティーを行うために普段より派手な内装と、眩しいシャンデリアが吊るされた無駄に広い講堂。至る所に豪華な食事が置かれたテーブル。だが、食事はおまけだと言わんばかりに華やかなドレスを纏った女子生徒とシンプルかつ品があるスーツを着た男子生徒は、とある人物に視線を向けていた。

    「遥!君は多少口は悪いが、あの二条家の息子で顔も悪くないから、と目を瞑っていたが…これはやりすぎだ」
    「はぁ?」
    「卒業パーティーに参加している諸君!俺はこんな悪徳な男との婚約は破棄をすることを、ここに誓うッ!」


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    たった今、襟や裾に大きなフリルをつけた派手なシャツ、なんか派手なギラギラしたジャケットを羽織ったオールバックにした金髪男は、最近よく見かけるがよく知らない何故か涙目になっている男の肩を抱きながら金春色の髪の人物に指をさす。指をさされた本人─世界中の化粧品業界のトップに君臨する、二条家の長男である二条遥は、眉を顰める。趣味の悪い格好した男は婚約者なのは間違いない。だが、それは両親が勝手に決めたことだった。しかも遥があっちの家に嫁ぐ側になっている。男が嫁ぐだなんて可笑しい話だが、遥は本来二条家の跡継ぎだった。それが急に高等部に上がってから、親が勝手に遥の跡継ぎの未来をなくしその代わりと言わんばかりにこの男と婚約するように、と半ば無理矢理な形で婚約を契ることとなった。何故遥がそんなことになったかというと、
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    「遥!君は多少口は悪いが、あの二条家の息子で顔も悪くないから、と目を瞑っていたが…これはやりすぎだ」
    「はぁ?」
    「卒業パーティーに参加している諸君!俺はこんな悪徳な男との婚約は破棄をすることを、ここに誓うッ!」


    ──
    たった今、襟や裾に大きなフリルをつけた派手なシャツ、なんか派手なギラギラしたジャケットを羽織ったオールバックにした金髪男は、最近よく見かけるがよく知らない何故か涙目になっている男の肩を抱きながら金春色の髪の人物に指をさす。指をさされた本人─世界中の化粧品業界のトップに君臨する、二条家の長男である二条遥は、眉を顰める。趣味の悪い格好した男は婚約者なのは間違いない。だが、それは両親が勝手に決めたことだった。しかも遥があっちの家に嫁ぐ側になっている。男が嫁ぐだなんて可笑しい話だが、遥は本来二条家の跡継ぎだった。それが急に高等部に上がってから、親が勝手に遥の跡継ぎの未来をなくしその代わりと言わんばかりにこの男と婚約するように、と半ば無理矢理な形で婚約を契ることとなった。何故遥がそんなことになったかというと、
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