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    o_juju_Pd3fJ

    @o_juju_Pd3fJ

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    オメガバゆちょ
    すごくダラダラ書いてるんですけど楽しい

    転生オメガバゆちょ4虎杖悠仁もα性の家系である。父母は早くに不慮の事故で亡くなったが、祖父が悠仁を育ててくれた。10代の頃にその祖父も亡くなり、次に悠仁の身元を引き受けてくれたのは父の双子の兄弟である叔父だった。と言っても叔父は絵に描いたようなα性をしていて、海外で大きな仕事を何件もこなしては豪遊するという資産家であった。性格もそれに倣い高飛車でα性以外は家畜のような扱いをする人物だが、甥には彼なりの優しさを持っている。唯一の身寄りである悠仁を気にかけ、未成年時には保護者になり、大学も行かせてくれお見合いの手配までしてくれた。叔父は仕事柄ほとんど日本には居らず、悠仁は家族が残した大きな家に一人だった。友人はたくさん居たものの、一人で家にいる時間が寂しくないと言えば嘘になる。
    見合い相手が気に入ったからおそらくそのまま結婚するだろうと伝えると、じゃあ次は結婚式で、と言ったきり音沙汰がない。実に叔父らしい振る舞いだった。

    悠仁は社会人になってから買った国産のSUV車を街の眺望が見える高台に停車させた。辺りは街頭が無いお陰でヘッドライトを消すと夜景が良く見えた。助手席を見ると恋人である脹相がこちらを見つめていた。

    「夜景、綺麗っしょ」
    「ん?ああ、そうだな、眺めのいい場所だ」

    悠仁は首を傾げる。以前居た何人かの恋人候補は夜景を見せると皆喜んだのに、脹相は上機嫌で悠仁の顔ばかり見ている。初対面の時は少し暗い感じの印象で、自分とはあまり相性が良くないかと思ったものだ。最低でも二回は会ってみようと決めて、見合いの後のデートで悠仁は心を決めた。背が高く腰周りの大きい人が好みだったが、Ωは安産型の体型は多いものの、軒並み小柄な人間ばかりで、βでもα性でも気が合えば性別は厭わないと切り替えたばかりだった。初めてのデートに現れた脹相は先日の着物姿から変わって、すらりとした長身に纏った黒い服が白い肌を際立たせていた。着物では分かりにくかったが体付きも大きくて筋肉質ながらふかふかと抱き心地が良さそうで、見た目は悠仁のタイプをクリアした。
    また、彼は五歳も年上で、自分が子供に見られないかと心配したが、それは杞憂だった。むしろそれが良かった。脹相は面倒見のいい人間で、気が利くというよりどちらかと言えば余計なお世話をしてくる部分が多い。その外れ具合も可愛いかったし、世話を焼かれるのもあまり経験が無かった為新鮮だった。
    彼をもっと知りたいし、自分をもっと好きになって欲しい。甘いものが好きらしく、話題のスイーツ店に連れて行ったり贈り物をしたり、こうして誰もが喜びそうな景色を見せたりと色々試してみているが、脹相の反応はイマイチだった。その連れない態度が更に悠仁の心に火を付けて、気付けば自分ばかりが彼を好きなんじゃないかと感じてしまう。

    「脹相はあんまり他の人が喜ぶようなこと、好きじゃない?」
    「そんな風に見えたか?嬉しいぞ、悠仁が色々としてくれようとしているのは分かっているし」
    「あー、うん、ソウデスネ……何が好きか分かんなくて」
    「俺は悠仁が好きだ」

    ハンドルに半身預けていた悠仁は更に突っ伏して顔を背けてしまう。脹相の好意は真っ直ぐだ。悠仁も思ったことは素直に口にするが、如何せん脹相の顔が美しく眩しくて直視出来ない時がある。

    「お、俺もぉ〜……」
    「悠仁と一緒なら何でもいい」
    「何でも?地獄とかは?なんちゃって」
    「地獄でも、着いて行った、お前が行くと言ったからな」

    今度は脹相が下を向く番だった。
    何度か逢瀬を重ね、たまには語り合う日もあったが、ある日脹相にカミングアウトされた日があった。自分には前世の記憶があり、悠仁とも兄弟で恋人同士のようなものだったと。その世界では性別が男女しか無く、不思議な力を持った者同士の大きな戦いがあったこと。脹相は悠仁を庇い亡くなったこと。それらを大事そうに話して聞かせてくれた。
    まだ婚姻前だし、悠仁と出会えただけで嬉しいからと、こんな話をする人間が嫌なら交際を破棄してくれてもいいと脹相は少し哀しそうな顔で言った。
    悠仁には前世と言われても今生以外には何も思い出せる気がしないし、生まれ変わりなんて話も半信半疑だ。
    ただ脹相がこんな嘘を言って何か得があるわけでもないし、悪戯に虚言を吐くような人間にも見えなかった。話を全て信じた訳ではないが、脹相にとっては大事な事なのだろうと思い、「運命の人なら尚更別れらんないね」と笑って見せた。
    それから脹相が、時折寂しそうに呟く独り言の意味が理解出来るようになった。ヒートの時に言った言葉、あれも過去との錯乱だったのだ。「何故、前みたいにお兄ちゃんを抱いてくれないんだ」そうして悠仁は、過去の知らぬ自分に俄に嫉妬を覚えるようになる。今は、今の自分だけを見て欲しいのに。

    「『俺』は、脹相を幸せにしたいんだよ、地獄なんて行かないよ」
    「そうだな、この世界にはあんなものなんてない」
    「脹相のやりたいことやろうぜ、何してるときが楽しい?」
    「楽しい……?うーむ……弟達の世話を焼いている時……?と言っても、もう二人とも大人だから、家事をするくらいしか無いんだがな……」
    「何か面倒見たりするのが好きなんかね?動物とかは?」
    「好きだが、何かを飼ったことは無いから分からないな」
    「そっか、友達がさ、デカい犬を二頭飼ってるんだよね、白いのと黒いの。可愛いよ」
    「犬か、いいな」
    「結婚したら犬でも猫でも、何か飼おうか」
    「うん、それもいいが……」

    脹相は何かを思いついて悠仁の手を取り初めて見せる笑顔で言った。

    「悠仁がくれるもので、俺が一番欲しいものを思い付いた」
    「え、なに」
    「家族だ」
    「お、おお」
    「俺は子供が産める」
    「そうね」
    「悠仁の子供をたくさん産んで、一緒に家族を作りたい、俺が一番欲しいものはそれだ」

    脹相は瞳をキラキラさせて悠仁の手をぎゅうっと握る。初めて見る表情にドギマギしながらも、悠仁は、それでこの人が幸せならそうしてやりたいと、心の底から思う。

    「何人欲しい?」
    「10人だ!」
    「じゅ……野球チーム出来た上、一人補欠じゃん。ん、待って脹相28歳だろ?年子で出来たとして10人目だと」
    「38歳だな」
    「やば、早くしなきゃ」

    二人は笑いあってまるで悪戯を計画するように今後について話し合った。脹相は終始楽しそうで、悠仁にとってはそれが本当に嬉しかった。
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