ひだまりの貴方暖かな陽だまりの下。
羅浮にある景元のご立派な私邸にて、今日も穏やかに、限りある時間を過ごす。
「最近は冷えるけれど、ずっと良い天気だね」
紆余曲折の末、人生を共に歩まんとする景元が柔かに話す。
「晴れていると心なしか、健やかに感じられてとても気持ちが良いな」
丹恒は、少しばかり吹いた風で彼方此方へと向いてしまった髪を整えながら、そう応えた。
――景元はそんな様子をキラキラ輝く琥珀色の瞳で見つめ…何を思ったか。 指先で丹恒のつむじから髪先、瞼や頬、喉仏などありとあらゆる場所を、ゆっ くりと優しく撫で始めたのである。
丹恒は偶にくすぐったそうにしていたが、大きくて可愛い恋人の気が済むまでじっとしていた。
恋人との優しいひとときが終わった後。丹恒はそっと景元の大きな背中に抱きついた。
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