みけレオ小咄――レオさんは君のまま、君の愛する世界を生きれば良い。
三毛縞斑は月永レオにそう告げる。どうか幸福でと。君を害する者は全て、自分が排除すると微笑んで。
――俺はもう大丈夫だよ。だからママも自分を大事にして。
月永レオは三毛縞斑にそう告げる。誰かの為に己をすり減らし、人に寄り添えない怪物だと己を卑下しないでくれと。
彼らの関係は端から見れば庇護者と被庇護者にしか見えないだろう。
それは確かに間違っていない。何一つ間違ってはいなかった。感受性が強く傷つきやすい月永レオという天才を、三毛縞斑という怪物が大切に大切に守っている。それは紛れもない事実だ。
けれど、それだけの関係ならば、彼らはこんな風に互いを唯一無二の存在として、身を寄せ合うことはなかっただろう。
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