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    かここん

    @Acol1116

    公に出してない絵とかを出す予定

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    かここん

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    5話です!

    悲劇牙王白虎「いやー!ほんと助かった!ありがとう!」

    蒼天朱雀「いいえ礼には及ばないわ。学力テストでしっかり結果出してね!」

    2人は晩御飯を食べながらそんな話をしていた

    久世充「やあおふたりして元気で何よりだ」

    そんな中、2人が囲むテーブルの横に食べ物を乗せたプレートを持った久世充が現れた

    牙王白虎「出たな!!お前は俺に負けないように努力しろよ!!ははは!」

    牙王白虎は久世充にそう言って笑った

    久世充「君こそ、ドーピングだけはするなよ」

    久世充の一言に牙王白虎はくるりと蒼天朱雀の方を向いて

    牙王白虎「ねえ朱雀」

    蒼天朱雀「?」

    牙王白虎「ドーピングて何?」

    ドーピングについて聞いた

    蒼天朱雀「いわゆる、ズルね。」

    牙王白虎はそれを聞いて少し不服な表情で久世充の方を再び向いた

    牙王白虎「するわけないじゃん!!そんなズルなんてスポーツの業界でも決して許されない行為だぞ!!」

    それを聞いて久世充は歯ぎしりをして憎しみを持った顔で牙王白虎に言った

    久世充「ふざけるな…ズルして僕に怪我させたくせに…」

    牙王白虎「は?」

    牙王白虎はそんな覚えないと不思議な顔をした

    牙王白虎「確かにお前は怪我してた。けど俺はズルなんかしてねーよ」

    久世充「〜…でなければあんな足の速さを出せるわけが無いだろ」

    牙王白虎「俺の力だけど?!!…いーぜ明日の昼休みグラウンドに来い。また速さ比べしよーぜ」

    久世充「分かった。約束だぞ。じゃあ学力テスト明日の午前中だから頑張れよ」


    牙王白虎&蒼天朱雀「?!!!」

    2人は突然驚いた

    久世充「聞いてなかったのか?明日だと先生も言っていたぞ?」

    牙王白虎「ま、まあ?!今日でかなり勉強できるようになったから!!!」

    蒼天朱雀「そうよ!白虎は確実に成長した!!!あんたも覚悟しなさい!」

    久世充「…その言葉、信じてるよ」


    牙王白虎は学力テストで酷い結果を出したら久世充の、そして蒼天朱雀の期待を裏切ることになる、と思った

    牙王白虎「頑張らなきゃな…」



    そして後日

    牙王白虎「やってやる!!」

    蒼天朱雀「その意気!やってやれ!」

    牙王白虎はやる気に満ち溢れていた
    そして昨日の蒼天朱雀との勉強会の成果を発揮するべく意気込んでいた

    その瞬間、牙王白虎の右手に何か固いものが当たった
    見ればそれはカッターだった
    そして手の甲から血が流れていた

    蒼天朱雀「?どうしたの?」

    カッターが右手に刺さった牙王白虎が少し痛い表情をしたため蒼天朱雀はそれに気づいて声をかける

    牙王白虎「ん!!何か目に入っただけ!何も無い!」

    だが牙王白虎はそう答えた

    牙王白虎「(確実に誰かが投げたな)」

    突然の状況ながらも牙王白虎は冷静に周りを見た
    だが投げたと思わしき人物は見当たらない

    牙王白虎「(突然風邪でカッターが飛んでくるなんてことねえし)」

    その瞬間、とある出来事が頭をよぎった

    ガシャン

    風で動くはずのない花瓶
    そしてその近くにいたぼやぼやとした白い帽子をかぶった黒い髪の…怪異

    牙王白虎「!」

    それに気づいて周りをもう少し見渡そうとしたが蒼天朱雀に気づかれて迷惑をかけたくないと思ったのか、牙王白虎はそれを諦めて密かに右手を押えながら蒼天朱雀と登校した

    そして教室に入り、席に着く

    蒼天朱雀「あんたは間違いなく強い。だから見せつけてあげて」

    牙王白虎「…おう!もちろん!」



    チャイムが鳴る。テスト開始の合図だ

    先生がテスト用紙を配る
    2人は緊張していた

    牙王白虎はカッターを抜いたもののまだ流血している右手をしっかり抑えていた

    とても痛いだろうに、大事な友達に迷惑をかけたくないという気持ちがあって歯を食いしばって我慢していた

    牙王白虎「(仕方ない…左手で書くしか…)」

    牙王白虎はテストが開始した瞬間、左手で鉛筆を持った

    蒼天朱雀は少し牙王白虎の様子が気になったのか、少し横目に牙王白虎を見た

    蒼天朱雀「(あれ、白虎って左利きだったっけ…昨日右手で鉛筆持ってたような…)」

    蒼天朱雀は不思議に思ったが気のせいだと思ってテストに戻った

    牙王白虎「(やっぱり上手く書けない…)」

    字を書くにも時間はかかるし汚いし、読めない。
    そんな字が多くなっていたが答えを書いていっていた

    そして終了のチャイムが鳴る

    牙王白虎「(う…まだ6割くらいしかできてない)」

    字を書くのに時間がかかって本来できているはずの10割ができていなかった

    牙王白虎「…」

    これでは久世充と蒼天朱雀の期待を裏切ることになった、と酷く牙王白虎は暗い顔をして落ち込んだ

    蒼天朱雀「…白虎?」

    そんな牙王白虎に気づいたのか蒼天朱雀が顔を覗き込む

    蒼天朱雀「上手く出来なかった?」

    牙王白虎「…ごめん。あんなに勉強教えてくれたのに」

    そして目に涙を沢山ためて蒼天朱雀に謝った

    牙王白虎「ほんとに…合わせる顔ねえや…」

    蒼天朱雀「そんなことない…そんなことだってある、あたしだってできる時と出来ない時あるし」

    蒼天朱雀は精一杯フォローする

    蒼天朱雀「そんな出来なかったとしても意外と点数はいいかも!心配事の9割は起こらないって言うし!」

    牙王白虎「確実に70点以上は無い…6割くらいしかできてないから…」

    その発言に蒼天朱雀は違和感を覚えた

    蒼天朱雀「(おかしい。白虎は問題を解くのが早いはずなのに6割しかできてないなんて)」

    そして蒼天朱雀は見てしまった

    血だらけの牙王白虎の右手を


    蒼天朱雀「?!どうしたのこれ!」

    咄嗟に牙王白虎の右手を掴んで牙王白虎に問い詰める

    牙王白虎「!…今日、登校してる時にカッターが刺さって…結構思い切り」

    蒼天朱雀「とりあえず保健室に行きましょ!!」

    蒼天朱雀は牙王白虎を連れて保健室に急いだ

    蒼天朱雀「失礼します!怪我の手当をお願いします!」

    保健室のドアを開けて蒼天朱雀は言った

    先生「あらあら…大変、出血しすぎだわ…はやく手当しないと」

    先生は消毒液と包帯を持ってきた

    牙王白虎は色んな不安の気持ちが押し寄せてきてたのかして顔が青ざめていた

    蒼天朱雀「大丈夫。あんたは悪くない」

    そんな牙王白虎に蒼天朱雀は声をかけた
    そして左手をギュッと握った

    牙王白虎「…うん」


    そして手当が終わって右手に包帯を巻いて保健室から2人は出てきた

    牙王白虎「暫くは字かけねーな…」

    蒼天朱雀「…なんで言わなかったの?」

    蒼天朱雀は怪我したことを蒼天朱雀に黙っていた牙王白虎に尋ねる

    牙王白虎「…迷惑かけたくなくて…」

    牙王白虎は悲しい表情をして答えた

    蒼天朱雀「そうかもしれないけどあたし達、友達でしょ?沢山頼って欲しいの。」

    蒼天朱雀は牙王白虎の両手をとり、

    蒼天朱雀「入学式の日もそうだった。怪異に襲われた時もあたしを守ることばっかり。あたしを頼って。どんなことでもいい。あたしはあんたのこと、何があっても見捨てたりはしない。」

    と牙王白虎の目を見つめて話した

    牙王白虎「…ごめん。大切な友達…守りたくて…」

    蒼天朱雀「それはあたしも同じ。あんたのこと、守らせて」

    蒼天朱雀はそう言って牙王白虎の頭を撫でた

    蒼天朱雀「あんたのことを信用してるの。だからあたしの事も信用して?」

    牙王白虎「…わかった」

    蒼天朱雀「よーし!偉い!気分転換に購買行ってなんか買おっか!なんか奢ったげる!」

    テスト後の休み時間
    2人の絆はより一層深まった
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