挑発朝
チュンチュン……
牙王白虎「もー朝か……」
目覚まし時計が鳴るよりも少しばかり早く起きた牙王白虎は昨日の出来事を思い出していた
同じクラスになった蒼天朱雀という少女ととんでもない味と色と匂いのしたジュースを飲んだ後、帰り道で怪異が突然現れて見たこともない人物に助けられた、というものだった
牙王白虎「はぁ〜…やだやだ…ホントなんだよあいつ…」
牙王白虎は自身の寮の部屋で朝からため息をついた
そしてしぶしぶと寝間着から制服に着替えて、制カバンに教科書を詰めていた
牙王君「それよりも俺は今日からいきなり授業が始まることがゆううつ。」
…愚痴をこぼしつつ
蒼天朱雀「白虎!おはよ!」
牙王白虎「あ、朱雀!おはよー!」
部屋を出て朝ごはんを食べるべく蒼天朱雀と一緒に食堂に向かった
蒼天朱雀「今日はパン系が豊富だね!嬉しい!」
蒼天朱雀は食堂に置いてあるパンを次々とプレートに乗せていった
牙王白虎「…朱雀乗せすぎじゃない?」
蒼天朱雀「そう?美味しそうだからいくら食べても大丈夫だからいいかなって!」
牙王白虎はそういう問題か…?と自分のご飯をプートに乗せて席に着いた
牙王白虎&蒼天朱雀「いただきまーす!」
蒼天朱雀「ぅ…食べすぎた。」
牙王白虎「だーからいったのに…」
蒼天朱雀は少々青白い顔をしながら牙王白虎と登校した
そして正門に立つ生徒に挨拶をした
蒼天朱雀「風紀委員とかかな…しっかりしてるなあ」
するといきなり牙王白虎が叫び出した
牙王白虎「おぎゃー!!!!!!」
見ると緑髪の眼鏡をかけた生徒に牙王白虎のえりが掴まれているではないか
牙王白虎はいきなりの出来事にいきなり無気力になってぺちゃりと座り込んだ
牙王白虎「なんだお前!何すんだよ!!」
当然のごとく怒り出した牙王白虎が振り向いた先には彼の見知った顔がいた
牙王白虎「…お前…まさか…」
??「ふん、流石のお前でも覚えてたか」
その人物はかなり高圧的な態度をとった
??「僕はお前に敗北した。そして受験に落ちた。…だがここまで這い上がってきた。」
牙王白虎「…えっと…顔は覚えてる。だけど名前が……」
牙王白虎の発言に対し蒼天朱雀とその人物は驚いた
蒼天朱雀「なんで!?こんなにもあんたを恨んでそうな人の事を一切わかってないの?!」
久世充「…「久世充(ひさせ みつる)」。この名前を聞いたらわかるだろ」
牙王白虎はそれを聞いてハッとした
牙王白虎「あー!!鶏肉の部位の1部のあれね!!」
久世充「???」
その場で唯一蒼天朱雀だけがその言葉の意味を理解した
蒼天朱雀「ちょっとー!それはささみでしょ!ひさせみつるくんだよ!!」
牙王白虎「うーん、名前覚えてないけど受験の時にいた奴としか……」
二人の会話に唖然とした久世充がやっと口を開いた
久世充「っはあ〜…驚いた。こんなバカで物覚えの悪い奴に僕は負けたのか…」
この久世充の発言には流石の牙王白虎も怒りを覚えた
牙王白虎「あ?!!俺は頭が良くないけどそんなお前みたいな礼儀も知らねーやつに言われる筋合いなんてねーんだよ!!」
そして怒りを顕にした
久世充「…ふん、じゃあ今度の学力テストでこの僕よりも高い成績をとってみな。それと、僕は生徒会役員に立候補することにしたから。お前なんかに二度と負けないからな。」
久世充はそう言い残してその場を後にした
牙王白虎「くっそー!!あいつすっげームカつく!!!なんだよあんな格上みたいな態度!!イライラするー!!!」
蒼天朱雀「そうね…あんまり良い人じゃなさそうな気がする」
牙王白虎は朝からムカムカしながら教室に向かった
蒼天朱雀「そういえば…あの人学力テストがあるとかなんとかいってたわね…」
牙王白虎「えー、やだなー…ホント勉強だけは苦手なんだよ」
2人は溜息をつきながら机にカバンを置き、支度を始めた
牙王白虎「いつやるんだろうな…朱雀、勉強得意だったら勉強教えてくれたら嬉しいな〜…」
牙王白虎はチラチラと蒼天朱雀を見つめながらそう言った
蒼天朱雀「…いいわよ。それにこの学園、赤点をとったらアカテントラズ収容所…みたいなところに連れね行かれるとか言うしね…協力したげるよ」
牙王白虎「神!!素敵!!!天才!!!ありがとう!!!」
牙王白虎は蒼天朱雀に頭を下げて感謝した
蒼天朱雀「ところでどれくらい勉強が苦手なの?」
牙王白虎「うーん、九九はちゃんとできるし、割り算もできる。」
蒼天朱雀「…中一よ?当然じゃないかしら…」
牙王白虎「あ!竹取物語は暗記して今でも言える!!」
蒼天朱雀「…まあまあまあ、とりあえず今日の放課後、あたしの部屋に来て。勉強会しましょ」
牙王白虎は蒼天朱雀による勉強会をすることになったのだった