tgydと指輪【tgydと指輪】
「……指輪を、買いに、行きたい」
「……あ?」
指輪といえば…と思案して真っ先に結婚指輪を想像したツグは顔をみるみる真っ赤にして湯気まで出そうになっていた。
「俺の気持ちを押し付けるような気がして…ずっと言えなかった。だからここでちゃんと話しておきたい」
「そ、そんなの……」
「……駄目か?」
俺より身長高いくせにどこでそんな上目遣いを覚えたんだ、と憤慨しそうになるのを全身の筋肉で押さえてツグは悶絶している。
「いいに決まってんだろォ!ほら!行くぞ!」
急に叫んだツグは財布とスマホを乱暴にポケットに突っ込みずかずかと玄関に向かって歩いていた。
残されたヨダカの口元はかすかに緩んでいた。
サラル発案の甘えておねだりしてみよう大作戦は功を奏したのだった。