廃れていく関係だとしても一部が崩れた建物
伸びきった雑草
怪しく揺れる雑木林
割れた石畳
蔦に覆われたガボゼを横目に進んだ先にある廃墟へ二人は足を踏み入れた。湿り気を帯びたボロいレッドカーペットの上を歩いていくとある一室にたどり着く。
足元に飛び散った色彩豊かなガラスの破片。見上げると、元はそこにあったのだろう、大きなステンドガラスが埋め込まれている。何か人らしき絵が描かれていたらしいが、破損が激しくどんな人物かまではわからない。
両側に並んだ木製の長椅子はすっかり腐っていて、小形のポケモンが乗っただけでも崩れてしまうだろう。
その間を更に進んでいく。
繋いでいる手をしっかりと握り直し、落ち葉や木片を踏み鳴らしながら、転がっている大きな鐘の前で立ち止まった。
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