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    カゲガケ

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    カゲガケ

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    この前ののちょっと続き

    女子校パロ2 アラスターが通っている学校は初等部から高等部までが併設されたエスカレーター式の学校で、生徒は女子生徒のみである。少し裕福な家庭の女子生徒がちょっとした面接だけで入れてしまうものだから、少々おてんばな子が多い印象である。
     お上品な校風とまではいかないが、ごきげんようという挨拶が一時的に流行ったりすることもあるし、常用している生徒も何人か見受けられるので、お嬢様学校だと言ってもあながち間違いではないのかもしれない。

     アラスターは初等部からこの学校に通っている。父親は共学の名門校に入れたかったようだが、家族面接で落とされてしまった。その為、珍しく母親の意見が通りこの学校に通うことになったのだ。
     本当は母親も自分の母校である名門お嬢様学校に入れたかったらしい。ちなみに、こちらのほうは書類選考で落とされている。
     父親が母親に向かって「名門校に入学出来なかったのは、頭の出来まで母親に似た出来損ないだったからだ」と罵る姿を横目に、アラスターは、「名門というだけあって、面接官も有能なんだな~」と、幼いながらも面接官に対して感心していた

     顔なじみばかりの入学式に中等部からの編入生らしい生徒がいくらか目に映った。だからと言って、退屈な入学式が面白くなるわけでは無いし、アラスター自身もそれほど他人に興味があるわけでもないので校長やそのほかの教員の話を聞き流し、ただ時間が過ぎるのを待っていた。
    「こんなつまらない話をするだけで給金が貰えるなら、先生ってのは案外楽な仕事なのかもな。」
     隣の席の生徒がアラスターに話しかける。先ほどアラスターに席を奪われた生徒だ。
     アラスターの記憶にはどうでもいい相手のことは残らない。とは言え、6年間も同じ学校に通っていれば知っている顔か知らない顔かくらいの違いは分かるものである。それでも覚えられない顔というものはあるのだが、そういった顔の生徒はアラスターと会話をしない。
     どうやらこの生徒は編入生らしい。
    「おい、無視すんなよ。」

    結局式が終わっても、アラスターはその生徒と話すことはなかった。
    どうやらあの生徒とはクラスが違うようで、名前すら聞いていない。……聞いたところで記憶には残らないだろうけれど、アラスターに話しかけてくるような相手は珍しいし、ちょっとは暇つぶしになったかもしれない。
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