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    カゲガケ

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    カゲガケ

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    ちょっと続きが出てきたので。

    女子校パロ3中等部の校舎や教室にも慣れてきた頃、ホームルームで部活動についての説明があった。
    初等部には部活動が無かったが中等部からは必ずどこかの部に所属しなければならないらしい。
    部活勧誘のための発表を聞きながら、アラスターは今日の晩御飯について考えていた。
    次は園芸部の発表だ、園芸部にはロージーがいる。ロージーはアラスターが唯一仲が良いと思える相手で、上級生だった。
    初等部の頃に縦割り班でお世話をしてもらっていたこともあり、アラスターはロージーのいる部活に入ろうかとぼんやり考えていた。
    教室へと帰る、途中入学式で隣の席だった生徒が一年のくせに部員を探していた。
    少し離れた場所から様子を伺っていると、どうやら入りたい部活がこのままだと廃部になるらしい。
    アラスターはこの生徒の勧誘を受けるふりをしながら後々に「やっぱりはいりません」と断って遊んでやろうと思っていた。
    この生徒が何かを成し遂げようとして失敗するところはきっとおもしろいだろうから。

    「おや、あなた確か…入学式で隣の席でしたよね?こんなところでビラ配りなんて、一体どうして?」
    「あんたには関係無い…と言いたいところだけどそうもいかないんだ。ねえ君、放送部に入らないか?今入れば先輩後輩なんて面倒な関係もないし。部長になれるよ」
    「ではなぜ、あなたは部長になろうとしないんですか」
    「なんでっって…他に部員がいなきゃ部長になったって意味ないだろ。だからまずは部員を集める必要がある。部長を決めるのはその後だ。それに…」
    「それに…?」
    「部長って柄でもないだろ」
    見かけよりも自己評価が低いようだ。
    「確かに、貴方に人を導くような力はなさそうです。もう少しまともな勧誘を期待していたのですが…。」
    面倒になってきたので帰ろうとしたアラスターの腕をその生徒が引き止める。
    「お前、この学校で一番偉いのは誰だと思う?」
    「校長でしょうね。」
    「そうだ、あんな退屈でつまらない話をしているだけでトップを取ってる。ならもっと面白い話を校内で流せればどうだ?
    校長より影響力のある話を放送できれば?」
    「それで?何が言いたいんです?」
    「お前がなるのは部長だけじゃないぞ、お前の為ならなんだってするやつだって現れるかもしれない。
    この学園を支配したいと思わないのか?」
    アラスターは眉を上げ、少しの沈黙の後、軽く笑った。
    「はは、及第点と言ったところですね。良いですよ、入部して差し上げます。それで、あと何人必要なんです?」
    「所属だけのやつはすでに集まってるから、あんたで最後」
    「ふーん、そうなんだじゃあもう集めなくてもいいね」
    それならもっともっといいタイミングで、誰一人として寄り付かないような部活にして廃部へ追い込んでやろう。
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