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    hua__t_w_tao

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    音羽洮とずおばみ

    音羽本丸の奪還作戦と、可愛い彼らの審神者いじり。
    眠たすぎて言ってもらった。(マジで)
    本題は最後の最後です。
    ありとあらゆる極ボイスのネタバレがある。注意。
    特に鯰尾、全てにおいてネタバレ。

    音羽洮とずおばみ 夜花奪還作戦「花火ができるよ!」
    そう言えば、花火を名しか知らぬ私、音羽洮の本丸の男士たちは揃って目を輝かせた。
    「花火!空に綺麗な花が咲くって言う花火ですか!」
    去年の夏は、この本丸を離れて生きざるを得なかった。だから、この子達は花火を知らない。それを申し訳なく思っていたし、自分の本丸で祭りのようなことができるのなら是非と今回の任務を請け負った。
    「江戸に行って、花火を邪魔する時間遡行軍を倒していく、奴らが持ってた花火は持って帰ってオッケー、らしい」
    中庭なら花火もできるかも、と短刀達が湧き上がっている。この本丸には広い中庭、たくさんの植物があるとはいえ、そろそろ遊び尽きた頃でもあっただろう、つい先日まで揃って海に出た時といい、良い転換になりそうだと心浮かれた。
    出陣はまあ、そう大変な戦いでは無さそうだから確実にやってきなさい、と言って、編成を組む。
    江戸ならば土地勘のある方が良いだろうと生まれが江戸、相州である者を選び出す。ただ、隊長は安定して戦えるものに任せた。
    「鯰尾、隊長頼むね」
    「しょうがねえな〜、頼れるの、俺だけ?」
    「1番強いのはあなただからね、よろしく!」
    「りょーかいっ!」
    出陣の時に、鯰尾に声をかけた。
    「鯰尾、今回一応花火という名の爆薬ということで専門家をお呼びしました」
    「僕かね」
    「先生は絶対に行くな!…すまん主、先生は殴って寝かせる」
    「肥前くんいつもお疲れ様」
    「おうよ」
    「んで、江戸の爆薬といえば」
    「俺わかった気がする」
    「ふふ、僕達だよ」
    そう言って、源清麿と水心子正秀が顔を出す。かつて天保江戸の特命調査の折には、江戸に仕掛けられた炮烙箱を共に探し出して敵を倒した元政府権限顕現刀。彼らは同時に江戸出身でもあり、今回の出陣にうってつけだと呼んでおいた。清麿が若干経験が未だ心もとないが、鯰尾に伝えておけば安心だろうと考えてのことだ。
    「出陣だ!皆、行くよ!」
    鯰尾の掛け声とともに、第一部隊が江戸へ向かった。

    「ねっっっっむい!!!!!」
    叫んでいないと寝そうなくらい眠い。
    連隊戦に加え、今夏は肉体労働が加わってしまったのだ。生産年齢人口、すなわち18歳以上になれば審神者本人による単純労働も場合によって課せられる。その分の報酬はしっかり払われるから問題はないのだが、ただえさえ繁忙期と言われる審神者の夏、疲れないわけがない。
    しかし、ついさっき第一部隊を出陣させたばかり。ここで指示役が寝落ちると、部隊は進軍が出来ない。その上、(さほど心配はないが)傷を負っても気づかないというケースが最悪だ。
    寝るわけには行かなかったので、鯰尾がいなくて暇そうな骨喰に一緒にいてもらうことにした。代理近侍のようなものである。今回は鯰尾だけで十分と判断して非番と伝えたが、ちょっと自分寝たら叩き起してくれんかと呼んだ。別に不満なく来てくれることがありがたい。
    「寝たらどうすればいい」
    「私が死なない程度に殴ってくれ」
    「それほど力強くもないぞ」
    「嘘つけ〜〜!!!!」
    「主が弱いんだ」
    「あまりに図星すぎた」
    軽口が上手で困る。寝れない。いや、殴って欲しい訳では無い断じて。断じて!
    骨喰はほんとにしっかりしている。そのくせ、あまりいじりすぎると甘えに転じてくる。どうしてなんだ。飴と鞭か?
    ちなみに、この骨喰と鯰尾はいわゆる恋仲の関係で、私自身も知っている。なんならいじる。自分自身が誰かとそうなるなんて考えれば吐き気がするが、自分の可愛い男士が人の身を謳歌しているのを見ると、こちらも幸せだ。それでいいと思っている。それを言うと二振りにはすごい塩対応しかされなくなるのが露骨で面白くて好きだ。一度、「被虐趣味(か)?」と言われた時はさすがに傷ついたけど。違うんだな。
    「えーーん、骨喰、マジで指示采配代わって欲しい」
    「無理難題だ」
    「ダメだこれ、寝る前に死ぬ」
    「あと三戦だろう、耐えてくれ」
    「何骨喰、結構耐えろ系なの、精神論?」
    「なんの話だ」
    「あ、苦無」
    「苦無から花火100個も貰えるよ!ねえ貰えた!やったあ」
    「子供のようだな」
    「寝かせてください」
    「兄弟を江戸に放置する気か」
    「すいませんでした」
    ずっと喋っていると寝られないことを、骨喰も知ってか、ずっと話をしてくれる。二年前極めるまでは口数も少なく意思疎通は努力がいったが、今はこんな感じだ。あちらから話しかけてくれることも多い。
    「ただいま〜!」
    「おかえり、花火は、うん上々!編成はこれで大丈夫だった?」
    「大丈夫」
    なら、良かった。そう思うとただえさえ重い瞼がもう動かずにそのまま机に倒れた。

    しばらく寝ていたようだ。ふと顔をあげると、そこには鯰尾と骨喰がいた。
    「あ、主。おはよう」
    「一時間くらい寝ていたぞ」
    寝ぼけた頭で、ごめんごめんと笑えば、2振りは目線を机に合わせるように顔を近づけてくる。
    「もう、主ったらさ」
    「主」
    2振りはじっと見つめてくる。

    「もお…寝るなよ、俺も眠くなるだろ」
    「俺を…また1人にしないでくれ」

    ん〜!
    「審神者、永眠しますね!!」
    そう言ってもう一度大袈裟に伏せると、からかいが成功したとばかりに笑い合う声が聞こえる。
    「主の反応、面白くて好きだよ」
    「ああ」
    自分にそうやってちょっかいをかけてくれるのも嬉しかったし、それをやるために2振りで話していたのかと考えると、それはそれで主としてとても嬉しい。
    「ふふ、仲が良くてよろしい。そういうことやってる暇があるなら今日は2振りとも、もう寝なさいな。鯰尾、明日も出陣してもらうよ」
    「ん、りょーかい!」
    夜が更ける。2振りは同室だから、一緒に戻ってゆく。
    審神者の生活圏と男士の生活圏は分けているから、彼らが普段、どんな日常を送っているか、どんな部屋で過ごしているかは知らない。プライバシーもあるだろう。あの2振りなら尚更だ。その部分に審神者として介入する気はないし、他の男士にもさせたくない。それが、彼らを守る私の役割だとも思っている。
    ずっと、仲良くやって欲しいなとぼんやり去る背中を見送ったあと、自分の寝殿へと向かった。
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