音羽洮とずおばみ 夜花奪還作戦「花火ができるよ!」
そう言えば、花火を名しか知らぬ私、音羽洮の本丸の男士たちは揃って目を輝かせた。
「花火!空に綺麗な花が咲くって言う花火ですか!」
去年の夏は、この本丸を離れて生きざるを得なかった。だから、この子達は花火を知らない。それを申し訳なく思っていたし、自分の本丸で祭りのようなことができるのなら是非と今回の任務を請け負った。
「江戸に行って、花火を邪魔する時間遡行軍を倒していく、奴らが持ってた花火は持って帰ってオッケー、らしい」
中庭なら花火もできるかも、と短刀達が湧き上がっている。この本丸には広い中庭、たくさんの植物があるとはいえ、そろそろ遊び尽きた頃でもあっただろう、つい先日まで揃って海に出た時といい、良い転換になりそうだと心浮かれた。
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